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谷口 将太郎 院長の独自取材記事

新宿内視鏡クリニック

(新宿区/西新宿五丁目駅)

最終更新日:2021/10/12

谷口将太郎院長 新宿内視鏡クリニック main

西新宿五丁目駅から徒歩2分、初台駅や西新宿駅からも徒歩10分の「新宿内視鏡クリニック」。内科・消化器内科も診療科目に掲げているが、来院する患者の9割以上は内視鏡検査が目的という内視鏡検査に特化したクリニックだ。近隣からはもちろん、他県からも噂を聞きつけて訪れる患者も多いという同院の特徴は、極力苦痛を抑えてくれる精度にこだわった検査方法。「胃腸のがんで亡くなる方を減らすには、まず内視鏡検査を受けやすくする必要があります」という谷口将太郎院長は、独自の検査法を今後ますます広めていきたいと語る。その検査法とはどんなものか、日頃から心がけていること、今後の展望なども併せてさまざまな話を聞いた。

(取材日2017年5月8日)

精度が高く、できるだけ痛まない内視鏡検査をめざす

こちらで開院された理由を教えてください。

谷口将太郎院長 新宿内視鏡クリニック1

もともとは同じ法人下にある「方南みどりクリニック」という杉並区のクリニックで院長を務めていましたが、内視鏡をメインにした分院を都内につくりたいと考え、たまたま良い場所がここに見つかったので2016年8月に開院したということです。距離的にはそれほど離れていませんが、方南みどりクリニックは内科・消化器内科の外来診療がメイン。当院も内科・消化器内科を掲げ外来も受け付けてはいますが、90%以上の方は内視鏡検査を求めていらっしゃいますし、向こうは50代以上の地元の方、こちらは20代から40代が中心で地元以外の方も多いというように、まったく患者さん層も異なりますので、近くに開院しても問題ないと判断しました。

これまでのご経歴を伺います。内視鏡検査はずっとやってこられたのですか?

大学を卒業した後、人の全身を診たいと思って救急総合診療部(ER)を志望し、福岡県の病院に研修医として勤務しました。内視鏡検査を専門にしようと決めたのは、次に勤務した鹿児島県の関連病院で当時、内視鏡センター長を務められていた後藤先生に師事したのがきっかけ。今から11年も前になります。後藤先生は現在、当院で週1回検査を担当していただき、他院のドクターなども見学できるようにして手技が学べる場を提供しています。その後、沖縄県の病院で肝臓・胆のう・膵臓について勉強しましたが、だんだんと「自分の思う方法で患者さんを診ていきたい」と思うようになり、東京に戻って方南みどりクリニックを開院。さらに、内視鏡検査の手法をもっともっと広めていきたいので当院を開院した、というのがこれまでの流れです。

設備や検査機器でこだわっていらっしゃることはありますか?

谷口将太郎院長 新宿内視鏡クリニック2

先進の内視鏡を入れたり、モニターの視認性を向上させるため検査室の照明をブルーライトにしたりと、いろいろありますが、そういったこだわりは結局、理想の検査に近づけたいからです。つまり、できるだけ苦しくない検査、見逃しが少なく精度の高い検査を行うためですね。当院で、経鼻ではなく経口内視鏡検査を行っているのはその一環。経口内視鏡と比べると、どうしても経鼻内視鏡は解像度が落ちてしまいますから。検査機器でいえば、もうすぐ超音波内視鏡が届く予定です。これは、通常の内視鏡では見ることができない組織内部まで観察ができる機械で、表面には見えない粘膜下の腫瘍まで調べることができます。診療所レベルで持っているところはほとんどないと思いますが、大きな病院に送らなくても患者さんを診て差し上げられるようにしたいと考え、導入に踏み切りました。

水浸法や内視鏡的洗浄液注入法で検査時の負担を軽減

診療の特徴を教えてください。

谷口将太郎院長 新宿内視鏡クリニック3

検査時の苦痛を最大限まで抑えられる内視鏡検査を行っているということです。大腸内視鏡では「水浸法」や「内視鏡的洗浄液注入法」といった患者さんにとって楽な検査方法を採用し、胃・大腸いずれも鎮静剤の使用をお勧めしています。眠ったまま検査することで、検査機器の大小にかかわらず苦痛を軽減できますし、患者さんが落ち着いた状態なので検査の精度も高くなるというメリットがあるからです。実際、当院で検査を受けた方のリピート率は高いですし、「次回、内視鏡検査をするとしたら当院で受けていただけますか?」とアンケートを採ると、ほぼ100%「はい」とお答えいただいています。あとは、大きな病院と違って、当日検査も受け付けていること。大きな病院だと何週間も何ヵ月も待つことがありますが、アニサキス症などでつらい場合は、とても待っていられません。当院では、当日検査に対応できるようスタッフや環境を整えています。

水浸法や内視鏡的洗浄液注入法とはどんな検査方法ですか?

水浸法は、大腸の内視鏡検査の際、少量の水を注入しながら腸の内側を観察する方法です。従来の、空気を入れてつぶれている腸をぱんぱんにふくらませる方法では、腸が伸びたり内視鏡のスコープが押されて痛みが出たり、検査後もおなかが張って苦しかったりしていました。水浸法なら、腸をぱんぱんにしませんし、水で摩擦抵抗が減り無理なくスコープを進めることができます。また、従来の方法は腸がふくらんだ状態なのでスコープが宙に浮くようになって不安定でしたが、水浸法はそれがないため、ポリープを除去するにも安全性が高いと考えます。内視鏡的洗浄液注入法は、体内に入れた内視鏡から直接、下剤を注入する方法です。従来は下剤を口から2リットルも飲まなくてはなりませんでしたので、特に「飲めないから」と検査を諦めていたご高齢の方などには好評です。

診療の際に心がけていることは何でしょう?

谷口将太郎院長 新宿内視鏡クリニック4

自分の家族だったらと思って、患者さんを診るということですね。当日の検査を受け付けているのも、おなかが痛いのに「予約を取ってまた来てください」とは、自分の親には言えないと思ったからです。それから、検査を受ける方はだいたい緊張していますから、顔色を見ながらどんなことに不安を感じているのかを探り、その不安を和らげるよう声掛けをしています。例えば、痛みがありそうで不安なら「もし痛くてしょうがなかったら、検査後に私を殴ってくれてもいいですよ」と冗談を言ったりしますね(笑)。

さらに分院を増やし、独自の検査法を広めていきたい

今後の展望をお聞かせください。

谷口将太郎院長 新宿内視鏡クリニック5

当院で行っている内視鏡検査をもっと身近なものと感じていただくためにも、さらに分院を出していきたいですね。欧米と比べて日本は、内視鏡検査を受ける人の割合がすごく少ないのですが、その大きな原因になっているのが、検査は痛そう、苦しそうというイメージです。検査を受けず、発見が遅れてがんで亡くなってしまう。それを少しでも減らすには、まず内視鏡検査は痛い・苦しいというイメージを変えなくてはなりません。当院だけでは限界がありますが、例えば当グループが10ヵ所に拡大すれば、楽な内視鏡検査を体験していただける方も10倍になります。規模が大きくなればそれだけ体験者も増え、クチコミの数も多くなり、やがて「探せば検査が苦しくないところもあるんだ」というイメージが一般に浸透していくのではないかと思います。

休診日はどのように過ごされていますか?

まとまった休みが取れるときは取れるので、年に1回とか2年に1回くらいですが、海外旅行に行くことはあります。普段の休みでいえば、神奈川県や千葉県のほうで釣りをしたり、ゴルフに行ったり。たまたまご近所の方が船を持っていて、横須賀まで連れて行ってもらったりしています。あとは、子どもをどこかに遊びに連れて行ったりというところでしょうか。ただ、子どもが小学校2年生になって親よりもお友だちと一緒に遊ぶほうがよくなったみたいで、なかなか相手をしてくれなくなりました。仕事絡みでは、学会に出席したり、だいたい1回くらいのペースで勉強会にも行っています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

谷口将太郎院長 新宿内視鏡クリニック6

これまで内視鏡検査を受けたことがない方は、1回でいいのでぜひとも検査を受けてみてください。1回でも検査を受けると、例えば大腸がんは約7割も死亡率を減らせるといわれています。一方で、日本人の4分の3は、一生のうち1回も内視鏡検査をしないというデータもあります。どれだけ医療が発達しても、良い検査機器ができて検査の精度が上がっていても、その恩恵を受けているのは全体の4分の1だけというのが現状なんです。ぜひ水浸法の検査を検討してみてください。現在は、水浸法を取り入れているクリニックが全国的に増えつつあり、5大都市圏なら受けることは可能なはず。特に、40代以上で「自分は大丈夫」と思っている方は、だまされたと思って検査を受けてみてください。

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