「痛みは我慢しなくていい」
月経の悩み改善をめざす低用量ピル
北中レディースクリニック
(大阪市北区/西梅田駅)
最終更新日:2022/11/18


- 保険診療
- 自由診療
認知度もアップし、服用する人も増えた「低用量ピル」。生理痛をはじめとする月経困難症の改善を図り、女性がもっと楽に、もっと自分らしく人生を楽しむサポートをしてくれる薬といえるだろう。しかし血栓症など重篤な副作用が発生することもあるといい、その怖さから低用量ピルの使用に一歩踏み出せない人もいるのではないだろうか。「北中レディースクリニック」では検査・診断に重きを置き、さまざまな種類がそろう低用量ピルから患者の体に合わせた種類を提案している。「生理痛は決して我慢するものではない」と考える北中孝司院長に、低用量ピルについての質問をぶつけてみた。
(取材日2022年9月26日)
目次
月経痛を我慢している人に伝えたい。低用量ピルを活用して、より自分らしい人生を
- Qこちらには低用量ピルの相談で来院される方が多いと伺いました。
-
A
▲月経痛などの悩みで低用量ピルの処方の希望も多い
はい。月経痛への対応や避妊目的で、低用量ピルの処方を希望される方にも多くご来院いただいております。低用量ピルとは女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤で、排卵抑制、子宮内膜の増殖抑制のはたらきを持ちます。生理に伴う不調である月経困難症の改善を図ります。治療はもちろん、低用量ピルを活用することで、仕事や学校行事にも不安なく参加でき、やりたいことを諦めずに済むのであればそれは素晴らしいことです。低用量ピルを生活にうまく取り入れられれば、すべての女性がもっと楽に生きられるようになるのではないでしょうか。
- Qそもそも生理痛はどうして起こるのでしょう。
-
A
▲生理痛の重さ、痛さはひとそれぞれ。まず相談を
生理痛の原因はさまざまですが、一つは子宮筋が収縮し剥離・脱落した子宮内膜を膣へ排出する際に生じる収縮痛です。体外に押し出す時に炎症物質であるプロスタグランジンが分泌され、この分泌量が多いと子宮の収縮が大きくなり腹痛や腰痛の原因になります。この作用の強さのほか婦人科疾患の有無が生理痛の重さに影響することも。また生理痛だけでなく、生理が始まる前のメンタル不調など月経前症候群(PMS)と呼ばれる症状に悩む方も少なくありません。月経は大人になる準備が整った証。月経のことを言うのは恥ずかしいという人も、生理痛や生理不順などご自身の課題を把握した上で医師に伝えることは、心の自立の第一歩にもなるはずです。
- Q低用量ピルの副作用など、注意すべき点を教えてください。
-
A
▲生理でやりたいことを諦めてほしくないという院長
低用量ピルの副作用で代表的なものは「血栓症」です。血管内で血液が固まり詰まってしまう症状で、血栓が肺に飛んでしまえば肺塞栓症となり、最悪の場合は命に関わることもあります。私はかつてこの副作用が出た患者さんを担当したことがあり、その怖さは熟知しています。現在はこうした副作用を診る機会はないですが、万が一のことがないよう入念に検査を行い、その結果によってはピルの中止なども視野に入れながら、慎重に処方しています。また副作用とは異なりますが、避妊目的での服用で避妊具を使用しなければ、性感染症や子宮頸がんの原因となるHPVウイルスへの感染リスクが高まります。その点でも婦人科の定期検診は必須だと考えます。
- Q低用量ピルの飲み始めで気をつけたほうがいいことはありますか?
-
A
▲通いたくなるような安心感のあるクリニックづくりを行っている
低用量ピルは毎日同じ時間に飲む必要がありますが、うっかり忘れてしまった際は気がついた時点ですぐに1錠服用し、もし丸1日気がつかなかった場合は翌日に前日分と合わせた2錠を飲んで、その後は予定どおりに進めます。3日以上連続して飲み忘れてしまった場合は生理が来てしまうことが多いので注意が必要です。また低用量ピルと併用できない薬があるため、ほかの薬を飲むときは医師、薬剤師に必ず伝えましょう。体に合う・合わないは人それぞれ。ネットの情報をうのみにせず、疑問に思うことがあれば必ず医師に相談してください。また喫煙を避け、脱水症状にも注意しながら、定期的に手足を動かすなどして血液の循環をよくしましょう。
- Q低用量ピルの相談・診察で大切にしていることは何ですか?
-
A
▲服用のトラブルにも対応し安心して使ってもらうよう工夫している
先ほども申し上げたとおり低用量ピルには副作用の問題もあるため、薬だけを出すということはしません。血栓症を調べる血液検査ほか、必要に応じて超音波検査、子宮頸がん検診、性感染症検査なども取り入れながらしっかりと検査・診断をして処方しています。喫煙習慣のある方のほか、慢性的な頭痛、高血圧、子宮体がんなどを患っている方は特に注意が必要で、患者さんの体質に合わせて漢方薬や鎮痛剤を併用するなどの工夫をすることも。服薬で何かトラブルや疑問が出たときは、患者さんのお話を聞いた上で複数ある低用量ピルの中から、より体に合う薬を見つけられるよう努めています。なお月経痛の緩和を目的とする場合は保険が適用されます。
自由診療費用の目安
自由診療とは避妊に対する低用量ピルの処方(1シート)/3300円