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喘息の正確な診断と治療につなげる
喘息検査の内容と治療の進め方

けやき内科

(名古屋市名東区/一社駅)

最終更新日:2017/12/07

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  • 保険診療

つらい咳が続き、長期にわたる治療が必要と考えられている喘息。息苦しさなどを感じ続ける印象もあるだろうが、実際は良くなったり悪くなったりを繰り返すことで気管支の狭まりに体が慣れてしまい、知らず知らずのうちに病状が悪化していることも珍しくないという。子どもだけでなく成人後に発症する患者も多く、症状の改善はもちろん付き合い方にもきちんと目を向け、何より早期発見が求められてくる。現在は検査方法が多様化し、ごく初期の段階でも発見できるようになってきたという喘息。長年喘息治療に携わり、常に新しい検査方法を取り入れながら喘息の早期発見・治療に尽力してきた「けやき内科」の加藤景介院長に、喘息という疾患の解説から検査方法、治療までの流れについて詳しく解説してもらった。 (取材日2017年10月18日)

複数の検査を組み合わせて喘息の初期症状を見逃さず、適切な治療につなげる

Q喘息とはどういった病気ですか?
A
1

▲早い段階で検査を受けてほしいと熱く語る加藤院長

喘息は気道が狭くなることで、ヒューヒュー、ぜいぜいといった「喘鳴(ぜいめい)」を含め、咳や息苦しさを繰り返す慢性疾患です。何らかのきっかけでリンパ球の働きが異常を来すことで炎症が起き、気道狭窄が起こるということはわかっているものの、根本的な原因は明らかにはなっていません。アレルギー反応だけでなくストレスや生活環境、習慣が誘因となることも。最近は気道狭窄は見られないのに炎症が起こり咳が続く、気管支喘息の前段階とも言える「咳喘息」も注目されています。症状もさまざまで一概に「この症状があるから喘息」とは言えません。しかし現在は検査方法が進歩し、喘鳴などの重い症状が出る前に診断できるようになりました。

Q検査方法はどのようなものがあるのでしょうか?
A
2

▲頬に手を当て数回自然な呼吸をすることで呼吸抵抗測定が可能

レントゲン検査や血液検査などを併用し喘息以外の病気も視野に入れながら、より喘息の診断に特化した検査を行います。喘息の診断の上で最も大事なのが、気管支の広がりの状態を確認する呼吸機能検査です。これにより長引く咳といった症状の段階であっても、気管支喘息と診断できることが多々あります。アレルギー反応による炎症は呼気中NO(一酸化窒素)測定によって、またアレルギー反応の有無に関わらず炎症の状態を呼吸抵抗測定からも確認可能で、当院ではどちらも導入しています。咳喘息は気管支が狭くなっているわけではないので、呼気NO測定や呼吸抵抗測定を併用し、炎症を確認することによってはじめて確実な診断ができます。

Q子どもや高齢者でも簡単に検査できるものでしょうか?
A
3

▲数秒間一定の速さで息を吐くことにより呼気NOを測定する

呼吸機能検査は一生懸命息を吸ったり吐いたりしないときちんと測定できないため、小学校高学年くらいでないと上手にできないかもしれません。お年寄りの場合だと上手に呼吸を合わせることができないこともあります。一方で呼気NO測定は一定のスピードで息を吐くことができれば測定可能な、非常に簡単な検査です。小学校低学年のお子さんでも十分実施できますので、当院では小児喘息が疑われるお子さんにも積極的に実施していますよ。呼吸抵抗測定もマウスピースをくわえて数回自然な呼吸をするだけで測定できますので、年齢を問わず実施できます。呼気NO測定や呼吸抵抗測定は、病態を正確に把握するために欠かせないものと考えています。

Q検査を踏まえて、どのように治療を組み立てていくのですか?
A
4

▲さまざまなタイプの吸入器から、一人ひとりにあったものを選択

ここ数年で治療薬もさまざまなものが登場していて、吸入薬一つにしても薬剤の種類も豊富で各薬剤を組み合わせた合剤もあります。また剤型も粉末吸入式やスプレー式、ミスト噴霧式と多岐にわたり、それぞれに特徴があるんです。例えば粉末吸入式は携帯しやすい反面、吸い込みにコツが必要です。選択肢が多様化する現在、薬剤や剤型の特性を十分理解した上で患者さんに適切なものを選択していくのが私たちの役割です。検査結果がアレルギー反応が強い、気道狭窄が強いといったタイプの分類の目安になることはもちろんですが、性別や年齢、生活背景なども踏まえ、さらに当院では吸い込める強さを示す吸気力の測定も行い、処方の参考にしています。

Q喘息は治るものなのですか?
A
5

▲呼吸器とアレルギーに関して専門的な知識経験を有している

残念ながら、現在の医学では治すことができない疾患と考えられています。しかし適切な治療によって症状のない状態に維持することは可能です。ただ症状が落ち着いたからとむやみに治療を中断したり、薬剤を減らしてしまったりしてしまうと、病状が再度悪化してしまうことがあります。最も避けたいのは「リモデリング」という、気管支が狭いまま固まった状態になってしまうことです。では治療は一生続くのかというとそうではありません。病状改善に伴って徐々に治療薬を減らし、場合によっては一旦治療薬をなしにすることも可能と考えられています。そういった判断にも呼吸機能検査や呼気NO測定、呼吸抵抗測定といった検査が非常に役立つのです。

ドクターからのメッセージ

加藤 景介院長

喘息の一番大きな誤解は、症状を基準に考えてしまうということ。症状がないことは、必ずしも良い状態であるわけではありません。このことを患者さんにも理解していただき、生活環境の改善も含めて治療に取り組んでいただきたいですね。常に病態を把握するためにも検査は不可欠でしょう。そして治療は、やみくもに継続して良いものではありません。薬は必要最低限がベストだと思いますし、患者さんにとってベストな内容を見極めるためにも、検査は欠かせないのです。当院では定期的に検査を実施し、症状以外の客観的指標も踏まえながら薬剤の調節を行っています。これからも患者さんと協力しながら、より良い状態の維持に助力していきたいです。

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