加藤 忍 院長、小泉 充之 先生の独自取材記事
かとう腎・泌尿器科クリニック
(平塚市/平塚駅)
最終更新日:2025/01/15
平塚市南原にある「かとう腎・泌尿器科クリニック」。平塚市民病院をはじめとする高度医療機関で20年以上臨床を担い、内視鏡下手術や腹腔鏡下手術も多く手がけてきた加藤忍院長が2013年開業。以来、地域住民はもちろん各地から前立腺肥大症や排尿障害などの患者を迎え、地域の泌尿器科医療で大きな役割を果たしている。2024年春から小泉充之先生が加わり、診療体制をさらに充実。2024年11月には神田駅近くに日帰り手術に特化した「かとう前立腺クリニック東京」を開設し、泌尿器トラブルに悩む人々に、2拠点で質の高いソリューションを提供している。「患者さんを自分の家族と思って診る方針はそのままに、常時二診体制でお待ちしています」と話す加藤院長と小泉先生に、クリニックの新体制やめざす医療について聞いた。
(取材日2024年12月2日)
常時二診体制で老若男女の泌尿器トラブルを幅広く診療
長く地域貢献を続けられる中で、今期は体制を大幅刷新されたとか。
【加藤院長】前立腺肥大などへの日帰り手術に特化した分院を神田駅近くに開設すると同時に、当院の診療体制も大きく拡充しました。私の当院での診療は基本的に月曜のみとし、その他の曜日については小泉先生を中心に、非常勤の先生を加えた二診体制で診療しています。
【小泉先生】私はこれまで、県内の医療拠点で泌尿器診療に携わり、直近では神奈川県立足柄上病院で泌尿器科部長を務めていました。経験を生かしてそろそろ地域貢献をと模索していたところに、新人だった頃の指導担当の医師でもあった加藤先生にご縁をいただき、今春より当院の診療チームに加わらせていただくことになりました。
【加藤院長】小泉先生は、医師としても、人間的にもしっかりとしており、若くして部長職を任されていたのもうなずける先生です。安心して当院の診療を任せられる人材と再会できて、心からうれしく思っています。
お二人のほかにも複数の先生方が診療を担われているのですね。
【小泉先生】すべての時間帯で、最低でも2人以上の医師が在勤する体制です。診療に関わる医師は、現在6人くらいでしょうか。私は日本泌尿器科学会泌尿器科専門医ですが、ほかの先生方も皆、専門的に研鑽を積んだベテランぞろいです。手術の際には麻酔を専門とする医師も加わります。
【加藤院長】小泉先生は神奈川県立がんセンターでのご勤務を経験されており、ほかにも小児泌尿器科を専門とする先生など、同じ泌尿器科の医師でもさまざまな専門性をお持ちの先生がいらっしゃいます。専門分野や経験を異にするドクターが集まり、チーム医療を展開することで、診療の幅を広げ、その質を向上させることができると考えています。
小泉先生は、がん診療にも携わってこられたのですね。
【小泉先生】前立腺がんや、尿路上皮がんが中心となる膀胱がん、尿管がん、精巣腫瘍など、泌尿器のがんにもさまざまな種類があります。最初の診断から治療方針の決定、抗がん剤や手術での治療、必要に応じて看取りに至るまで、一貫して担当できるのが泌尿器科の特徴です。こうした点にも惹かれて、がん診療に携わってきました。頻尿や排尿困難、血尿といった症状をきっかけに見つかるケースもありますが、初期では症状なく進行するケースも多いのが泌尿器がんです。これまでの経験も生かし、できる限り見落としなく診療していきたいと考えています。
低侵襲の日帰り手術など、一歩踏み込んだ治療も可能
患者さんはご高齢の男性が中心なのでしょうか。
【加藤院長】確かに前立腺トラブルを抱えた高齢男性の受診は多いですが、女性やお子さんの受診も少なくありません。女性には膀胱炎や過活動膀胱、骨盤臓器脱などが多く、小児では夜尿症や停留精巣に加え、腫瘍性疾患もあります。
【小泉先生】特に女性の場合、泌尿器科に対し、入りづらいイメージをお持ちの方も多いと思います。当院は話しやすい雰囲気づくりにスタッフ一丸で取り組んでおり、相談しやすいクリニックをめざしています。尿のトラブルが起きてくると、年齢のせいだと我慢する人が多いですが、何らかの病気による症状と考えられます。そのまま放置すると生活の質が低下するばかりです。今は良い薬や低侵襲の手術など、新しい治療法も提案可能ですので、症状が出た場合には早期に受診していただきたいですね。
日帰り手術も提供していらっしゃいますね。
【加藤院長】前立腺肥大症に対し、出血を抑えて体への負担軽減を図れるレーザー手術を実施しています。ホルミウムレーザーで前立腺を切除するための経尿道的レーザー前立腺核出術やダイオードレーザー前立腺蒸散術に加え、経尿道的水蒸気治療(WAVE)や経尿道的前立腺吊り上げ術(PUL)などの低侵襲な外科手術も可能です。医学は日進月歩ですから、開業医でも勉強会には積極的に参加し、時には海外にも学びに出かけます。常に先進的な知識や技術にふれ、一つ一つの有用性を吟味しながら実践していくことが大切だと考えています。
【小泉先生】治療というと薬の処方に限られてしまうクリニックもある中、当院では充実した設備が整っており、一歩踏み込んだ検査や手術が提供できます。医師としてもやりがいが大きいですし、患者さんにとっても身近なクリニックで高度な医療を受けられるのは大きなメリットなのではないでしょうか。
診療の際に心がけていらっしゃることを教えてください。
【小泉先生】できるだけ丁寧な説明を心がけています。限られた時間の中でも患者さんの声に耳を傾け、簡潔な説明で必要な情報を伝えます。多くの方にご来院いただいており、待ち時間が長くなりがちなことは課題です。電話やウェブでお取りいただける順番予約システムや、スマート診察券など、効率化への取り組みも進めていますので、ぜひご活用いただきたいですね。
【加藤院長】スムーズで、短い時間でも満足していただける診療は目標ですね。加えて、「患者さんを自分の家族だと思って診る」ことを実践しています。恩師からの言葉なのですが、どんな時でも大切にし続けたい方針です。
地域の高度医療機関と密に連携し、必要な役割を分担
平塚市民病院勤務時代に出会われたそうですが、お互いの印象は?
【小泉先生】開業医だった父の影響で医師を志し、診断から治療まで一貫して手がけられる点に魅力を感じて泌尿器科を専門に選びました。平塚市民病院に勤務していた時に出会った加藤先生の姿は輝いて見え、まさに魅了されたという感じです。医師としてもクリニックの運営を担う経営者としても、見習うべきところばかり。真似できない点も多々ありますが、毎日勉強させてもらっています。
【加藤院長】最初にお会いした当時も真摯で熱心な方だと感じていましたが、久しぶりにお会いした小泉先生は、技量的にも姿勢的にも申し分のない立派な医師に育っていらして感激しました。直近のご勤務では、若いながらも責任あるポストに取り立てられた、当時の上司の慧眼を感じます。大切な当院の診療を小泉先生にお任せすることができて本当に良かったと思っています。
今後の展望を教えてください。
【小泉先生】まずはクリニックの質を維持するため、低侵襲手術や前立腺検査などを安全にスムーズに行うよう、しっかり頑張っていきたいですね。その上で、前立腺がんの放射線治療に際して行うハイドロゲルスペーサー留置術も、積極的に実践していきたいと考えています。特に高齢者では回数が求められる放射線治療ですが、この方法を併用することで回数を低減し、合併症も予防できるのです。平塚市民病院などの高度医療機関との連携において、当院にできることを模索しながら役割を果たしていきたいと考えています。
読者に向けてメッセージをお願いします。
【加藤院長】質の高い設備と人員を備え、クリニックでできる範囲のことは可能な限り対応しています。CTを刷新し、さらに精度の高い診断がかなう体制となったほか、前立腺疾患への低侵襲性手術や過活動膀胱に対するボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法、泌尿器がんへの外来化学療法なども対応しています。お困りの際はぜひご相談ください。
【小泉先生】長く地域に選ばれ、患者さんに支持されてきたクリニックの魅力を維持するため、さらに相談しやすいクリニックをめざして取り組んでいきたいと考えています。お子さんからご高齢の方まで、男女問わずご利用ください。