定期的な上部内視鏡検査で
胃がんや胃炎の早期発見につなげる
さくらクリニック
(瑞穂市/穂積駅)
最終更新日:2025/11/26
- 保険診療
慢性胃炎や胃がん、十二指腸潰瘍などの早期発見につながる重要な検査である上部内視鏡検査。健康診断で精密検査が必要とされた場合に限らず、定期的な実施がとても大切だと話すのは、「さくらクリニック」の佐竹真一院長だ。佐竹院長は、日本消化器病学会認定消化器病専門医と日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医の資格を有する、内視鏡検査のスペシャリストである。「経験豊富な医師による検査と看護師などスタッフによる細かなケア、そして先進の内視鏡があれば、内視鏡検査に対する不安は和らぐでしょう」。佐竹院長に基本的な内視鏡検査の進め方をはじめ、近年普及し始めたAI搭載の内視鏡による検査の様子などを聞いた。
(取材日2024年10月22日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- QAI搭載内視鏡の使用メリットを教えてください。
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A
AIのサポートにより、医師とAIでの二重チェックができるため、病変の見落としの減少が見込めるというメリットがあります。また病変があった場合は、その箇所がわかるように表示するシステムも搭載されていますので、リアルタイムで患者さんにも確認していただけます。そして、「病変があるので細胞を採取します」のように、その場で説明をしながら処置を進めることができるんです。患者さんにとって、検査で何をされているのかがわかりやすいので、安心して検査を受けていただくことができるでしょう。
- Qどのような症状があれば内視鏡検査を受けるべきですか?
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A
自覚症状として「おなかが痛い」「胸焼けがする」「げっぷが多い」などがある場合や、健康診断で要検査だといわれた場合は、ぜひ内視鏡検査を受けていただきたいです。また採血検査をしてピロリ菌が陽性の場合には、上部内視鏡検査で詳しく状態を確認する必要があります。なぜなら、ピロリ菌感染は胃がんの発生リスクを高めるため、早期に除菌することが大切だからです。ピロリ菌の保有率は年齢が上がるほど高くなる傾向がありますので、早期発見・治療につなげるためにも、40歳以上の方には一度内視鏡検査を受けていただくよう推奨しています。
- Q内視鏡検査はどのくらいの頻度で受けたほうが良いでしょうか?
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A
ピロリ菌が見つかった方や既往がある方については、1年に1回のペースで定期的に内視鏡検査を受けると良いでしょう。特に胃がんは早く進行する場合があるため、毎年検査を受けることが、患者さんやご家族にとって安心につながると思います。また、胃が荒れている方も毎年内視鏡検査を受けていただきたいですね。さらに何も症状のない場合でも、2年に1回は検査を受けていただくことをお勧めしています。これまでに一度も内視鏡検査を受けたことがないという方は、まずはピロリ菌の検査だけでも検討してみましょう。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1症状や既往歴などについて問診票に記入し診察を受ける
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問診票の問いに沿って、現在の症状や既往歴、手術歴、家族歴などを記入する。ピロリ菌の検査歴や除菌歴も重要な確認事項だ。抗血小板剤や抗凝固剤など、服用中の内服薬があれば合わせて医師に伝える。診察では、胃の出血の可能性も考えて、黒い便が出ていないか確認される。
- 2検査の詳しい説明を受け、経鼻か経口か検査方法を選択
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看護師から検査の流れや注意点など、詳しい説明を受ける。その後、経鼻か経口か、検査方法を選択。ただ、経鼻を希望しても鼻腔が狭いなどやむを得ない理由があると、経口に変更されることもあるそう。またこのとき、採血によりB型肝炎やC型肝炎など感染症のチェックも行われる。
- 3検査当日に点鼻薬や麻酔など、前処置を受ける
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内視鏡でより見やすくするために、胃の中の泡を消す薬を飲む。経鼻の場合には、鼻の出血防止のため血管収縮剤を噴霧するほか、ゼリー状の局所麻酔などを行うという。前処置の時間は15分程度。ちなみに経口の場合、希望に応じて鎮静剤が使用できる。
- 4検査室で内視鏡検査を受ける
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経鼻内視鏡検査では、患者がモニターを見ながら検査を受けることができ、検査中に医師と対話も可能である。同院ではAI搭載の内視鏡で検査し、医師とAIで二重チェックを行うという。また、光の波長を変えた分光観察や色素散布により、微細な病変まで観察するそう。検査時間は約7~8分。
- 5休憩後、診察室で検査結果の説明を聞く
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休憩後、診察室で画像を見ながら検査結果の説明を聞く。AI搭載の内視鏡の場合、病変部分が枠で囲まれるなど、視覚的にわかりやすく表示されるという。検査中に組織を採取した場合は、顕微鏡による検査を行うため、後日結果を聞きに受診する必要がある。

