日暮 雅一 院長の独自取材記事
ほどがや脳神経外科クリニック
(横浜市保土ケ谷区/保土ケ谷駅)
最終更新日:2022/04/05

JR横須賀線の保土ヶ谷駅より徒歩2分、相鉄本線の天王町駅から徒歩8分というアクセスしやすい立地に「ほどがや脳神経外科クリニック」はある。院長の日暮雅一先生は、脳神経外科のエキスパート。横浜市立大学附属病院や基幹施設などにおいて多くの脳神経外科治療に携わってきた。脳卒中・認知症・頭痛などの外来診療に対応し、脳のさまざまな悩みや不安に向き合う脳のかかりつけ医として日々尽力している。代診の医師もそれぞれに強みを持っており、女性の医師も在籍している。「さらに専門性を高め、新しい治療も取り入れながら、診療の幅を広げたいですね」と話す日暮先生に、診療内容や特徴、また片頭痛に対応した注射薬や脳ドックについても話を聞いた。
(取材日2021年11月11日/更新日2022年3月31)
専門知識を持ち寄り、さまざまな脳疾患に対応
頭痛に関しては、こちらにはどのような方が通われているのでしょうか?

頭痛の外来を受診されるのは、30~50代の女性とお子さんが多いですね。小学生くらいでも片頭痛はあるんですよ。スマホなどのモニター画面暴露による影響や学校での対人ストレスの影響、遺伝も大きく関与します。頭痛を理由に仕事・学業・余暇が阻害されている場合は、受診をお勧めします。頭痛で来られる患者さんの9割は、上手に薬を使えば、ほぼ解決に導けると考えています。残る1割は他科との連携が必要な難治例であったり、くも膜下出血や低髄液圧症候群などの二次性頭痛です。薬剤の使用過多による頭痛である「薬物乱用頭痛」も多いですね。薬局で頭痛薬を箱買いされる方や、漫然と痛み止めを内服されている方は、ぜひ受診していただきたいです。当院ではMRI検査や脳疾患を専門とする医師の診断により、頭痛の原因を突き止め適切な治療を行うよう努めています。
セカンドオピニオンを受けに訪れる患者さんも多いと聞きました。
私は長年、横浜市立大学やその関連施設で脳動脈瘤や良性脳腫瘍をはじめとする脳神経外科の手術に携わってきました。その経験から、患者さんの状態についてはもちろん、手術現場のこともよくわかります。脳神経外科手術は、さまざまな分野があります。脳動脈瘤の得意な先生もいれば、脳腫瘍の得意な先生もいます。さらに脳腫瘍の手術の中でも、グリオーマ(神経膠腫)が得意な先生もいれば、下垂体が得意な先生もいます。患者さんの疾患ごとに、各領域で私が信頼している先生をご紹介しています。「他院で手術を勧められたが本当に必要なのか」「自分が受ける手術のエキスパートの意見も聞きたいので紹介してほしい」という方が、しばしば相談に来られます。また当院では臨時で、横浜市立大学の教授も診療にあたっていただいているのですが「セカンドオピニオンとして、教授の意見を聞きたい」と来院される患者さんもいらっしゃいます。
代診はどのような先生が担当されているのでしょうか?

例えばしびれといった脊椎脊髄末梢神経にまつわる症状、小児の脳腫瘍、てんかんなど、それぞれに強みを持ち活躍されている先生ばかりです。専門知識を持ち寄ることで、診療の幅を広げています。女性の医師も在籍し、脳神経外科全般はもちろんのこと、認知症を専門としているので心強いですね。更年期など女性ならではの悩みも相談しやすいのではないでしょうか。また、日本の小児脳腫瘍の分野で知られる横浜市立大学の教授、横浜市立大学付属病院にあるてんかんセンターのてんかん専門の医師、などにもサポートいただいております。どの先生も柔和で話しやすい方ですので、お気軽にご相談ください。
始めに心ありき。にこやかに患者に接し共感する
多くのMRI検査を提供されているそうですね。

はい、おかげさまで数多くのMRI検査を提供させていただいています。当院のMRIは大規模病院に置かれているものと同レベルのもので、頭痛やめまいなどの脳神経症状がある方には、保険診療で迅速に検査し、当日中に結果をお伝えします。高精細MRIと脳の専門家としての知識は、良質な脳神経診療を提供するための両輪です。脳神経疾患は最悪の場合、命を落としたり、寝たきりになってしまったりするなど重い後遺症を残すことが多いため、早期発見と予防が何よりも大切です。20分ほどの検査で膨大な情報が得られるだけでなく、血管や脳の小さな変化もチェックすることができるんです。
先生は認知症を専門に学ばれてきたと伺いました。
私の学位研究はアルツハイマー型認知症の病因に関する研究で、非薬物療法や社会資源の活用の重要性を認識して認知症ケアを専門的に学んできました。当院では専門の外来を設け、物忘れを主訴とする幅広い年代に対応しています。現在、認知症は進行を遅らせることを目的とした薬が治療の中心となっています。ただ、周囲の適切な関わり方や、トレーニング・社交・運動の機会を増やすことが、認知症の進行抑制につながります。また、できるだけ早い段階で医療が介入することで、進行を抑えていける可能性も高まるでしょう。何かおかしいと思うことがあればできるだけ早く受診していただきたいので、そういったことも啓発しています。患者さんだけでなく、それを支えるご家族の心のケアも視野に入れながら、介護相談に関して包括的にサポートしています。
診療時の心がけを教えてください。

書道の先生に「和顔愛語」「傾聴」と書いていただき、私やスタッフの心構えとして院内に飾っています。どんな時でも、どんな患者さんに対してでもにこにこと穏やかに接すること、患者さんの話に耳を傾け、共感する姿勢は医療や介護の世界ではもちろん、人としてとても大切なことです。当院では先端の医療設備を整え、専門の医師による良質な医療の提供をめざす「脳のかかりつけ医」として地域に貢献できればと思っていますが、「始めに心ありき」という気持ちでいつでも親身になって患者さんに寄り添っていきたいですね。
めざすは「脳のコンシェルジュ」としての道しるべ
片頭痛の治療に用いる注射薬について教えてください。

従来からの頭痛予防薬に加え、皮下注射をして神経伝達物質であるCGRP(カルシトニン遺伝子ペプチド)のブロックを図る抗体治療薬がありますが、取り扱うにはさまざまな条件があります。年齢や重症度によっては適用外となりますので、事前に専門の医師の診断が必要です。一度注射を打てば、その働きは約1ヵ月間続きます。頭痛の頻度が減ったり軽くなったりすれば、日常生活への影響も少なくなるでしょう。頓服薬などを併用することはありますが、こちらの注射薬を使用することで、他の薬の服用頻度を抑えることも期待できます。例年頭痛がひどくなる時期に合わせて注射を検討することもできるので、頭痛の外来としてうまく使っていきたいですね。
脳ドックについても教えていただけますか?
脳神経外科というと、専門的なイメージが先行するのか、どんなときに受診したらいいのかわからないという声もよく耳にします。脳には脳動脈瘤や隠れ脳梗塞のように、無症状で静かに進行する病気も存在するのが怖いところ。40歳前後から病気にかかりやすくなり、それは脳についても同様です。40歳を過ぎたら「脳神経外科受診の最初の入り口」として脳ドックを受けてみることをお勧めします。40歳未満の方でも、脳疾患の家族歴がある方や頭部に外傷を負われた経験がある方など、心配な方はご相談ください。当院では1日あたり2人まで対応可能で、問診、MRI、検査結果の説明という一連の流れを約1時間で行います。MRIによる画像診断で無症状のうちに疾患を早期発見し、早期治療につなげたいと考えています。
読者にメッセージをお願いします。

当院は身近な脳のかかりつけ医。近隣のクリニックや病院と連携しながら脳卒中・認知症・頭痛専門の外来はもちろん、あらゆる疑問や悩みを解決するためのお手伝いをいたします。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医として私がめざすのは「脳のコンシェルジュ」です。ご本人やご家族の、脳疾患に関する多様な相談に対応いたします。脳疾患という分野に絞って診療することで、診断・治療の質の向上をめざしています。今後もさらに専門性を高め、新しい治療も取り入れながら、患者さんのニーズや時代に合わせて診療の幅を広げたいですね。気になる症状はもちろん、治療に関する質問、手術の際の病院選び、術後のケアまで、お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック/2万2000円~