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青山 裕美子 院長の独自取材記事

あおなみ小本アイクリニック

(名古屋市中川区/小本駅)

最終更新日:2018/08/28

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名古屋駅からあおなみ線に乗り、2つ目の小本駅から西口を出るとすぐ、やわらかな印象の桃色と白色の建物が目に飛び込んでくる。2014年に開業した「あおなみ小本アイクリニック」だ。青山裕美子院長は名城大学薬学部を卒業後、医学の道へ進むため愛知医科大学に進学。卒業後は多くの病院で勤務医として経験を積み、加えて聖マリアンナ医科大学や岐阜大学医学部で専門とする緑内障に関する眼科の講師を務めた経験もある。「一人ひとりの患者とじっくりと向き合うため、診療時間が長くなりがち」と話す青山院長は、眼科では珍しい往診を積極的に行うドクターだ。取材を通して、開業を決意したきっかけや診療スタイルに込めた想いについて話してもらった。
(取材日2016年8月24日)

救命救急を経て長期的に患者と向き合う眼科を選択

薬学部から医学部へ進学し眼科の医師になられたということですが、なぜ眼科の医師をめざされたのですか?

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学生時代は文系よりも理系が得意だったので、自然と理系の道へ進むことを決めました。縁あって薬学部へ進学したのですが、4年次で研究室を選択する際、眼科の基礎研究をしていた研究室に入ったんです。思えばこの時が私と眼科という分野の初めての接点でした。その後医学部に再度進学し、勉学に励むことに。当時は特に、患者さんの“看取り”に対し医師としての存在意義を強く感じていたこともあり、救命救急で経験を積みました。人はいつか必ず亡くなります。どんな状況でも必ず“看取り”が必要だということを学べたことは、今でも心に残っていますね。その後、医師としてどうありたいかを考え、医療に対する想いだけでなく体力面も考慮し、眼科の医師として歩むことを決めました。眼を守ることは、患者さんの生活そのものを守ることにつながると思ったからです。今思えば、薬学部で眼科の基礎研究を学んだことも、その選択に影響したのかもしれませんね。

緑内障を専門にされた理由は?

これもまた偶然ではありますが、研修医として入局した医局で緑内障の研究のポストが空いていたからなんです。研修ではさまざまな分野をひと通り学んだあとで、自分の専門を決めます。緑内障は視神経がダメージを受けることで視野が狭くなる病気で、完治することはなく一生治療を続けていかなければなりません。専門家が少ない分野について学べば患者さんのためになりますし、直接診察してお話する機会も多く持てると思ったのも、学ぶきっかけとなりました。偶然とはいえ、学べば学ぶほど奥の深い分野と気づかされ、気づいたら熱中していましたね。何より、当時さまざまな症例の患者さんとの触れ合えたことが、今のベースになっているのかもしれません。長期におよぶ治療期間を患者さんとどう向き合っていくかが大切だということをはじめ、たくさんのことを勉強させていただきました。

緑内障の治療とはどんな方法なのでしょうか?

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適切な治療を行うためにも、まずは綿密な検査から緑内障の症状を早期発見することが第一です。当院では眼圧、眼底、視野検査と、網膜断層撮影を行い画像分析するOCT(光干渉断層計)を使用した画像検査を行い、特に視野検査では3種類の方法を用いることで、早期発見・治療につなげています。検査結果を踏まえ、症状に応じた治療計画を立てます。緑内障治療の原則は点眼薬による薬物治療。外科的処置も有効で、私も勤務医時代に数多くの手術を執刀していましたが、当院では現在手術を行っていません。患者さんのことを思えば手術もしてあげたいという気持ちが強くあるのですが、手術にまで手を広げてしまうと、このクリニックの根幹でもある往診との両立が難しくなり、すべてが中途半端になってしまいます。緑内障治療において薬物治療と外科的処置の並行はとても大切なので、自分の中でジレンマとなっている部分ですね。

ニーズに応じて寄り添い続けるための開業という選択

クリニックの軸の一つとなっている往診ですが、眼科のクリニックでは珍しいですよね。

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勤務医として経験を積む中で、患者さんが年齢を重ねて来院できなくなる様子を見て、“自分自身もいつかそうなるのだ”と意識するようになりました。どんな患者さんに対してもずっと寄り添っていくためにはどうすればいいか。考えをめぐらした時、思いついたのが往診でした。しかし勤務医を継続しながら往診に対応するのは難しく、また往診をするためには拠点となるクリニックを構えなければいけません。「勤務医を辞しても往診に力を入れたい」、その一心で開業を決めました。あおなみ線は乗り換えの利便性がよいので、一度来院されると納得いただけます。これまで診てきた関西、関東、岐阜などの患者さんにも通っていただきやすいようです。ただ思うように往診に時間が割けないのが悩みですね。水曜日の緑内障専門外来は予約制なので予約のない時に往診し、こなしきれない部分は週末や夜間に往診しています。

患者層はどのような方が多いですか?

開業前は高齢者を想定していたのですが、地域に新しいマンションが多いこともあって、思ったよりも若い方やお子さんが多く、幅広い年齢層の患者さんが来院されています。40~50代の働き盛りの方は、緑内障に対して強い不安を持っているので、その不安を解消するためデータを踏まえてきちんとしたご説明に重きを置いています。検査結果はすべてモニターで確認いただき、今後の視野進行予測データも示して不安の軽減につなげています。最初は皆さん定期的に検査をすることや説明が詳細なことに驚かれますが、慣れてくると検査結果の説明を患者さんから求められることも珍しくありません。他にも、斜視や弱視に対する治療も積極的に行っておりますので、それらを求めて来院する患者さんも多いです。

点眼治療で重要な点とは何でしょうか?

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何よりも大切なのは治療を継続し、順序や適量を必ず守ってもらうこと。点眼薬に限らず、薬に対し「多めだと効きそう」と思ってしまう患者さんがいますが、そうではありません。特に緑内障の場合、心臓や呼吸器系に影響するものもあり、継続することだけでなく、適量を守るという点もすごく重要となります。ですので、口うるさいくらいに注意していますよ。自宅で点眼する際、順序を迷わないようキャップの色を変え、「朝は明るい色のピンク、夜は暗くなるから青色のキャップの目薬を差してね」というように説明することも。手もとが震える方や筋力がない方には点眼用の補助具を出して練習してもらいます。点眼のタイミングをアドバイスすることもありますが、患者さんにとって毎日の習慣が規則正しく行われるわけではなく、患者さん一人ひとりのライフスタイルにも目を向け、その人に合わせて忘れにくいよう指導方法を工夫することも大切ですね。

患者の“眼の命”のためにできることを常に問い続ける

患者さん一人ひとりに合わせた指導は大変ではありませんか?

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私の役割は、患者さんの“眼の命”を守ること。そのためには、できることはみんなやりたいんです。目が少し見えづらくなるだけで、人の生活範囲は大きく狭まってしまいます。その状態が続くと生活に対する意欲が失われ、心を病んでしまったり、認知症が進行してしまったりすることも考えられます。患者さんには、目が見えることの喜びや楽しさを末永く感じながら健やかに日々を生活してもらいたい。その想いを胸に、日々診療にあたっています。

今後の展望についてお聞かせください。

患者さんの理解を深め、納得いただけるためにも、患者さんが治療において困っていることや戸惑っていることを一つひとつ改善していきたいです。でも応えたいという想いが強すぎて、つい診療時間が長くなってしまうのが今の課題です。仕事終わりにお子さんと一緒に来院される方も多いので、夕方6時半の受付時間ギリギリに混みあうことも少なくありません。受付時間の調整も検討していますが、手探りの段階で……。より良い診療のためにも、まだまだ改善が必要ですね。

患者さんへの想いをお聞かせください。

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患者さんが目の不調に不安を抱え、困っているのであればその助けになりたいですし、助ける場はクリニック内に留まる必要はないと考えています。クリニックでの診療であれ、往診であれ、めざすことはただ一つ。治療を通して、患者さんの生活をより良いものにすることです。これからも患者さんに寄り添い、その目がきちんと機能し続けるために私に何ができるのかを問い続けていきたいですね。そして診療後に、「受診して良かった」と笑顔になっていただきたいと思っています。

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