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認知症は早期発見・治療が重要
専門の医師による物忘れの診療とは

ほどがや脳神経外科クリニック

(横浜市保土ケ谷区/保土ケ谷駅)

最終更新日:2021/10/12

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  • 保険診療

年齢を重ねるにつれてちょっとした物忘れが増えたと感じていても、「年齢のせいだから」とやりすごす人も多いだろう。しかしそれは、認知症の初期症状である可能性も。本人だけでなく、家族の生活にも大きな影響を与える認知症。根治しないイメージがあるが、認知症の種類によっては、早期に医療が介入することで進行を遅らせていくことも可能だという。「命に関わる脳疾患が潜んでいることが原因で認知障害が起こっている可能性もあるため、気になることがあればすぐに検査を受けていただきたい」と話すのは、長年の脳疾患診療で培った経験を生かし、物忘れの診療に注力する「ほどがや脳神経外科クリニック」の日暮雅一院長。物忘れの診療で行う検査や、診療の詳細を聞いた。

(取材日2020年11月30日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q物忘れの診療とは、どんなことを行っているのでしょうか。
A

当院では、認知症、加齢による物忘れ、うつ病や過労などが原因となる若い人の物忘れなど、さまざまなケースに対応しています。認知症には複数の種類があり、代表的なのはアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症などの変性疾患による認知症で、進行を遅らせる薬を服用する対症療法や環境調整が中心です。正常圧水頭症や脳腫瘍などが原因で起こる二次性認知症は、原因となる疾患の治療を通して症状の改善が期待できるようになるでしょう。それ以外にも、薬の副作用や精神疾患により認知障害が起きることもあります。治療には、種類や原因の見極めが重要なので、当院は問診だけでなくMRI検査や血液検査にも力を入れています。

Qどのような症状が出たら、受診すべきでしょうか。
A

料理や買い物など、今までできていたことができなくなった、数分前のことを忘れてしまうなどの症状が出たら、一度受診をお勧めします。認知症には段階があり、MCI(軽度認知障害)という、いわゆる認知症の前段階で医療が介入することが大切だといわれています。「自分は大丈夫」と安易に判断せず、本人やご家族が「おかしいな」と思ったら早めに受診をしていただきたいです。認知症という言葉に抵抗感を持たず、「念のために検査を受けてみよう」くらいの気持ちでも構いません。検査の結果、何も異常がないとわかれば安心できますしね。

Q具体的にどのような治療を行うのですか?
A

変性疾患による認知症は、抗認知症薬を服用して進行を遅らせる対症療法や環境調整が中心です。薬の作用には症状の程度によっても個人差があります。日々の生活リズムを見直したり、ケアマネジャーを中心に環境の組み立てなども行います。認知症診療において、家族をはじめとした介護者は非常に大切な存在ですので、バランスを見ながら介護者への指導も行います。あとは適切な食事や運動、そして毎日を楽しむことも重要なので、趣味も積極的に続けてほしいです。当院では診断が難しいものや、適した治療法が見つからない場合は、専門機関と連携してケアを行っていくことも可能です。

検診・治療START!ステップで紹介します

1問診と神経診察で現状を共有し、認知症の原因を追求

どのような状況で物忘れが起こるのか、現在の悩みなどを問診で医師に共有する。客観的な意見を聞くために、本人だけでなく家族と一緒に問診を受けるのがベターだが、患者が家族の前で本当のことを言えないようなケースは家族別室で行うことも。服用している薬の種類や病歴など、認知症の原因を明らかにするためにできるだけ詳しく伝えよう。また、神経診察により、錐体外路症状の兆候や失行、歩行の異常などを確認する。

2MRIや血液検査で疾患の有無を確認

問診で必要と判断された場合、MRIや血液検査で脳の状態を詳しく調べ、物忘れの原因となる脳疾患、代謝的異常、甲状腺機能低下の有無などを確認。同院では初診日の検査も可能。認知症の症状が発作的に起こる人はてんかんの可能性もあるため、てんかん専門の医師によるチェックも。同院の診療で判断が難しい場合、連携する病院でのアルツハイマー認知症、レビー小体型認知症を調べる脳血流SPECT検査や脳波検査もできる。

3神経心理検査を実施

認知症かどうかの診断をする上で、重要な材料になる神経心理検査。同院では、「長谷川式知能評価スケール」を使用している。複数の言葉を記憶して、後でもう一度回答することで即時記憶を試す質問や、複数の物を見せて隠し、何があったか回答することで視覚記憶を試す質問などが含まれる。認知症が進行している場合は、集中力が継続せず途中で放棄してしまうこともあるという。

41~2週間後に2回目の神経心理検査を行う

同院では、基本的に神経心理検査は異なるものを2回実施する。1回目の検査で特定の数字が下がっていても、2回目の検査でその数値が正常になっている可能性もあるので、1回の検査だけで判断はしないという。「1回目の検査は、認知症かもしれないと初めて告げられて緊張している状態によって数値が変化している可能性もあります。1~2週間空けて、気持ちが落ち着いた状態でもう一度検査や話をすることが大切」と日暮院長。

5診断、医師と相談しながら治療を開始

認知症であると診断されたら、医師や家族と相談しながら治療方針を決めて治療を開始。精神疾患が疑われる場合は心療内科を、手術が必要な病気が潜んでいる場合は大学病院などを紹介するなど、同院は他医療機関とのネットワークを生かした治療ができるのも強み。患者を支える家族のケアも視野に入れ、介護相談に関して包括的にサポート。

ドクターからのメッセージ

日暮 雅一院長

認知症はとにかく先手必勝なので、ご家族やご本人が「あれ、おかしいな」と思ったら、抵抗感を持たずに気軽に来ていただきたいです。もしご家族が病院に連れて行きたいと思っても、ご本人が納得してくれず困ってしまうケースもあるでしょう。そんなときは「認知症の検査に行こう」という言い方ではなくて、「定期的に脳の検査をして異常がないか調べておこう」という言い方をすれば納得いただけるのではないでしょうか。実際に緊急性の高い疾患が潜んでいる可能性もゼロではないので、検査することに意義はあると思います。「正しい治療は、正しい診断から」という言葉もあります。迷ったら、お気軽にご相談ください。

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