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桝田 充彦 院長の独自取材記事

SALAレディースクリニック

(大阪市阿倍野区/西田辺駅)

最終更新日:2024/01/11

桝田充彦院長 SALAレディースクリニック main

住宅地にありながら、長居公園や帝塚山も近く緑豊かな環境にある「SALAレディースクリニック」。「SALA」にはスペイン語で「居心地の良い空間」の意味があるという。その名前のとおり、院内に入るとホテルのフロントをイメージした開放的な待合室があり、キッズスペースも完備されている。院長の桝田充彦先生は、日本産科婦人科学会産婦人科専門医として、阿倍野区で10年以上にわたり地域医療に貢献してきた。長年、専門性の高い知識や技術を培ってきた院長は、婦人科医の立場から女性患者の対応に力を尽くす。心がけているのは、痛くない・怖くない治療の提供だ。ソフトで優しい口調の院長のもとには幅広い年齢層の患者が多く訪れるという。今回は、来院する患者の主訴や診療方針、近年増えている女性特有のがんなどについて語ってもらった。

(取材日2017年7月28日/情報更新日2024年1月5日)

長年培った経験をもとにした、痛みに配慮した治療

このエリアに開業したきっかけを教えてください。

桝田充彦院長 SALAレディースクリニック1

以前は、阿倍野区にあった至誠会産科婦人科に約10年間勤めていました。分娩を取り扱っていましたので、手術も分娩もかなりの数を対応しており、地域では顔が知られる存在ではあったんですよ。その後、同院が閉院することになったタイミングで、開業を考えたのです。前任地では私が手術をした患者さんや、分娩で子どもを取り上げた方などたくさんおられますので、そういった患者さんのフォローアップができるよう、できれば阿倍野区内で開院したい思いがありました。

どういった患者さんが多くいらっしゃいますか?

小さなお子さんから高齢の方まで幅広く来院されます。お子さんが外陰部を打って出血して来院されるなんてこともありますね。小学校高学年になると月経不順や月経痛の相談が出てきて、中高生から20代、30代の方の主訴もやはり月経困難症です。月経困難症の患者さんは毎月非常に多く来院されています。そして、40代に入ると子宮内膜症やがん検診、50代以降は悪性腫瘍やホルモン補充療法、更年期障害などのお悩みが多いですね。専門的な治療を要する病気に関しては診断まで当院で行い、手術などその先の治療は大学病院を紹介します。また、不妊治療中の方や妊婦さんも来院されます。不妊治療については体外受精はやっておらず、タイミング法、人工授精まで対応します。

痛みに配慮した治療を心がけていると伺いました。

桝田充彦院長 SALAレディースクリニック2

はい。医師になりたての頃に産婦人科の医師としてそうした心がけをするよう、上司から教育を受けました。優しさと思いやりを持って患者さんに接するというのは、医師の誰もが持つべき基本概念だと思います。例えば内診を受けて、あそこのクリニックは痛かった、痛くなかったという差が出ることもあるでしょう。ですから、正確な検査をめざすとともに、どうすれば痛みを感じにくくなるかということは常に考えています。また、治療中に「今からお水を流しますよ」など、これから何をするのか声をかけるようにも気をつけています。黙って触られたらびっくりしますよね。どうしたらリラックスして診察を受けていただけるか考えることで、患者さんとの信頼関係も築けると思っています。

積極的な検診受診を推奨し、病気の早期発見をめざす

こちらのクリニックならではの強みを教えてください。

桝田充彦院長 SALAレディースクリニック3

1993年に大学を卒業して医師になったので、かれこれ30年医師をしています。その間に自分が培ってきた知識と技術を駆使した、専門性の高い治療が強みだと思っています。婦人科医が基本的に取得すべき一番重要な技術は内診です。現在は超音波検査のような高性能な医療機器があるため、それに頼ってしまう医師も多いかもしれせん。ただ、私が医師になった頃はそうした機器がまだ出始めたばかりでしたので、内診の技術がものをいう時代でした。ですから今も、まずは内診をしっかり行った後、自分の頭の中にある程度のイメージを浮かべてから超音波検査に入ります。毎回そうすることで、いまだに自分の内診技術が研ぎ澄まされていると感じますし、痛くない・怖くない治療をめざすためにも必要な流れだと思います。また外部の医師とも密に連携を取っていますので、紹介もスムーズに行えます。総合病院を受診するような安心感を持っていただけると思っています。

女性特有のがんの患者さんは増えているのでしょうか?

そうですね。当院では、子宮がん・乳がん・卵巣がんの検診を積極的に行っていますが、近年、子宮体がんは検査で見つかる患者さんが増えています。要因としては、欧米化してきた食事や閉経の年齢が上がってきていること、また、乳がんの手術後に化学療法で使われる薬剤が子宮体がんのリスクを上げるという発表も出てきております。そうしたことから、他院で乳がん手術を受けた後に心配されて来院される方も多いです。当院では、半年ごとに子宮体がんの細胞診を行い、疑わしい結果が出れば、必ず組織の検査をします。決して外部に丸投げはせずしっかり当院で診断をつけ、仮にがんが見つかった場合でも、紹介状を持って速やかに大きな病院で手術していただけるような体制を整えています。

乳がんの術後以外でも、検診を受診したほうがいいですか?

桝田充彦院長 SALAレディースクリニック4

婦人科系のがんは、年齢的に40歳を越えたらリスクが上がってきますので、症状がなくてもぜひ定期的に検診にお越しください。40代といえばまだ年頃のお子さんがおられる年齢でしょう。もしがんが見つかった場合、お子さんが受験を控えているような状況で長期の治療をしなければならず、家族にも負担が大きくのしかかります。これまで、残念な結果を迎えた方もいらっしゃり、これ以上そういった悲しい出来事があってはいけないと思っています。とにかく大事なのは早期発見です。そこで、当院へ子宮がん検診にお越しになった方には、子宮頸がんと子宮体がんの検査の両方を勧めています。ただ、どうしても子宮体がんの検査は痛みを伴いますので、「痛くなく楽だった」と思っていただけるように、手術室で麻酔をかけた状態で行います。検査自体は5分程度で終わります。検診で異常がなかった方でも、半年に1回は超音波検査の受診がお勧めです。

予防医療を重視し、今後もしっかりと地域連携を図る

先生が診療する上で大事にされていることを教えてください。

桝田充彦院長 SALAレディースクリニック5

10人来院されてその10人全員に満足いただけるかは難しいですが、どこまで満足いただけるのが10人に近づけるかを常に考えて治療しています。患者さんの居心地を考えた空間づくりや、ここを選んで良かったと思っていただけるような工夫、何を目的に来院されたのかをきちんと読み取れる力が大事なのではないでしょうか。どういった症状に困っているかをこちらが先に読み取って素早く答えを出してあげることで、患者さんに継続して通いたいと思っていただけるのではないかと思っています。これまでの医師人生では、そうした技術やトレーニングをずっと積んできましたので、それを生かして日々診療に臨んでいます。

クリニックの今後の展望をお聞かせください。

これからの時代は予防医学がメインになってくるでしょう。本来、本格的な治療は大きい病院がすべきだというのが私の考えです。クリニックは、症状がなくても定期的に来ていただき、検査をして「何もなくて良かったね」と安心を与えられるような場所であることが一番ではないでしょうか。もちろん、当院でできる範囲の治療は行った上で、予防医療や早期発見の場として機能するのがクリニックのあるべき姿だと感じますね。当院では大阪市内・府内の複数の医療機関と連携し、入院、手術、分娩など必要に応じてご紹介できる体制を整えています。患者さんのために、これからも地域での医療連携をしっかりと行っていきます。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

桝田充彦院長 SALAレディースクリニック6

婦人科には何かあってから来院するのではなく、「何かありませんか」と来院するような気持ちを一人でも多くの方に持っていただけたらうれしいですね。何もなければ「また半年後でいいですよ」と言えますし、患者さんの安心材料にもなるでしょう。症状があるのに、辛抱の限界まで我慢してやっと来院される方もいらっしゃいます。そうなると治療ができない状態になっていることも考え得るのです。そうした事態を避けるためにも、「できるだけ痛がらせない」をモットーに、ハードルを低くして皆さんをお待ちしています。また、私は医師の傍ら、実はロック・ドラマーとしての顔も持つ、現役のミュージシャンでもあるんですよ。なかなかそんな医師はいないと思いますので、気になった方はぜひ当院へお気軽にお越しください。

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