マイクロスコープを用いた
根管治療について
ミズキデンタルオフィス
(横浜市西区/横浜駅)
最終更新日:2023/09/14
- 自由診療
虫歯が進行すると、削って詰めるだけでは収まらない場合もある。虫歯の炎症が神経まで到達した場合だ。また、神経を取って処置済みの歯が再び痛くなることもある。そんな状況で必要になるのが、根管治療だ。根の中の細菌感染を治療したり、悪くなった神経を取って薬を充填したりと、小さな歯の根の奥で繰り広げられる細かい治療だ。これまで歯科医師の肉眼と経験値で行ってきた治療だが、昨今はマイクロスコープという歯科用の顕微鏡を使うことで、精密な根管治療が可能になったという。マイクロスコープを使って根管治療を行っている「ミズキデンタルオフィス」の水木信之院長に、詳しく話を聞いた。
(取材日2021年6月30日)
目次
肉眼では見えない細かい部分まで観察できるマイクロスコープを活用し、より精密な根管治療を提供
- Q根管治療とはどんな治療なのですか?
-
A
歯の一番内側には、歯髄腔という神経と血管が入っている空洞があります。ひどい虫歯になると、細菌が歯髄腔まで到達し、神経が炎症を起こすために痛みが出ます。根管治療は、その炎症を鎮め、根の先の骨にまで炎症が広がらないよう食い止めるための治療。神経が残せる場合は残すよう処置をしますが、神経を取らなければならない場合には、神経をきれいに取り、歯髄腔に薬を充填して歯を残します。この処置が十分でないと、神経を取ってかぶせ物をした後でも、自覚がないまま中で炎症が進み、再治療が必要になってしまいます。こういった再治療を避けるためにも、より丁寧な根管治療が大切になります。
- Qかぶせ物をした後に再治療が必要になるのはどうしてですか?
-
A
一般的には、前歯は根が1本、小臼歯は2本、大臼歯は3本というイメージがあると思いますが、細かく見れば一人ひとり根の形も本数も違っています。肉眼で根の数が3本に見えていても、マイクロスコープという顕微鏡で見ると5本ある人もいるので、歯科医師の経験値だけでは見えない部分です。その肉眼で見えない部分に神経が残されていることが再治療の一因となることもあり、そういう部分を見落とさないことが根管治療において重要なことです。
- Qマイクロスコープを用いることで精密な治療ができるのですね。
-
A
歯髄腔の細かい部分を肉眼で見る場合、半分くらいは手さぐりに近い状態になってしまいます。ですが、マイクロスコープを使えば、肉眼だけでは確認できなかった細かい根を見つけられる可能性も格段に上がります。確実に根管治療を成功させるためには、マイクロスコープは特に重要だと思います。また、マイクロスコープにカメラをつけて撮影もできます。患者さんがモニターを通して自分の目で見ることによって、より自分のこととして実感することができるのも大きなメリットです。
- Q根管治療はどのような流れで行うのですか?
-
A
まずは現在の状態を説明し、患者さんのご希望があれば、根管治療を専門に行う歯科医師がマイクロスコープを活用しながら治療します。必要に応じてエックス線や歯科用CTを撮影し、診断結果を説明します。1回の治療時間は、1時間半から2時間ぐらいで、治療回数は2~3回。ラバーダムで口の中の細菌を根管内に入れないよう環境を整え、細くしなやかなニッケルチタン製の根管治療器具を使って慎重にかつ効率的に治療を進めます。再治療の場合、最初に詰めてあったお薬を除去する作業から始めるのですが、そこで歯が割れていたことが見つかる場合もあります。その場合は治療しても維持が難しいため、治療はそこで中止して、抜歯に切り替えます。
- Q治療後のメンテナンスについて教えてください。
-
A
根をきれいにし、薬を充填したら根管治療は終了です。根管治療の1ヵ月後に様子を見て、問題がなければ、土台を立て、かぶせ物の処置に進みます。その後、ご都合のつく患者さんには、3ヵ月、半年、1年後にもエックス線で状態を確認させていただいています。セルフメンテナンスとして、歯茎の状態や噛んだ時に違和感がないかなどを日頃から意識することは大事です。お口の中を隅々まで鏡で見て、歯磨きの時にご自身の歯の状態を確認するとよいでしょう。
自由診療費用の目安
自由診療とは初回カウンセリング/5500円 根管治療/前歯6万6000円~、小臼歯7万7000円~、大臼歯9万9000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。