望月 暁 理事長、齋藤 格 院長の独自取材記事
品川胃腸肛門内視鏡クリニック
(港区/高輪台駅)
最終更新日:2024/08/21
「つらい」「忙しい」「恥ずかしい」。胃・大腸内視鏡検査をためらう理由として、最も多く挙がるのがこの3つだそうだ。いずれかの理由で検査をためらい続けた結果、発見のタイミングが遅れて苦しい治療を余儀なくされるケースを何度も見てきたと、「品川胃腸肛門内視鏡クリニック」の望月暁理事長と齋藤格院長は声をそろえる。早期に発見できれば怖くないがんであるにもかかわらず、発見のための検査がハードルになっている現実。胃がん、大腸がんで亡くなる人を減らすには、この現実を変えるしかない。同クリニックが「おもてなし医療」を掲げ、一人ひとりの心のハードルに寄り添ったオーダーメイドの治療を提供する所以だ。同じ志のもと、二人三脚で検査・治療にまい進する望月理事長と齋藤院長に話を聞いた。
(取材日2024年1月5日)
一人ひとりの訴えに寄り添う「おもてなし医療」を実践
まずは、開業のきっかけからお聞かせください。
【望月理事長】医学部に進学して間もなく、十二指腸潰瘍を患って内視鏡検査を受けました。麻酔なしだったため非常にきつく、苦しかった記憶があります。数年後に受けた再検査では麻酔をしてもらったものの、今度はその副作用に苦しみ、やはりつらい思いをしました。その後、自分と同じ消化器疾患に罹患した人の助けになりたいと消化器内科に進み、検査への不安や苦痛を訴える患者さんを何人も見る中で、何とかしてもっと楽に検査を受けられるようにしたいと思うようになったのです。転機になったのは、大学卒業後に勤務した東京大学附属病院の研究室でした。苦痛をコントロールし、「内視鏡が苦しいのは仕方ない」という固定観念を払拭する上司のもとで学んだことが、現在の礎になっています。培ってきた技術をより多くの患者さんに届けたいと、2017年に当院を開業しました。
院内づくりにおけるこだわり、検査設備や体制について教えてください。
【齋藤院長】内視鏡検査後に休息を取るリカバリースペースもゆったりとした造りです。ストレッチャーに寝たままスムーズに移動できるよう、検査室からの動線も考えて設計されています。照明やBGMも、視覚・聴覚的にリラックスできるようなものを選んでいます。
【望月理事長】国内メーカーの3DナビゲーションとAI機能を搭載した内視鏡システムをはじめ、性能の良いものだけを導入しています。それらを駆使して診療にあたるのは、内視鏡を専門とする医師です。検査をサポートする看護師や事務スタッフも含めチーム一丸となって、精度が高く合併症の少ない内視鏡検査の提供をめざしています。検査の目的は、患者さんにとってベストな医療につなげること。そのためには当院でできることとできないことを見極めた上で、必要に応じて設備の整った医療機関へバトンタッチすることが大切だと考えています。
「おもてなし医療」について、詳しくお聞かせいただけますか?
【望月理事長】検査や治療には「怖い、痛い、つらい」とネガティブなイメージが伴いますよね。当院では「おもてなし医療」を理念に掲げ、そのイメージを払拭できるよう、さまざまな工夫を凝らしています。ハード面では先進的な医療機器の導入、設備の充実、ソフト面では医師の技術やスタッフの知識、それらを五感で感じられるような快適な空間。どれ一つ欠けても「おもてなし医療」にはたどり着きません。当院がめざすのは、上質で快適な内視鏡検査。患者さんからの喜びの言葉が私たちの励みとなり、スタッフの士気にもつながっています。
「また受けたい」と思える内視鏡検査をめざして
「おもてなし医療」の一つが、「オーダーメイド内視鏡」なのですね。
【望月理事長】がんの中でも罹患率・死亡率ともに高い胃がんと大腸がんですが、検査で早期に発見し、適切な治療ができれば怖いがんではありません。そこで、内視鏡検査を敬遠する理由の多くを占める「つらい」「忙しい」「恥ずかしい」の3つを解消するための環境と体制を構築して、ネガティブイメージの払拭をめざしています。「検査や、事前の下剤服用がつらい」とおっしゃる方には、鎮静剤で寝ている間に終わる検査や、下剤の服用なしでできる検査を提案。羞恥心から男性医師の検査・治療に抵抗がある方には、女性医師による検査・手術が可能な曜日をご案内します。また、平日は忙しくて受診する時間がない方のために、土日も外来・検査・手術を行っています。
下剤の服用方法や鎮静剤の有無は選ぶことができるのですね。他にも選べる内容はあるのでしょうか?
【望月理事長】当院の特徴の一つが、患者さん一人ひとりの希望に合わせたオーダーメイド内視鏡検査。胃の内視鏡は経口と経鼻のどちらにも対応しています。大腸検査で下剤を服用する場合には、ご自宅と当院内のどちらで飲んでいただいても構いません。鎮静剤を使用する場合には、その種類や量まで適宜調整可能です。「眠っているうちに終わらせたい」「大腸内の様子をモニターでリアルタイムで見たい」「できるだけ体内に薬を残したくない」など、患者さんのご希望はさまざまですからね。また胃と大腸の同日検査や、その際の「内視鏡的洗浄液注入法」の選択、大腸のポリープを検査と同時に切除するか否かなど、臨機応変に対応いたします。女性の医師も在籍していますので、ご希望があれば遠慮なくお聞かせください。
忙しい働き世代にも利用しやすいプランを教えてください。
【齋藤院長】胃と大腸の同日検査でしたら、食事の時間管理や通院も1回で済みますし、麻酔もその日1回だけで終わります。また「内視鏡的洗浄液注入法」は、胃の検査後にスコープを通して腸内を洗い流す方法です。2リットルもの下剤を時間をかけて飲む必要がありませんから、時間短縮にもつながりますね。土日も検査を受けられます。
【望月理事長】人間ドックを希望される場合、一通りの全身検査に胃と大腸の内視鏡検査を加えたプランもご用意しています。複数のクリニックを転々とする必要がなく、胃がん・大腸がんの早期発見に有用です。
症状がない段階で病気の芽を摘む、早期発見の重要性
診療の際に心がけていることをお聞かせください。
【望月理事長】安心、安全、患者さんにとってのベストな医療。これに尽きますね。「安心」は、環境づくりや患者さんとのコミュニケーションから。「安全」は医療提供者として当たり前のことですが、常に気を引き締めています。そして先ほど挙げた病診連携など、「何が患者さんにとってベストな方法か」を考えながら、そこにつながるような診療を心がけています。
【齋藤院長】私も院長と同じく、特に安全は最優先です。患者さんにはリラックスしてお過ごしいただき、私たちは小さな病変をも見逃さないよう努めています。その結果がどのようなものであっても、患者さんの気持ちに寄り添いながらわかりやすく説明。次にどうすれば良いかを一緒に考えていきます。
スタッフさんの接遇が良いのも印象的です。
【望月理事長】患者さんに対して、医師が関われる時間は診療と検査のみで、実質3割程度だといわれています。そのほかの7割は、看護師や、受付をはじめとしたコメディカルが患者さんに接しているわけですね。オーダーメイドの内視鏡を行うには、スタッフに「過去の内視鏡でこんな思いをした」「異性の医師に診てもらうのが恥ずかしい」といった患者さんの心の内を引き出してもらわなくてはなりません。また、その上で、当院で行っている治療から適切なものを提案できる知見と、安心感を与えられる人間力が必要です。スタッフには、志を同じくして患者さんに接してもらえるよう、当院のコンセプトを丁寧に伝えることを意識しています。
最後に、読者にメッセージをお願いします。
【望月理事長】当院では、患者さんに検査後のアンケートをお願いし、担当医に直接フィードバックすることで技術と人柄の向上を図っています。過去の検査の記憶が足かせになっている方、内視鏡に漠然と怖いイメージがある方こそ、ぜひ当院にお越しください。トラウマを解消するお手伝いができるよう、力を尽くします。