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乳歯からの徹底した予防ケアで
子ども自身の健康意識を培う

なかの歯科クリニック

(大阪市住吉区/あびこ駅)

最終更新日:2021/10/12

なかの歯科クリニック 乳歯からの徹底した予防ケアで 子ども自身の健康意識を培う なかの歯科クリニック 乳歯からの徹底した予防ケアで 子ども自身の健康意識を培う
  • 保険診療

あびこ駅から徒歩5分にある「なかの歯科クリニック」は、なるべく歯を削らず神経を取らない治療をモットーに予防を推奨する歯科医院。小児歯科を担当する中埜昌世(なかの・まさよ)先生も、乳歯のうちから虫歯を予防し、子ども自身が自分の歯の状態に関心を持つことが重要だと考え、子どもの自立心を育てながらの予防ケアに力を注ぐ。治療後のご褒美のおもちゃや、兄弟・友人同士がお互いを励まし合えるように置かれた診察室の椅子、1人で受診した子どもの親に渡す治療報告書など、自らも子育て中だけあって、子どもの目線や気持ちを大事にした工夫が随所に光る。子どもの頑張りを褒め、自信を持たせつつ、本人にも親にも予防の必要性を説く昌世先生に、小児の予防歯科について詳しく話を聞いた。

(取材日2019年7月26日)

麻酔を極力使わずに笑気ガスを使用。恐怖心なく受診できるよう工夫を凝らす

Qお子さんはどのような疾患での通院が多いのですか?
A
なかの歯科クリニック 子どもの治療を多く担当する中埜昌世先生

▲子どもの治療を多く担当する中埜昌世先生

予防の患者さんが多いです。乳歯だから大丈夫と考えている方がいらっしゃいますが、一度に全部永久歯に生え変わるわけではなく、5~6年かけて少しずつ生え変わります。乳歯が虫歯なら、唾液の中にいる虫歯菌が永久歯にも感染してしまいますから、乳歯のうちから予防が必要です。最近多いのが「先天欠如」。前から5番目の永久歯が生えないため、生え変わるはずの乳歯が永久歯の代わりになることもあります。1本だけのこともあれば、左右上下4本すべてのこともあり、10人に1人くらいの割合でいらっしゃいます。放っておくと歯の数が足りないまま永久歯が生えそろい、弊害が出てくるので、生え変わりの時期までには発見し対処していきます。

Q何歳くらいから歯科医院に通えばいいのでしょうか?
A
なかの歯科クリニック カラフルなキッズスペースで、待ち時間を過ごせる

▲カラフルなキッズスペースで、待ち時間を過ごせる

1歳半検診では虫歯になっているお子さんはほとんどいません。2、3歳で虫歯になるお子さんが見られるようになりますが、治療は怖いですよね。ですので、その頃から予防を始めて、「歯科医院は怖い所ではない」と認識してもらうためにも、通院に慣れておいてもらいたいです。そして虫歯になった時に、すぐ対応できるのがベストです。乳歯は虫歯の進行が速く、根っこが短く先が開いているため、神経を取るようなことになると菌が感染しやすいのです。その結果、腫れたり痛んだりトラブルが起こりやすいので、浅い虫歯のうちに早期発見する必要があります。個人差はありますが、2ヵ月に1度くらいのペースで予防に通ってもらえれば安心です。

Q具体的にはどのようなケアをなさっているのですか?
A
なかの歯科クリニック 治療後にも工夫を凝らし、定期的な通院を促す

▲治療後にも工夫を凝らし、定期的な通院を促す

予防からスタートできれば、まず自分から口を開けて、歯科衛生士さんの処置を受けられるように慣れてもらいます。そして、溝を埋めるシーラントやフッ素コーティングで虫歯を予防します。希望される方には染め出しを行い、磨き残しを患者さんと一緒にチェックします。色の出方で古い汚れか新しい汚れかわかるので、虫歯のリスクを伝えつつ歯磨き指導ができます。また、希望者には唾液検査も行っており、酸・アルカリ・中性いずれなのかを調べることで虫歯のなりやすさがわかります。それらがすべて保険診療と公費負担で受けられます。永久歯を守るために乳歯の虫歯を徹底的に予防しています。

Q治療の際に心がけていることを教えてください。
A
なかの歯科クリニック 自身の経験も生かし、丁寧な診療を心がける

▲自身の経験も生かし、丁寧な診療を心がける

当院の一番の特徴は副作用の少ない笑気ガスを使っていることです。麻酔はアレルギーやショック、中毒を起こすことがあるので、神経を取る治療以外、子どもにはできるだけ使いたくないのです。麻酔のように痛みをなくす効果は期待できませんが、ふわっとした状態で痛みを感じにくくすることは期待できます。ほかのクリニックで抑えつけられたり縛られたりして、歯の治療が恐怖でしかなくなったったお子さんが、駆け込み寺のように当院に来られることもあるのですが、緊急性がなければ、笑気ガスで緊張を解いて時間をかけて慣れてもらいます。治療を頑張ったという達成感を実感し、一つの成長の機会にしてもらえるように働きかけています。

Q歯の治療を子どもの成長につなげようとお考えなのですね。
A
なかの歯科クリニック 一人ひとりに合わせた診療を提供

▲一人ひとりに合わせた診療を提供

虫歯になったことを一つのチャンスと考え、自立の歯・自分の体を大事にするきっかけにしてもらおうと、私たちは小児のこうした予防に対する取り組みを「小児育成歯科」と呼んでいます。お母さんに虫歯に対する理念がなく、乳歯がボロボロで前歯も真っ黒だったお子さんがおられるのですが、最初は泣きながら治療を受けていたけれど、本人が歯の健康に気づいてくれて、生え変わってきた永久歯は虫歯ゼロを保っています。途中からは1人で予防に来られるようになりました。こんなふうに、頑張ったことを褒めて努力を認めながら、自立して1人でも通院できるようになってもらいたいと思っています。

ドクターからのメッセージ

中埜 昌世先生

一番お伝えしたいのは「乳歯だからと安心していませんか?」ということです。乳歯の虫歯は永久歯に影響すると話しましたが、乳歯を虫歯から守るメリットはほかにもあります。例えば先ほどの、10人に1人いるといわれる先天欠如の場合、足りない永久歯を補うために乳歯を長く維持させる方法を取ることも。つまり乳歯を健康な状態で保てば影響を最小限にできます。そして教科書的には「12歳まで仕上げ磨きを」と言われますが、実際は難しいですよね。現実は理想どおりにはいかないものです。だからこそ、小さい頃から親子で歯に関心を持つことが大事と考えます。お子さん自身が自主的に歯磨きできるようになれば、それが一番の理想ですからね。

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