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眞鍋 祐美子 院長の独自取材記事

あきたけ医院

(北九州市門司区/出光美術館駅)

最終更新日:2023/10/10

眞鍋祐美子院長 あきたけ医院 main

JR鹿児島本線・門司港駅から徒歩15分ほどの場所にある「あきたけ医院」は、この地で130年以上にわたり住民のかかりつけ医として地域医療を支えてきた。現在は4代目の眞鍋祐美子院長がクリニックを継承し、従来の内科、小児科領域の診療に加え、専門である麻酔科を標榜。日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医として帯状疱疹の疼痛緩和、訪問診療での緩和ケアなどにも取り組んでいる。「クリニックに来る人はみんな何かに困っているはず。だからこそ断らないことが信条」と話すとおり、子どもから高齢者までさまざまな主訴をカバーする。診療中の笑顔が印象的な眞鍋院長に、クリニックの歴史や特徴、今後の展望などについて詳しく話を聞いた。

(取材日2022年6月15日/情報更新日2023年5月9日)

130年以上の歴史を持つクリニックを継承

こちらのクリニックは明治時代後期に設立されたそうですね。

眞鍋祐美子院長 あきたけ医院1

開業したのは曽祖父なのですが、こちらにクリニックをつくる前に岡垣町のほうで長く診療を続け、その後、門司港に出てきたと聞いています。当時から内科と小児科の診療を行っており、父は内科、母は小児科という医療家系。私は2015年にあきたけ医院を継ぐために戻ってきてからは、私の専門である麻酔科も標榜し、訪問診療にも対応するようになりました。2020年からは院長と医療法人眞秋会理事長を兼任しています。

子どもの頃から医師になりたいという思いはあったのでしょうか?

そうですね。私は2人姉妹の長女で、クリニックを継ぐんだと思いながら育ってきましたから。幼い時からクリニックの中で過ごし、看護師さんやスタッフの皆さんに育てられたような感じでしたし、自然の流れで医師をめざすようになったのだと思います。幸い、父も母も元気に働いていたので、家業とは違う診療領域を選ぶなど自由にさせてもらい、福岡大学病院麻酔科学教室に入局。それからは九州がんセンター、北九州市立門司病院、北九州市立医療センター、白十字病院などで麻酔科医として経験を積んできました。父が体調を崩したことをきっかけにクリニック近くの病院へと移り、継承の準備を進めました。

麻酔科医の道を選んだきっかけについてお聞かせいただけますか?

眞鍋祐美子院長 あきたけ医院2

女性医師ということもあって、できるだけ早く専門的な資格が取りたかったんです。結婚して子どもを産んで育てるということを考えると、入院患者さんのケアなどもあって長期間休むことが難しい内科や小児科より魅力的に感じました。それに麻酔科は幅広い疾患の治療にも関わる診療科です。手術で麻酔が必要となれば赤ちゃんからお年寄りまですべてに対応できなくてはなりません。そのため麻酔科医は「手術室の内科医、小児科医」と言われることもあるんですよ。いずれはクリニックを継ぐということを考えていたので、さまざまな世代、多様な疾患を診られるようになるという点は私にとってのメリットでした。毎日のように全身管理をしていれば、診断まではできなくても状態の悪さがわかるようになりますし、そうした経験は今の診療にも非常に役立っています。

「断らない」精神でどんな患者でも受け入れる

先生のモットーは「断らない」ことだと伺いました。

眞鍋祐美子院長 あきたけ医院3

何かに困ってクリニックに来ているのはどの患者さんでも同じです。困っていなければ病院なんて行きませんよね。ですから病気が何であれ、患者さんの困り事は解決したいという気持ちが強いのだと思います。もちろん私一人の力ですべての患者さんを治療することはできませんし、これまで培ってきた人脈を生かして専門家に相談したり、紹介したりしながら困り事を解決していきたいと思います。ほかのクリニックや病院から患者さんをご紹介いただくこともありますが、頼りにしてもらっている以上、可能な限り力になりたいですね。

現在はどんな患者さんが多いのでしょうか?

高血圧症や糖尿病に代表される生活習慣病の患者さんが多い印象です。地域のクリニックなので、風邪や腹痛の患者さんもたくさんいらっしゃいます。また、高齢の患者さんも多いので健康寿命を延ばすためのフレイル予防や、肥満や生活習慣病に悩む方に受けての外来も受けつけています。血液検査で体重や内臓脂肪などを測り数値化することで、健康状態をコントロールしやすくなりますし、運動の成果がわかると「もう少し頑張ろう!」とモチベーションアップにもつながります。外来診療の範囲内で受けつけておりますので、気軽にご相談いただきたいですね。

ご専門である麻酔科領域ではどんな診療を行っているのですか?

眞鍋祐美子院長 あきたけ医院4

専門が痛みの除去や緩和をめざすペインクリニックなのですが、特に帯状疱疹のケアに取り組んでいます。帯状疱疹は痛みが強く、まずはその痛みをコントロールしなければなりません。少し特殊かもしれませんが、硬膜外麻酔という手法を使っています。通常手術を行う際には、細い管から痛み止めの薬を入れ切開する部分をしびれさせる硬膜外麻酔をした上で、全身麻酔をかけていきます。これを帯状疱疹の患者さんにも使い、痛みのブロックを図るのです。重症の場合には連携している病院に1〜2週間ほど入院してもらい、痛みをコントロールしながら症状の回復をめざし、その後クリニックの外来で診療をしていきます。

世代や病気の垣根なく通える地域のかかりつけへ

小さなお子さんからお年寄りまで、あらゆる世代を診療できるのは一つの特徴です。

眞鍋祐美子院長 あきたけ医院5

内科と小児科のクリニックとして始まり、いろんな出会いやニーズによってさまざまなことに取り組んできました。例えばクリニックでは病児保育に対応していますが、これは門司港エリアで実施するクリニックが不足していたからです。私自身4人の子どもがいて母に助けられながら子育てをしてきたので、病児保育の必要性は痛感しています。病気のお子さんであっても預けられるところがあれば、ママだって安心して仕事ができますからね。そうした巡り合わせによって、クリニックの近くに訪問看護ステーションもじっこ、ケアプランセンターもじっこ、デイサービスもじっこを立ち上げ、訪問介護にも取り組んでいます。

クリニック継承後には訪問診療にも携わられていますね。

勤務医時代に友人が末期がんになり、その方の看取りを頼まれたのが訪問診療に関わるようになったきっかけ。診療自体は問題なくできるのですが、どうやって保険診療を行えば良いのか手探り状態でした。そこで半年ほど訪問診療に特化した医療機関に通いノウハウを学び、継承と同時に訪問診療を本格的にスタートしました。現在では個人宅はもちろん、グループホームや老人ホームなどでも訪問診療を行い、末期がんの緩和ケア、心不全や老衰、パーキンソン病をはじめとした神経難病の患者さんをサポートしています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

眞鍋祐美子院長 あきたけ医院6

毎週金曜には頭痛の専門家である夫が来てくれますし、週に3回は小児科の先生、月1回は整形外科と皮膚科の先生が来てくれるなど、多くの仲間たちに支えてもらっていますが、今後は常勤の小児科医師を増やしニーズが多い障害児の訪問診療にも対応できるようにしたいと考えています。また130年以上続いてきたクリニックですから、地域のかかりつけ医として近所の方には世代や病気の垣根なく来院いただければと思います。私が大事にしていることは、喜んで帰ってもらうこと。子どもでもお年寄りでも、一つは花丸をあげて喜んでもらう。そうすることでクリニックに来る嫌な気持ちが少しでも減らせたらうれしいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

NEAR法/1万1000円(※無症状の場合)

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