木南 意澄 院長、吉成 宏陽 先生の独自取材記事
昭和歯科・矯正歯科
(福岡市西区/九大学研都市駅)
最終更新日:2025/01/15

多くの学生が利用するJR筑肥線の九大学研都市駅から徒歩6分。国道202号線沿いにある「昭和歯科・矯正歯科」は、道を挟んですぐの昭和病院の歯科クリニックとして1996年に開院した。2003年より院長を務める木南意澄(こみなみ・いずみ)先生は、早くから歯科用顕微鏡のマイクロスコープや口腔内スキャナーなど先進機器を導入。精密な根管治療、メンテナンス、噛み合わせ治療といった包括治療に力を注いできた歯科・口腔外科分野におけるゼネラリストだ。2019年からは吉成宏陽先生も加わり、噛む力を測定し、食いしばりなどによる口腔内の崩壊を防ぐための治療にも取り組んでいる。メンテナンスでは歯科衛生士がマイクロスコープを活用しているのも特徴。スタッフ一丸となって進めていく同院の包括治療とは? 詳しく話を聞いた。
(取材日2024年11月14日)
マイクロスコープなど先進機器を用いた包括治療が特徴
院長を就任されてから20年以上たちますが、大きく変化した点などありますか?

【木南院長】まず、患者層ですね。就任当時は高齢者が多かったのですが、2005年に九大学研都市駅ができて以来、学生が急増。ファミリー向けのマンションも増え、患者層が幅広くなりました。そして、歯科医療もずいぶんと進化。当院では歯科用顕微鏡のマイクロスコープを2012年に導入し、全ユニットに設置するなど、かなり活用しています。肉眼では見えない箇所がはっきりと見えることで、精密な治療につなげられるのが特徴。例えば歯の根っこの根管治療などの細かい修復治療、いわゆる保存治療に非常に力を発揮してくれる機器ですね。そして動画が撮れるのも強み。治療の記録として残せますし、口腔内がかなりリアルに見えますので、患者さんへの説明ツールとしても活用しています。ただ、使いこなせないと意味がありませんので、常に使用できる環境であることが必要。吉成先生も入られてからずっと触っていますので、とても扱いは得意ですよ。
吉成先生は2019年に入職されたそうですね。
【吉成先生】大学は愛知だったのですが、福岡出身だったので卒業後はこちらへ戻ってきて九州歯科大学の口腔外科に入局。その後、知り合いの先生にご紹介いただいたご縁で、こちらでお世話になることになりました。根管治療、噛み合わせ、インプラント、矯正など、何でもできる歯科医師になりたいと思い、いくつか歯科クリニックを見学させてもらったのですが、ここが目標とする歯科医師像に一番近く、何よりも院長が楽しそうに患者さんと接していたんですよね。その姿を見た時に、院長のもとでスキルを磨かせてもらいたいと思ったんです。また、マイクロスコープを使った治療に力を入れられていたので、それまでに行っていた治療とは違い、かなり精密な治療がめざせる環境が本当に驚きで、自分も早く使いこなせるようになりたいと思ったのを覚えています。
マイクロスコープは全ユニットに設置されているそうですね。常に触れられる環境は大きかったのでは?

【吉成先生】かなり大きかったです。日々トレーニングできたことで、使いこなせるようになりましたし、今では欠かせない機器になっています。
【木南院長】私と変わらないくらい使いこなせるようになっていますよ。動画も撮れるので、以前は口頭で説明されても何をされたかあまりピンとこなかったことも、すぐに把握できるのは患者さんの安心感にもつながると思うんですよね。当院は歯科衛生士もメンテナンスなどで使用しますので、その点も特徴だと言えるでしょう。スタッフはベテランぞろいなので心強いですね。
噛む力を測定し、歯の破折や不定愁訴の予防や改善を
歯科医師は2人体制ですが、どのように分担されているのですか?

【吉成先生】院長は自由診療がメイン、私は保険診療と自由診療も少し担当させていただいています。
【木南院長】当院は包括治療に取り組んでいますが、矯正治療に関しても小児矯正をはじめ、ワイヤー式、表側、裏側、マウスピース型装置を用いた矯正など、幅広く対応しています。それぞれのメリット・デメリットを考慮した上で、患者さんに適した矯正法をご提案。場合によってはいくつか矯正法を組み合わせることも考えられます。マウスピース型装置を用いた矯正については、以前よりも認知されてきた方法かつニーズの高い方法ですが、最初の計画がすべてと言っても良いもの。口腔内スキャナーなどデジタル機器を活用し、シミュレーションどおりに進めていきますので、最初の計画が要。デジタルシステムがあってこその方法ですね。また、最近は噛む力が測定できる機器を導入。吉成先生が力を入れて取り組んでくれています。
噛む力が強い場合、どのような治療を行うのでしょう。
【吉成先生】噛む力が強い方は、歯が割れるリスクが高まります。まず、咬合力が計測できる筋電計を用いて、噛む力がどのくらいかかっているか調べ、噛む力が強すぎる方は歯を守るためにマウスピースを使用します。
【木南院長】特に睡眠時の歯ぎしりや食いしばりは無意識のうちにやっていますので、なぜかある日突然歯が割れてしまったということになってしまうんですね。また、不定愁訴でお悩みの方は噛む力が原因の場合もありますので、一度計測されることをお勧めいたします。
残念ながら歯を失った際に行う治療に関しても教えてください。

【木南院長】義歯には、ブリッジ、入れ歯などもあるものの、長い目で見るとインプラントが適していると考えています。複数の歯が欠損している場合は高額になってしまったり、重度の歯周病の場合にはインプラント周囲炎などのリスクがあったりしますが、バランスを整えるという観点においては、他の歯に負担をかけにくいインプラントがお勧めです。欠損した最初の1本の時にインプラント治療をされると、周りの健康な歯を守ることにもつながるのがインプラント治療の大きなメリットだと言えるでしょう。ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削って土台を作り、そこに連結させた人工の歯をかぶせて抜けた歯を補う治療。つまり、ブリッジや部分入れ歯は、周りの歯で支えるため、他の歯へ負担がかかり、さらなる歯の欠損リスクが高まるのです。
口腔内の状況を知ってもらうことが予防や治療の第一歩
歯を失う原因となる歯周病についてはいかがでしょう。

【木南院長】若い世代は歯周病にあまり関心がないかもしれませんが、予備軍はたくさんいます。まず歯茎に軽い炎症が起きている歯肉炎、次に炎症が歯茎だけでなく歯周組織まで広がった歯周炎、歯周病が進行した歯槽膿漏というように、歯周病には段階がありますので、若いからといって安心するのは要注意。若くても歯周病の方はいらっしゃいます。重度の歯周病になると、土台となる骨が溶けてインプラント治療ができないことも。その場合はマイクロスコープを用いて、歯周組織再生療法を試みます。
【吉成先生】歯周組織再生療法は非常に興味深い分野で、勉強会にも積極的に参加しています。
じつにさまざまな治療に対応されていますが、診療の際に心がけていることはありますか?
【木南院長】ご自身の口腔内の状態に関心を持ってもらうことです。動画でリアルな画像を見てもらい視覚に働きかけるのもそうですし、しみているところがわかる特殊な眼鏡をかけてもらって、その部分にエアを当てて実際に確認してもらったり。そうやってご自身の口腔内の状況を知ってもらうことを常に心がけています。それが予防や治療への第一歩だと思うので。
【吉成先生】その場限りの治療ではなく、10年、20年と長いスパンで考えた時に、その間安定して機能を果たしていけるような治療を心がけています。
最後に今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

【吉成先生】さらに持ち球を増やし続け、一人でも多くの方に当院の精密治療のクオリティーを体感いただきたいなと思います。
【木南院長】今後も新たな機器を積極的に導入し、治療法も常にアップデートしていく一方で、必要なものとそうでないものを取捨選択し、患者さんが心から笑顔になれる歯科医療の提供に努めていきたいと思っています。包括的治療が当院の大きな特徴ですので、どんな症状でも遠慮なくご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤーを使った歯列矯正/21万円~(部分矯正)、69万円~(全顎矯正)、裏側矯正/99万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/29万円~、インプラント治療/42万8000円~、小児矯正・初期矯正/5万3900円~、
小児矯正・第1期治療/42万9000円~、小児矯正・第1期治療(第2期治療込み)/97万9000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。