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的確な診断が治療を成功させる鍵
整形外科の初期診断の重要性

須藤整形外科クリニック

(大和市/高座渋谷駅)

最終更新日:2021/10/12

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負傷した箇所と異なる部分に痛みが生じることがあるため、診断が難しいとされる整形外科診療。正しい診断による適切な治療を行わないと、症状が改善しないことはもちろん、本来の病気が悪化してしまう危険性もあるので注意が必要だ。多数の病院で整形外科医として活躍し、日本整形外科学会専門医でもある「須藤整形外科クリニック」の須藤英文院長に、整形外科治療における初期診断の重要性をお話しいただいた。

(取材日2015年1月15日)

症状が改善しない場合は、真の原因を見逃している可能性も。正確な診断には触診や疼痛の再現性の確認が必要

Q整形外科診療の初期診断で大切なことは何でしょうか?
A
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▲17年間に渡り多数の整形外科医院に貢献してきた須藤院長

整形外科診療の難しいところは、必ずしも患者さんが痛みを訴えている箇所が、負傷している箇所ではないということです。例えば首の椎間板ヘルニアになっても、首ではなく腕や背中など他の箇所に痛みが生じる可能性があります。怪我の場合は、骨以外の損傷をレントゲンで確認できず、見落としてしまうケースもあるのです。そういった状況の中で的確な診断をするためには、様々な可能性を視野に入れて診療に臨む必要があります。患者さんの全身をくまなく観察して、限られた時間の中で痛みの原因となっている部位を突き止めなければいけません。それにはやはり、医師の経験やセンスが必要になってくるのではないでしょうか。

Q先生はどのような診断方法を採用していますか?
A
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▲患者さんの何気ない動作から原因が分かることもある

患者さんの話を聞いたり、レントゲンで撮影した画像を黙視するだけでは分からないこともあります。例えば膝に痛みを感じる場合、骨折などはレントゲンで判明しますが、半月板の損傷や靭帯の損傷までは確認できません。当院では必ず触診をし、どんな動作をしたときに痛みを感じるかや局所に対して負荷をかけることにより、筋肉や靱帯の緊張による痛みの出方をチェックして疼痛の再現性の確認をするようにしています。また、診療前後もできるだけ患者さんの全身の状態を観察するようにしています。首の椎間板ヘルニアの疑いがあれば、診療室に患者さんが入ってくるときの様子から注意深く観察します。椎間板ヘルニア患者特有の、「痙性歩行」という歩き方をしていないかを確認するのです。

Qヘルニアではないのにヘルニアと診断されるケースも多いのですか?
A
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▲様々な動作の中からヘルニアのサインをキャッチ

腰やお尻に痛みを感じてレントゲンでヘルニアだと診断されても、実はヘルニアではなかったというケースもあります。梨状筋症候群や卵巣膿腫などの疾患が原因で坐骨神経痛を引き起こしているのに、ヘルニアだと判断されてしまう可能性もあるのです。当院ではヘルニアの疑いがある患者さんには、できるだけMRI検査を受けていただくようにしています。また、仰向けに寝た状態で足を持ち上げたときや、うつぶせに寝て膝を曲げたときに痛みが生じないかをチェックします。腰椎椎間板ヘルニアの方は、このような体勢になると坐骨神経や大腿神経が引っ張られて強い疼痛を感じるので、90度まで足が上がらなかったりうつぶせで膝を曲げることが出来なくなるのです。

Q特に見逃しがちな症状はどんなものですか?
A
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▲正しい診断のために、患者の話にもしっかり耳を傾ける

膝に痛みを感じてうまく歩くことができず、「変形性膝関節症」と診断されていた患者さんが、実は首の脊髄症状によって歩行障害が出ていたというケースがあります。ねんざや打撲と診断されていたけれど、靭帯が損傷していたという例もあります。高齢者に多いのが、圧迫骨折の見逃しです。例えば転んで肋骨付近が痛いと訴えると、その箇所のレントゲン撮影だけで検査を終了することが多いですが、実は背骨を圧迫骨折している可能性があるのです。しかし高齢者の圧迫骨折は「関連痛」といって、その他の箇所が痛くなる可能性が高いので注意が必要です。レントゲンだけの診断で不安な場合は、MRI検査を受けてみると良いかもしれません。

Qより的確な診断をするために工夫していることはありますか?
A
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▲理学療法士が患者一人ひとりに寄り添ったケアを実施

レントゲンだけで診断ができない場合は、当院では超音波を使用してより精密な検査を行っています。また、人体にみられる生理的な反射を観察することで、運動系障害や末梢神経障害の診断をする腱反射は極力みるようにしています。さらに、当院には複数名の理学療法士が在籍しております。彼らが長い時間患者さんと接する中で、患者さんの様子をフィードバックしてもらい、その報告もふまえて診断をすることが可能です。患者さんによっては神経内科など他の科での診療が必要なケースもありますが、その際には速やかに信頼のできるクリニックをご紹介させていただきます。骨折治療に関しても豊富な経験がありますので、極力CT検査を依頼して正確な判断ができるよう心がけております。

ドクターからのメッセージ

須藤英文院長

レントゲンだけで判断するのではなく、丁寧な触診をしてくれて、ストレスなどによる疼痛の再現性を確認してくれたり、実際の歩行状態や患肢の動きなどを確認してくれるクリニックならより正確な診断が期待できると思います。治療を続けていてもなかなか痛みがとれないときや症状が改善されないときは、他クリニックをセカンオピニオンとして活用しても良いと思います。当院は専門的知識と豊富な経験を生かし、正しい原因を突き止めることはもちろんですが、的確な治療計画をご提案させていただきますのでご安心ください。特に脊椎疾患に関しては長年の経験がありますので、ヘルニアの患者さんには、手術の適切なタイミングまで視野に入れた治療方法をご提案することが可能です。

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