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加藤 忍 院長の独自取材記事

かとう腎・泌尿器科クリニック

(平塚市/平塚駅)

最終更新日:2021/10/12

加藤忍院長 かとう腎・泌尿器科クリニック main

平塚市南原の住宅街の一角に立つ「かとう腎・泌尿器科クリニック」。2013年の開業以来、同院には地域住民だけでなく各地から前立腺肥大症や排尿障害に悩む人が訪れている。院長の加藤忍先生は、平塚市民病院をはじめとして20年以上、大学病院などに勤務し、多くの内視鏡下手術や腹腔鏡下手術を行ってきたベテランドクター。その豊富な経験を生かして、泌尿器科のトラブルに悩む患者に寄り添った医療を提供している。「泌尿器科というと何となく受診しにくいイメージがあり、特に女性は行きづらいと思います。ですので、できるだけ来院しやすい雰囲気づくりを心がけています」と加藤院長。同院の診療の特徴や医療への思いなどについて話を聞いた。

(取材日2021年2月19日)

前立腺肥大症の日帰りレーザー手術に取り組む

先生はなぜ泌尿器科の医師をめざされたのですか。

加藤忍院長 かとう腎・泌尿器科クリニック1

人に尽くせる職業を考えて医師を志しました。泌尿器科を専門領域にしたのは、大学時代に腎移植を見たからです。私の母校は当時、腎移植に力を入れていて、手術の様子を見て素晴らしいと思い、泌尿器科を選びました。そうして学ぶうち、内視鏡スペシャリストになりたいと思うようになりました。以前は前立腺肥大症の手術というのは、良性の病気なのに出血が多く、ショック状態になるなど合併症が起きる危険性が高かったのです。なぜ良性の病気でありながらそんなことが起こるのかと、研修医時代は強い疑念を抱いていました。それを変えることができるのが手術時におなかを切らない内視鏡を用いた手術だと感じました。それ以降、内視鏡下手術やレーザー治療に関して研鑽を積み重ねてきています。

平塚に開業されたのはどのような理由からでしょう。

私が泌尿器科の医師としてスタートした土地だからです。母校の付属病院で2年間研修を受けた後にさまざまな病院を回ったのですが、泌尿器科の医師として初めて出向した先が、平塚の市民病院でした。泌尿器科の医師としての経歴は平塚から始まったといっても過言ではありません。その後、他の病院に勤務し、縁あって再び平塚市民病院に戻ってきました。そして泌尿器科長として10年間勤務した後、より患者さんに近いホームドクターでありたいと思うようになり、開業を考えるようになったのです。医師を志した頃の「人に尽くしたい」という気持ちを忘れず、開業医ならではの患者さんに寄り添った医療を提供したい、そう考えると、一番ふさわしいのは泌尿器科の医師として第一歩を踏み出したこの平塚だったのです。

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

加藤忍院長 かとう腎・泌尿器科クリニック2

泌尿器にかかわるさまざまな悩みやトラブルに対応していますが、一番の大きな特徴は、泌尿器科の手術を日帰りで行っていることです。特に力を入れているのは、前立腺肥大症に対する日帰りのレーザー手術です。レーザー手術は、従来の電気メスを使って前立腺を切除する手術と比べると、出血が少なくなり低侵襲で、体への負担の軽減につながると考えられます。当院では、レーザーで前立腺を切除するホルミウムレーザーを用いた経尿道的レーザー前立腺切除と、レーザーを照射して前立腺を消失させるレーザー前立腺蒸散術の2つの手術を症状に即して日帰りで実施しています。合併症のある方などは日帰り手術が難しい場合もありますが、体調が良好の方であれば日帰り手術を受けられます。日帰りであることは、時間的にも費用の面でもメリットは大きいと思います。

プロフェッショナルとして患者に寄り添った医療を

日々の診療ではどんなことを心がけていますか。

加藤忍院長 かとう腎・泌尿器科クリニック3

より良い医療のためには、機器と技術、そしてハート、この3つが必要だと思っています。ですので、新しい医療機器は積極的に導入しています。また私自身も常に学び続け、患者さんにフィードバックして差し上げることを心がけています。医学は日進月歩ですから、一生勉強です。やはり医師というのは、常に努力しなければならないと思っています。開業医であっても学会には必ず発表する姿勢で参加しています。私には良い恩師がたくさんいますが、皆さん常にそういう姿勢をお持ちになっていました。そして患者さんに寄り添った医療をすること。これが最も重要で、私にとって医療の原点ともいえます。患者さんとはきちんと向き合ってお話しできるよう、診療の際には医療事務のスタッフが横につき、カルテへの記入や会話の記録などをしています。カルテを見るのが診療ではなく、患者さんとお話するのが診療だと思っていますから。

クリニックで先進的な医療を提供しているのはどんなお考えからでしょうか。

患者さんに最高の医療を提供する、より良い医療を提供することは当然であると考えています。私自身もこれまで最高の医療を提供できるようさまざまな努力を重ねてきました。そうした経験を踏まえて、今、プロフェッショナルとしての自負を持って日々診療や手術にあたっています。先進的な医療は海外で学ぶことが多く、レーザー手術についてはトルコやニュージーランドの先生方にも教わってきています。そうした海外で修得した技術を自分のできる範囲の中で実践していきたいと思っています。ただ、先進的な治療法だからすべて取り入れるということではなく、一つ一つ、本当に有用な治療法なのかを慎重に判断してから、取り入れるようにしています。

患者の立場からすると、泌尿器科というと少し敬遠しがちなのですが。

加藤忍院長 かとう腎・泌尿器科クリニック4

泌尿器科についてひと昔、ふた昔前の暗いイメージを持っていて行きづらいと思っている人も多いようです。でも、今はそんなことはありません。特に女性の方は敬遠しがちですので、待合室に花などを飾って少しでも気軽に来ていただけるような雰囲気づくりをしています。尿のトラブルが起きてくると、年齢のせいだと思って我慢する人が多いですが、それは違います。尿のトラブルや悩みは何らかの病気による症状と考えられます。症状をそのまま放置しておくと生活の質が低下するばかりです。今は良い薬もありますから改善するケースも多いのです。体への負担が軽減される手術法や、新しい治療法も提案可能ですので、症状が出た場合には早期に受診していただきたいですね。

ライフワークの前立腺肥大症治療にさらに注力

これまでで何か印象的な出来事はございますか。

加藤忍院長 かとう腎・泌尿器科クリニック5

前立腺肥大症の手術を受けられる方は皆さん、それまでとても不快な症状や環境を我慢している方が多いです。そのつらい思いを解放させられたら、とてもいいですよね。中でも印象に残っているのは、長年、カテーテルを留置されていた方のことです。人生がまるで変わった、本当に良かったと涙を流されていました。その方は海外出張が多く、ずっとつらい思いをされていたのですね。日帰りで受けられるレーザー手術という選択肢を知らないままつらい思いや不快な症状に困っている人がとても多いと思います。前立腺肥大症には日帰りの手術という治療の選択肢があることを、さらに発信していかなくてはと考えています。

ところでプライベートはどのようにお過ごしですか。

最近はゴルフが趣味ですね。緑の芝生の上を歩くと、気持ちがよくて気分がすっきりします。ただ今はなかなか行けていませんが。状況が落ち着いたらまた友人たちと回りたいですね。実は、自宅は東京にあり、私は単身赴任生活なんです。というのも、毎日、診療時間前、早朝から手術を行っていて、手術後の患者さんのフォローのためにすぐに対応できる場所に待機している必要があります。医師としてやるべき仕事はきちんと行わなくてはなりませんから。今はドクター2人体制になっていて、週に2回程度自宅に帰れます。その時はみんなで食事をするなど、家族と一緒に過ごす時間を大切にしています。

では最後に今後の展望をお願いいたします。

加藤忍院長 かとう腎・泌尿器科クリニック6

これからも患者さん一人ひとりに寄り添って、患者さんのためにより良い医療を提供していきたいと思います。そして私のライフワークである前立腺肥大症のレーザー治療をしっかり行っていきます。できれば、将来、前立腺肥大症の治療に特化した専門クリニックも開設できればと考えています。そして、教育。今も大学病院の先生はじめ病院の先生方が手術を見学に来られますが、その際に自分で習得した知識や技術だけでなく、今まで先輩方に教えられた医療に対する思いや姿勢なども伝えていきたいと思います。

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