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集中力の低下や成績不振につながる
子どもの睡眠時無呼吸症候群

ひがみ耳鼻いんこう科・いびき睡眠クリニック

(西伯郡日吉津村/伯耆大山駅)

最終更新日:2023/05/30

ひがみ耳鼻いんこう科・いびき睡眠クリニック 集中力の低下や成績不振につながる 子どもの睡眠時無呼吸症候群 ひがみ耳鼻いんこう科・いびき睡眠クリニック 集中力の低下や成績不振につながる 子どもの睡眠時無呼吸症候群
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良質な睡眠が妨げられることで、日常生活だけでなく、生活習慣病などへの影響が懸念される睡眠時無呼吸症候群(SAS)。大人の病気というイメージが強いが、実は子どもにも起こる病気であり、近年は子どものSASが注目されるようになってきている。そんな現状を踏まえ、耳鼻咽喉科に加え、いびきやSASなど睡眠障害の専門的な診療を提供している「ひがみ耳鼻いんこう科・いびき睡眠クリニック」。専門施設ならではの設備と検査体制、データ解析システムを導入し、SASの治療とともに、子どもの成長や集中力改善のため、子どものうちから鼻呼吸ができるよう歯や骨格の状態も把握した上で診療するよう心がけている。今回は同院の樋上茂院長、樋上弓子副院長に、大人と子どものSASの違いや治療法など詳しく話を聞いた。

(取材日2023年4月14日)

専門のクリニックでの小児期からの治療で、成人期以降の発症を防ぎたい睡眠時無呼吸症候群

Q睡眠時無呼吸症候群(SAS)はどのような病気なのでしょうか?
A
ひがみ耳鼻いんこう科・いびき睡眠クリニック 睡眠障害のスペシャリストである院長と副院長が診療にあたる

▲睡眠障害のスペシャリストである院長と副院長が診療にあたる

【茂院長】睡眠中に喉の筋肉が緩んで上気道が狭くなり、いびきや無呼吸が生じて睡眠の質が低下するSASは、日中に眠気が生じる疾患です。原因の一つに肥満が挙げられますが、例えば同じ肥満体形でも、骨格が小さいアジア人は、骨格の大きいサモア人よりSASを生じやすく、発症には顔や顎の骨格の形状も大きく関係しています。あとは加齢ですね。中高年になるにつれ喉の筋肉が緩み、発症しやすくなります。また飲酒・睡眠薬も筋肉を緩めるためSASの悪化要因に。無呼吸による低酸素状態や、睡眠の質の低下で日中に強い眠気を催し、交通事故や仕事のミスを招くだけでなく、高血圧・糖尿病など生活習慣病のリスクが上がるといわれています。

Q睡眠時無呼吸症候群は大人の疾患というイメージがあります。
A
ひがみ耳鼻いんこう科・いびき睡眠クリニック 自宅で検査が可能なキットも準備されている

▲自宅で検査が可能なキットも準備されている

【茂院長】大人のSASは骨格・年齢・肥満が主要因であり、広く啓発されて有病率も高いためでしょう。小児のSASは、大人ほどいびきが大きくないこと、またご家族しか見ることができないので見過ごされている可能性もあります。小児のSASの原因は、扁桃やアデノイド、鼻の疾患が多く、小児期から鼻呼吸ができないと顎の発達が妨げられて大人になってからのSASの原因になります。小学校に入る頃には骨格も大きくなり呼吸機能も向上するため多くの場合SASは軽症化しますが、口呼吸の習慣には注意が必要です。SASの重症度を測る指標では、大人の正常値は5未満、子どもは1未満、重症は大人で30以上、子どもで10以上とされます。

Q睡眠時無呼吸症候群の検査、診断について教えてください。
A
ひがみ耳鼻いんこう科・いびき睡眠クリニック 入院検査中は患者の様子をリアルタイムでチェックする

▲入院検査中は患者の様子をリアルタイムでチェックする

【弓子副院長】問診で生活や睡眠習慣、服用中の薬、眠気などについて聞き取り、他の睡眠障害を除外していきます。次に、骨格を評価するために、鼻腔形態、鼻呼吸抵抗の測定、エックス線撮影、アデノイドや扁桃の大きさ、歯列を確認します。検査のスタンダードは、専門の技師や医師が夜間も脳波・呼吸・筋電図を監視する終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)です。当院は鳥取大学の睡眠センターと同等の睡眠検査を実施できるよう設備を整えており、専用の入院設備も備えています。小児の睡眠障害は、ご自宅で撮影していただいた映像をもとに重症度を評価します。当院ではデータだけでなく、患者さん自身を見て総合的に診断すること大切にしています。

Q睡眠時無呼吸症候群の場合、どのような治療を行いますか?
A
ひがみ耳鼻いんこう科・いびき睡眠クリニック 患者としっかりコミュニケーションをとり、適切な診療につなげる

▲患者としっかりコミュニケーションをとり、適切な診療につなげる

【弓子副院長】成人では、重症度が高い場合はCPAPを使った療法、低い場合は歯科用マウスピースを用います。扁桃肥大がある場合は手術を、鼻疾患がある場合はCPAPやマウスピースでは対処しきれないため、薬や手術を推奨します。また、根治を希望される方には、顎の手術を行うために専門の医療施設に紹介することも可能です。小児では重症度が中等度以上、軽症でもSASによる眠気やイライラなどがある場合は手術を検討します。小児期の口呼吸が大人になってからのSASの要因になるので、いびきが消失してからも定期的な受診をお勧めします。歯並びが悪い、顎が小さいなどの問題がある場合は、連携施設に矯正を依頼します。

Q小児が睡眠時無呼吸症候群の治療を受けるメリットは何でしょう?
A
ひがみ耳鼻いんこう科・いびき睡眠クリニック SAS患者を減らしていきたいと語る茂院長

▲SAS患者を減らしていきたいと語る茂院長

【茂院長】小児期からSASの治療を受け、鼻呼吸の習慣を身につけることは上下の顎の成長を促し、ひいては歯並びが整うことも期待できるため、大人になってからのSASの予防にもつながります。良質な睡眠は脳を休め、記憶を整えます。また、鼻呼吸による気流で脳の温度が下がり、集中力の向上にもつながります。お子さんの口が普段から開いている、寝ているときに「くーくー」という寝息が聞こえる場合はSASの可能性があります。診察では、親御さんとしっかり問診を行い、エックス線の検査結果のほか、就寝時のビデオに映った寝姿も判断材料にして総合的に判断しますので、まずはぜひ一度受診してもらいたいですね。

ドクターからのメッセージ

樋上 茂院長

当院は、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)、反復睡眠潜時検査(MSLT)などの睡眠検査や、睡眠時無呼吸症候群の治療のためのCPAP圧の調整技術、睡眠障害の実地診療など先端の技術や知識を導入した睡眠障害に特化したクリニックです。子どもの鼻の治療を行いながら、歯や顎の矯正を依頼するなど、大人になったときの睡眠時無呼吸症候群のリスクを下げるための取り組みにも力を入れています。地域の皆さんの睡眠に良い影響を与えられるよう、院長と副院長がそれぞれの専門を生かし、二人三脚で診療しています。耳・鼻・喉、睡眠について気になることがありましたらお気軽に相談にお越しください。

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