歯科用マイクロスコープを活用し
治療からメンテナンスまで精密に
昭和歯科・矯正歯科
(福岡市西区/九大学研都市駅)
最終更新日:2021/10/12
- 自由診療
根管治療やむし歯治療、メンテナンスなど、さまざまな場面で適切な診断や精密な治療をするために活躍するのが、歯科用顕微鏡のマイクロスコープだ。口腔内を20倍に拡大して見ることができ、低侵襲治療や緻密な修復を手助けする一方、映像を記録することができるため患者に対しての説明や指導といった側面でも大きな役割を果たしている。今回はクリニック内の全チェアーにマイクロスコープを設置し、歯科医師だけではなく歯科衛生士も活用する「昭和歯科医院」の木南意澄院長にインタビュー。マイクロスコープによる治療のメリットや歯科衛生士が活用することの意義など、さまざまな視点から話を聞いた。
(取材日2020年12月22日)
目次
マイクロスコープを活用した精密治療とメンテナンスで患者の歯を守る
- Qマイクロスコープを使用した歯科治療の特徴を教えてください。
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A
歯科用顕微鏡であるマイクロスコープは、対象物を20倍まで拡大して見ることができます。歯科治療では小さな歯の中のさらに細かい部分を見る必要があるので、何より大きく見えるというだけでも非常に有用です。むし歯を取り残さない、歯を削る量を最小限に留めるなど、私にとって精密な治療にはたいへん重要なツールとなっています。加えて歯を修復する方法の一つであるダイレクトボンディングをはじめ、これまではできなかったような治療の実現にも一役買っているのではないでしょうか。歯間にできてしまったむし歯でも、天然歯部分とギャップなく修復できるなど非常に精密な治療が可能になったと思います。
- Qどのような治療の際に活用されるのでしょうか?
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A
歯の神経を取り除く根管治療から、土台となる支台築造、かぶせ物を取りつける部分を作る支台歯形成、かぶせ物を接着する時にギャップがないかをチェックしたり、接着時にはみ出した歯科用セメントを取り除いたり、根管治療から補綴治療の全般で活用します。また深いむし歯でも神経を残す直接覆髄法、小さなむし歯の後処置する時のダイレクトボンディング、歯周治療、裏側矯正などの際にも使っています。診断や予防といった面でも、歯に小さなヒビが入っていないかをチェックしたり、メンテナンスに活用したりしていますよ。さらにマイクロスコープには録画機能があるので、治療の映像を記録し、患者さんへの説明の際にも使っています。
- Qですが、使いこなすためには高い技術が必要だそうですね。
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A
マイクロスコープは一般的に根管治療の際に使われていることが多く、さまざまな治療に活用するためにはやはりある程度の技術が必要です。そのため、マイクロスコープを使う研究会やスタディーグループに入って研鑽を積むのが大切だと考えます。当院では、自分の症例を画像や動画で記録してアドバイスをもらったり、他の先生のマイクロスコープの治療法を勉強しています。また、日常的に使うことが重要なのでなるべく多くの処置でマイクロスコープを使うようにしています。
- Qこちらでは歯科衛生士もマイクロスコープを使っているとか。
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A
精密な治療をしているからこそ、そのメンテナンスも精密に行う必要があると思っています。そのため歯科衛生士が歯石取りなどのクリーニングを行うチェアーにもマイクロスコープを備えているんです。録画機能を活用して染め出しや歯磨きを動画に残し、患者さんと一緒に映像を見ながら指導することで格段に理解していただきやすくなります。また、歯周病治療においては、歯茎の内側にある歯石は見えにくく従来は麻酔をかけて取り除いていたのですが、マイクロスコープを使えば麻酔をかけずとも実際に視認しながら取ることができます。そうした理由からも常に歯科衛生士が活用できるように環境を整えています。
- Q歯科用CTやラバーダムも積極的に採用されているそうですね。
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A
二次元のエックス線で診断して、わかりにくかったことも歯科用CTで撮影することで診断力が格段にアップします。また、当クリニックでは根管治療だけではなく多くの症例で、治療する歯を中心にゴム製の膜を張るラバーダムによる防湿を実施しています。患部に唾液が入って再感染が起きてしまうのを防ぐことが主な目的ではありますが、治療している部分に集中できるという副次的要素もあります。自由診療だからこそ、治療のクオリティー、治療の成功率を向上につなげるために必要なものはどんどん取り入れていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはむし歯治療(ダイレクトボンディング)/4万9000円~、根管治療/6万9000円~、歯周治療/9万9000円~、裏側矯正/99万円~、直接覆髄法/5万3900円、補綴治療/(奥歯)15万2900円、(前歯)19万6900円
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。