医療法人 如水会 鈴鹿腎クリニック

医療法人 如水会 鈴鹿腎クリニック

伊藤 英明子副院長

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前身である「河出内科」から一貫して地域に根差し、初期の腎臓疾患から合併症予防、先進的な透析療法の提供とともに、ADL(日常生活動作)の維持・向上に尽力してきた「鈴鹿腎クリニック」。「患者さんファーストの医療の提供」を信条とする河出恭雅理事長・岩島重二郎院長とともに、多くの患者を支えているのが、日本皮膚科学会皮膚科専門医の伊藤英明子(いとう・えみこ)副院長だ。透析患者は血流が悪く免疫力が低下していることから小さな傷も治りにくく、気づかないうちに悪化しADLを大きく損なうケースも珍しくないという。「内科と皮膚科が連携し診療にあたることは、適切な治療につなげる上でたいへん有益です」と語る伊藤副院長に、診療に対する思いを語ってもらった。
(取材日2018年1月7日)

皮膚科の専門性を生かし透析患者に寄り添う

―これまでのご経歴をお聞かせください。

1995年に愛知医科大学を卒業後、1年間愛知県の総合病院で研修後、皮膚科を専門に三重県の総合病院・大学病院で研鑽を積んできました。病院ではさまざまな皮膚病変の治療や皮膚がんの手術といった外科的処置などに加え、入院患者さんの褥瘡管理などにも携わっていました。その後、当院が「鈴鹿腎クリニック」となる少し前から、診療に携わるようになり、現在に至ります。

―皮膚科を専門とした決め手とはどんなものでしたか?

皮膚科の診療では、外科と内科、双方の持ち味が必要となることに魅力を感じました。例えば熱傷に対する処置などは外科的なスキルが求められますし、皮膚病変は、皮膚そのものに原因がある場合だけでなく、服用している薬剤や、膠原病といった内科疾患が原因となることもあります。「皮膚は“内臓の鏡”である」という言葉もあるほどで、内科の視点も欠かせないんです。皮膚という一つの臓器を診る上で、さまざまな視点が必要となる。そんな奥深さに惹かれたんです。また、透析患者さんにも皮膚のトラブルは多く、たいへん密接な関係にあります。近年、透析患者さんは高齢化していることから、お1人での通院が難しかったり、ご自身で体位変換ができないことから褥瘡が起こりやすかったりと、皮膚トラブルに見舞われやすいんです。自分が積み重ねてきた研鑽が、ずっと身近にあった透析治療においても、役立つものと思いましたね。

―透析治療において、内科に加えて皮膚科の診療が行えることにはどんなメリットがあるのですか?

皮膚の異変にいち早く気づけ、適切な処置につなげられることですね。現在、多くの透析患者さんは糖尿病を併発しており、血流が悪くなっているだけでなく、末梢神経障害によって、特に足の皮膚トラブルに気づきにくいといった特徴があります。気づかないうちに靴擦れができていた、というのも珍しくありません。しかしそんな傷でも、大ごとにつながる可能性も少なくないのです。処置をしないまま潰瘍などが進んでしまうと、蜂窩織炎(ほうかしきえん)という皮膚細菌感染症にかかりやすくなります。最悪の場合、足を切断することにもつながります。リスクが何十倍にも跳ね上がってしまいますからね。単に皮膚のトラブルといっても、安易に考えてはいけません。他にも、処方された薬が原因で薬疹が出ることや、シャントの造影検査で用いる造影剤によってアレルギー症状が出ることもあり、皮膚科の専門性が発揮される場面はとても多いんです。



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