頭痛の検査と治療
自己判断せず、早めに専門の医療機関へ
ほどがや脳神経外科クリニック
(横浜市保土ケ谷区/保土ケ谷駅)
最終更新日:2022/01/14


- 保険診療
- 自由診療
慢性的な頭痛に悩まされている人は少なくないが、市販の頭痛薬でやり過ごし、そのまま放置していないだろうか。頭痛には、一次性頭痛と二次性頭痛の2種類があり、後者の場合はくも膜下出血や脳腫瘍など、命に関わる脳疾患が原因となっている可能性もあるため注意が必要だ。「大切なのは、MRIによる検査や、脳神経疾患を専門とする医師の診察を受け、頭痛を引き起こしている原因が何なのかを突き止めること」と話すのは、「ほどがや脳神経外科クリニック」の日暮雅一院長。これまで数多く頭痛で悩む人たちの診療を行ってきた日暮院長に、頭痛の種類やその特徴、原因、検査の流れについて解説してもらった。
(取材日2020年11月29日/更新日2022年1月12日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q頭痛にはどのような種類があるのでしょうか。
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A
片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛など、他の疾患を伴わない「一次性頭痛」と、くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎などの疾患が原因となる「二次性頭痛」があります。二次性頭痛は放っておくと命に関わる場合もあるので、問診・神経学的診察やMRIなどの検査を行って、その頭痛が、一次性と二次性どちらに該当するかを精査します。そして、それらの検査結果に基づき、一次性頭痛の場合は、服薬による処置とフォローアップ、二次性頭痛には原因に対する治療を行います。
- Q専門の医療機関を受診することの大切さと、そのメリットは?
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A
当院のようにMRIを備えた医療機関では、迅速な処置が必要な二次性頭痛を見逃さないよう細かく精査します。市販の頭痛薬などの使用過多が原因で、毎日のように頭痛を引き起こしているケースも少なくありません。そのため、頭痛の原因がわからないまま、長らく市販の頭痛薬に頼っている人にこそ、受診をお勧めしたいですね。頭痛を診る専門の医療機関であれば、患者さんに合わせた薬を処方することができますし、食事や睡眠、運動などの生活習慣が頭痛の原因となっていることもあるので、受診することで普段の生活を見直すきっかけにしていただくのもよいのではないでしょうか。
- Q検査にかかる時間や検査の種類について教えてください。
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A
MRI検査自体に要する時間はおよそ20分。その前の受付や診察を含めると、当院の場合は1〜2時間ほどの時間がかかります。費用は、実際に頭痛などの症状があり、何らかの疾患が疑われる場合は、保険適用となります。また、頭痛などの症状がなくても、先に挙げた二次性頭痛の原因となる脳動脈瘤や脳腫瘍などの有無をチェックする脳ドックがあります。こちらは自由診療となりますが、会社にお勤めの方は、所属組織が費用を負担、もしくは補助している場合もありますので、問い合わせてみるとよいでしょう。当院でも脳ドックのコースを各種用意しています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診と神経学的な診察で、家族歴や症状を確認
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初診の際には、家族に頭痛を抱えた人や脳卒中を経験した人がいるかどうかや、患者自身が目・耳・鼻などの疾患にかかっていないかなど、詳細なヒアリングを行う。頭痛の頻度や強さ、どのような痛みなのか、どこが痛むのかも確認していく。
- 2MRI検査で重大な疾患の有無をチェック
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MRI検査で、二次性頭痛の原因であるくも膜下出血や脳梗塞などの脳卒中、脳腫瘍などが隠れていないかをチェック。治療を行うにあたって重要なのは、その頭痛が一次性のものなのか、命に関わる疾患が原因となっている二次性のものなのか識別することにあるという。直接の原因ではなくても、副鼻腔炎(蓄膿症)や頸椎症など、頭痛を悪化させる要因となる問題が見つかることもある。
- 3診断結果をもとに診断し、治療を開始
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診察やMRI検査の結果をもとに診断がつき治療を開始。一次性頭痛の場合、同院では従来の予防薬や漢方のほか皮下注射をして神経伝達物質であるCGRP(カルシトニン遺伝子ペプチド)のブロックを図る抗体治療薬を処方。妊婦、子ども、高齢者にはより安全性を重視して薬を選ぶなど、個々の患者に合わせた治療を行う。一方、何らかの疾患が原因となっている二次性頭痛と診断された場合は、原因に対する治療が必要になる。
- 4生活習慣の指導と、頭痛管理ツールの活用
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頭痛の原因は一つではないことが多く、普段の生活習慣が頭痛の原因となっていることもあるため、同院では必要に応じて睡眠や食事、運動をはじめ、普段の姿勢や生活リズムの調整、ストレスマネジメントなど、生活する上での細かなアドバイスを行っている。また、患者自身が状態を把握し、より効率的な治療につなげられるよう、日々の頭痛の状態を「頭痛ダイアリー」に記録することを勧めているそう。
- 5治療後も継続的なサポートを受け、頭痛を予防
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慢性的な頭痛で悩んでいた人は、症状が落ち着いてからも、医師に日常生活で頭痛になりやすい因子を指摘してもらうといった継続的なサポートを受けることが重要だそうだ。CGRP(カルシトニン遺伝子ペプチド)のブロックを図る抗体治療薬や従来の予防薬の服用をやめるタイミングの指導やセカンドオピニオンなど、頭痛の症状に悩む人たちにこまやかに対応しているのも同院の頭痛診療の特徴。
自由診療費用の目安
自由診療とは●シンプル脳ドック(脳MRI・脳MRA・頸部MRA)/2万3000円 ●スタンダード脳ドック(脳MRI/MRA・頸部MRA・頸部エコー)/2万8000円(いずれも税別)