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無症状でもリスクはゼロではない
20歳を過ぎたら子宮がん検診を

北中レディースクリニック

(大阪市北区/西梅田駅)

最終更新日:2022/11/18

北中レディースクリニック 無症状でもリスクはゼロではない 20歳を過ぎたら子宮がん検診を 北中レディースクリニック 無症状でもリスクはゼロではない 20歳を過ぎたら子宮がん検診を
  • 保険診療

女性特有のがんの一つ「子宮がん」。乳がんなどと同じく定期的な検診が必要だとわかっていても「まだそんな年齢ではないし」「何も症状がないから」といって、先延ばしにしていないだろうか。子宮がんの一つ、HPVウイルス感染が原因の子宮頸がんは近年若い女性の罹患者が増えつつある病気。HPVウイルスは性交渉により感染するもので、経験があれば年齢に関わらず罹患している可能性があるという。一方で、子宮頸がんは定期検診で発見されやすく、治療の予後もいいとされるがん。だからこそ症状が出る前の早期発見につながるよう、年1回の定期検診が強く推奨されている。「北中レディースクリニック」の北中孝司院長に、検診を受けるタイミングや注意すべき年齢層、検診ではどのようなことをするのかなど、子宮がん検診に関する疑問を聞いた。

(取材日2022年9月26日)

無症状・無自覚でもリスクがある「子宮がん」。20歳を超えたら定期的に検診を受けよう

Q女性のがんについて教えてください。
A
北中レディースクリニック 女性に正しく知ってもらいたいと医院でパンフレットも作成

▲女性に正しく知ってもらいたいと医院でパンフレットも作成

女性特有あるいは女性に多いがんには、子宮がん、卵巣がん、乳がんなどがあります。子宮がんは不正出血、卵巣がんは下腹部のしこり、乳がんは乳房のしこりなどが主な初期症状として挙げられますが、無症状・無自覚のケースも少なくありません。例えば子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんがあり、若い世代の罹患者が増えている前者は子宮入り口付近で発生しHPVウイルス感染が原因、後者は子宮の奥から発生し原因は不明と、特徴がそれぞれ異なります。不正出血など自覚した時点で進行していることも多く、子宮摘出や最悪の場合は命に関わることも。特に子宮頸がんは20歳を超えたら症状の有無に関わらず年1回の定期検診をお勧めします。

Q特に子宮がん検診を受けるタイミング、注意すべき年齢層は?
A
北中レディースクリニック 病気や異常の早期発見を大切にしている

▲病気や異常の早期発見を大切にしている

子宮がん全体の7割を占めるともいわれる子宮頸がんは、20~30代の罹患者が増加しています。原因となるHPVウイルス感染から、数年~十数年の「異形成」と呼ばれる前がん病変期間を経てがん化するため、その前に見つけることが非常に重要です。20歳以上の女性は、少なくとも1~2年おきの検査が推奨されます。女性ホルモンが影響する子宮体がんは、40歳以上の全女性に意識していただきたい女性特有のがん。無症状あるいは過去の検査で異常がなくとも、2年に1度は検査を受けていただきたいですね。当院では月経以外の出血がある場合は子宮がんを疑い、検診を実施します。なお月経中の子宮がん検診はできませんのでご注意ください。

Q子宮頸がん、子宮体がんになりやすい原因はありますか?
A
北中レディースクリニック 妊娠から出産前後の周産期まで広くサポート

▲妊娠から出産前後の周産期まで広くサポート

子宮頸がんは性交渉で感染するHPVウイルスが原因で、定期検診で早期発見しやすいがんといわれています。子宮頸がんワクチンを接種する、妊娠を望まない場合はコンドームを使用することなどが感染予防に有用といえます。特に若い方は症状があっても婦人科受診をためらう方がいますが、自己判断での様子見は禁物です。女性ホルモン「エストロゲン」の長期間の刺激が関連する子宮体がんは、生理不順など月経トラブル、不正出血などを長らく放っておいた方にご注意いただきたい病気。婦人科で早めに対処しておかねば閉経後の子宮体がん発症につながりかねません。またエストロゲンは脂肪細胞と深い関係があり肥満も一つのリスクといわれています。

Q検診ではどんなことをしますか? また痛みはあるのでしょうか。
A
北中レディースクリニック 子宮頸がんは2、30代にも発症率が高く、早期受診を促している

▲子宮頸がんは2、30代にも発症率が高く、早期受診を促している

内診台に座っていただき、まずは膣鏡で子宮頸部の状態を確認します。その際に着目するのが、子宮頸部の形や位置、大きさ、炎症の有無や表面の状態など。その後、子宮頸部の粘膜にやわらかい専用ブラシを当てて軽くこすり、採取した細胞を顕微鏡で見てがん細胞であるかどうかを調べます。基本的には膣炎など別の症状がなければ痛みはほとんどありませんが、緊張していると恐怖心が強くなってしまうもの。検査時には「今からこれをします」など不安を取り除くお声がけをしたり、使用器具の保温・湿潤による刺激の軽減にも取り組んだりしています。なお細胞診は少量の出血を伴う場合もありますが、痛みもほとんどないので心配する必要はありません。

Q子宮がん検診についてのお考えをお聞かせください。
A
北中レディースクリニック 患者にとってベストな治療方法を提案したいという院長

▲患者にとってベストな治療方法を提案したいという院長

近年、20代や30代の若い女性が子宮頸がんに罹患するケースが目立っています。子宮頸がんは数年という長い時間をかけて徐々に進行していくのですが、検診により早期発見がしやすく、また治療後の予後が良いとされています。一方で、がん化してしまえば治療が難しいとされる病気のため、がんになる前に異常を発見し、重症への移行を防ぐことが非常に重要だということを多くの女性に知っていただきたいと考えています。当院でも接種が可能な子宮頸がんワクチンは、初めての性交渉前に接種しておきたいもの。しかしワクチンを接種したからといって安心せず、避妊具での予防ほか、年1回あるいは2年に1回の定期検診を受けることが大切です。

ドクターからのメッセージ

北中 孝司院長

最近は若い人に子宮頸がんが増えてきています。早いうちから子宮頸がん検診を受けたほうがいいのですが、「なんの症状もないから」「私はまだ病気になる年齢じゃない」という感覚の人が多いのが実情です。お若いうちはあまり実感がないかもしれませんが、子宮頸がんは20~30代のお若い方にも多いのは間違いありません。特に20代の方の受検率が上がるよう、積極的にお伝えしていければと考えています。また子宮体がん検診も、リスクがあると考えられる方にご案内しています。不正出血など症状を自覚してからでは、すでに進行していて手術が必要になることも。何か異常があっても早期発見できるよう定期的に子宮がん検診を受けましょう。

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