胃炎や胃がんの早期発見に有用
AI技術を駆使した上部内視鏡検査
さくらクリニック
(瑞穂市/穂積駅)
最終更新日:2024/11/21


- 保険診療
慢性胃炎や胃がん、十二指腸潰瘍などの早期発見のきっかけとなることも多い上部内視鏡検査。最近では、より精度の高い検査結果が期待されるAI機能搭載の内視鏡機器も普及しつつある。とはいえ、AIはあくまで補助機能であり、豊富な経験を持つ専門家による検査が、何より安心をもたらしてくれるだろう。「さくらクリニック」の佐竹真一院長は、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医の資格を有する内視鏡検査のスペシャリストだ。開業後は、なるべく少ないコストによる正確な診断、胃と大腸の同日検査、リラックスできる環境づくりなどにもこだわってきた。そんな佐竹院長に、胃の内視鏡検査の必要性や注意点、検査の流れなどについて聞いた。
(取材日2024年10月22日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q上部内視鏡検査を受けるべき人やタイミングを教えてください。
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A
基本的に、40歳以上の方にお勧めします。胃痛や胸焼けなどの症状がある場合は、年齢に関係なく受けていただきたいですね。胃の内視鏡検査ではピロリ菌の有無も確認できます。ピロリ菌がいると潰瘍を起こすことがあるほか、胃がんのリスクが高まるため、できれば若いうちに確認し、除菌することが望ましいです。内視鏡検査の頻度は、ピロリ菌の既往がある方は1~2年に1度程度ですが、胃が荒れている場合は毎年受けたほうが良いと思います。よくわからないまま検査をされることを避けるため、医師の説明をよく聞き、十分納得した上で適切な検査を受診してください。
- Q胃と大腸は同じ日に検査できるのですか?
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A
当院では、多忙な方のために、胃と大腸の内視鏡検査を同日に受けることができます。ただし、体の負担を考えたら別の日に行うほうが良いので、医師とよく話し合ってください。なお、検査時に胃の中に食べ物が残っていると観察が不十分になりますので、前日の夕飯は腹8分目にし、21時以降は少しの水だけにしてください。当日朝は基本的に絶飲・絶食で来院していただきます。検査方法は経鼻と経口がありますので、医師から説明を受けて選びましょう。また、検査後に下剤を飲んで過ごすことができる個室のある病院をお勧めします。当院ではトイレや映画鑑賞ができるモニターを設置し、リラックスできる空間を提供しています。
- Q検査で発見され得る病気、発見した場合の処置を教えてください。
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A
見つかり得るのは、良性の胃ポリープのほか、慢性胃炎、胃がん、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、逆流性食道炎、まれに食道がんなどです。ポリープには、胃底腺ポリープという良性のポリープが多く、その場合は処置をせず経過観察になります。腺腫という胃がんとなり得るポリープや、がんが疑われるポリープに関しては、当院で安全に完全切除が望めるものであれば処置をしますが、それ以外のものは適切な医療機関に紹介しています。なお、当院ではAIによる画像診断支援システムを導入しており、早期胃がんの見逃し防止に役立てています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1症状について問診票に記入し診察を受ける
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問診票に現在の症状や既往歴、手術歴、家族歴などを記入する。診察では、胃の出血の可能性も考えて黒い便が出ていないかどうかの確認もされる。抗血小板剤や抗凝固剤など内服している薬や、ピロリ菌の検査歴、除菌歴も重要確認事項だ。
- 2検査の流れや注意点について、詳しい説明を受ける
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あらためて検査について説明を受け、経鼻内視鏡検査か経口内視鏡検査か、いずれかを選択する。経鼻内視鏡検査を希望しても鼻腔が狭いなどの理由で経口内視鏡検査に変更となることもある。また、採血によってB型肝炎、C型肝炎など感染症のチェックも行われる。
- 3検査当日、麻酔など前処置を受ける
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経鼻内視鏡検査では、事前に鼻の出血防止のため血管収縮剤の噴霧、ゼリー状の局所麻酔、喉の麻酔が行われ、胃の中の泡を消すための薬を飲む。これらの前処置は15分程度だ。同院では、経口内視鏡検査を使った検査の場合、希望があれば鎮静剤が使用される。
- 4検査室で検査を受ける
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経鼻内視鏡を用いた検査では、検査が進む様子を患者自身もモニターで見ることができる。同院では、AI搭載の内視鏡画像診断支援システムにより、微細な病変も見逃さない。特殊な波長や色素散布による観察を行っても、検査時間は7~8分だ。
- 5診察室で検査結果の説明を聞く
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休憩後、診察室で画像を見ながら医師の説明を聞く。病変があった場合、AI搭載の画像診断支援システムなら、その箇所が枠で囲まれたり色がつけられたりするため、わかりやすい。検査中に組織を採取した場合、顕微鏡検査に出すため、後日、検査結果を聞きに行く必要がある。