佐竹 真一 院長の独自取材記事
さくらクリニック
(瑞穂市/穂積駅)
最終更新日:2025/11/25
瑞穂市のシンボルである桜のように、地域にどっしりと根づき、信頼されるホームドクターを目標に2008年に開院した「さくらクリニック」。消化器と肝臓を専門とする佐竹真一院長が、2024年7月に加わった安藤量基副院長とともに先進の医療機器を駆使し、疾患の早期発見・早期治療をめざす。30、40代の働き盛りで忙しい人でも検査を受けやすいよう、胃と大腸の内視鏡検査を同日に行えることが強み。検査で大腸ポリープが見つかった場合、その日のうちにポリープを切除できるという。「患者の経済的・時間的負担を少しでも減らしたい」との思いから、少ないコストで正確な診断をすべく、患者の話をよく聞いた上で必要な検査だけをすることを心がけているという佐竹院長に、内視鏡検査や院内IT化などについて大いに語ってもらった。
(取材日2019年3月15日/情報更新日2025年9月30日)
なるべく少ないコストで、正確な診断を心がける
診療において大切にしていることを教えてください。

患者さんの話をしっかり聞いて、適切な検査を選択することを大切にしています。患者さんの中には「頭が痛いからCTを撮ってほしい」という方もお見えになりますが、最近の症状など話をよく聞いた上でMRIのほうがふさわしいと思ったら、MRI検査が可能な別の医療機関を紹介します。もちろんCTが適切な場合は撮りますよ。患者さんにお話ししてご納得していただいた上で、治療計画を組むことを大切にしています。なるべく少ないコストで正確な診断を、と思っています。患者さんによっては「もっと検査してよ」と思っているかもしれませんけどね(笑)。
患者さんの中には「よくわからないままいろんな検査をされた」と感じる方もいますからね。
こちらが考えていることを患者さんにお話しして、ご納得してもらった上で適切な検査をすると、そのように感じることはなくなると思っています。例えば、患者さんから「おなかが痛い」と言われたときでも、しっかりとお話を聞いた上で検査方法を選びます。検査方法は胃カメラやCTなどさまざまです。ですからまずは診察と問診で8割方診断した上で、確定させるために検査をするといった形でやると、無駄な検査をしなくて済みやすいですし、お財布にも優しくなるでしょう。時には眼科や耳鼻科疾患の方が来院されることもありますが、その場合はやはり専門の医療機関のほうがしっかり診てもらえますし、それが患者さんにとって良いと思いますので、連携している医療施設を紹介しています。
積極的に院内のIT化を進めていると伺いました。

ええ。電子カルテを導入して、診療で活用しています。当院では効率性を重視しており、電子カルテを開いたらすぐに、患者さんがこれまでに受けた検査結果や病歴、所見などが一目でわかるようになっています。「医師が電子カルテばかり見て患者の目を見ない」といった話もよく聞きますが、当院ではそのような状況を生み出さないためにも、入力も工夫することで時間がかからないようにしています。無駄を省き、かつ診察に生かせる電子カルテは当院の強みです。スピーディーな診療を行うことで、患者さんお待ち時間を減らせられればと思っています。
忙しい患者のため、胃・大腸の内視鏡検査を同日に実施
こちらの内視鏡検査について教えてください。

特徴の一つが、胃と大腸の内視鏡検査を同日に行えることです。働き盛りで忙しい患者さんたちから「1日でできないか」というお声をいただいて実現させました。もちろん体の負担を考えたら別々の日に行うほうがいいので、同日検査希望の方とは事前によく話し合います。また、検査で大腸ポリープが見つかった場合は、その日のうちに切除可能です。切除後は、出血しないよう処置し、食事などへの注意を促してからお帰りいただき、念のため「もし出血したらすぐに来てください」とお伝えします。さらに、検査結果の画像は後から見返せるように、検査画像を患者さんにお渡ししています。帰宅後にご家族に説明するときにも、検査画像は役立つと思いますよ。
肝臓も診てくださるんですね。
私は日本肝臓学会肝臓専門医の資格を持っていますので、当院ではB型肝炎やC型肝炎といったウイルス肝炎、脂肪肝、肝臓に起因するいろんな病気も診ることができます。院内には超音波やCTもありますので、肝臓がんや肝硬変の方でも、当院で経過を見ていくことができます。検査機器は先進の物を取りそろえており、中でも内視鏡の性能にはとてもこだわりました。一般的には経口内視鏡のほうが性能がいいと思われていますが、当院がメインで使っている経鼻内視鏡は、経口と変わらないくらい高画質の画像が撮れ、微細な病変が際立って浮き上がるように見えます。患者さんの負担を考えても、経口より楽とされる経鼻内視鏡で高画質の画像が撮れるので重宝しています。実際、経口より経鼻を選ぶ患者さんのほうが多い印象ですね。
検査の精度を上げるために工夫していることはありますか?

胃と大腸の内視鏡や胸部エックス線機器にAI搭載機を導入しました。微細なポリープを検出可能なAIを補助ツールと活用し、経験・知識・技術が豊富な医師とで2重チェックすることで、小さな病変の見逃しもなくせるよう努めています。また、AIが病変を感知すると病変部分がわかるようにモニターでリアルタイムで表示でき、患者さんもそれを検査中に確認することが可能です。納得していただきながら検査を進められるのもメリットといえるでしょう。当院で検査してより詳しい検査が必要になった場合は、自分なりの鑑別をつけた上で適切な病院をご紹介しています。例えば、「入院が必要な手術のためお願いします」というように、紹介の理由を具体的に伝えています。そうすることで、送られた側の医療施設で一から検査をする必要がありませんからね。総合病院と一般クリニックの中間的な施設でありたいです。
患者が年を取っても在宅で最期まで診られるドクターに
内視鏡検査のストレスにも配慮しているそうですね。

患者さんが検査前後にリラックスして過ごせるよう、4室ある回復室はすべてソファーやトイレ、ロッカーを備えた個室にしました。DVDの貸し出しも行っており、回復室内のテレビで鑑賞することも可能です。検査前後は人目を気にせずゆったりと過ごしてもらいたいですね。看護師が定期的に巡回しており、患者さんに何かあった時にはすぐに駆けつけることができます。また、「内視鏡検査を受けたとき、体に合わない下剤を飲んでつらい思いをした」という話も聞くので、下剤は液体タイプと錠剤タイプ、2種類から選べるようにしました。不快感や痛みへの不安を減らすことで、内視鏡検査をもっと身近にできればと思っています。
医師になったきっかけと、消化器内科を選んだ理由をお聞かせください。
人助けというと大げさかもしれませんが、病気を治して人の役に立てるというところに魅力を感じ、高校生の頃に医師の道を志しました。岐阜大学医学部入学後に内科を希望しましたが、当時、大学の内科は心臓、糖尿病、消化器内科の3つの領域に分かれていて、その中でやりがいや面白さを感じたのが消化器内科だったんです。内視鏡を使って自分で病変を診て、診断に結びつけられるスピーディーさもいいな、と思いましたね。また、学生の時に所属していた卓球部のOBに消化器内科の先生が多かったのも、消化器内科を選んだ理由の一つですね。知っている先生が同じ科にいるというのは、当時とても心強かったです。
最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

地域の方に安心して来ていただける存在であり続けることが目標です。2024年7月には安藤副院長が加わって二診制になったことで、より診療に厚みが増しました。患者さんの負担を減らすためにも、クリニックで診断できることは可能な限り対応したいですね。患者さんが年を取って動けなくなっても、責任を持って在宅で最期まで看取れるような信頼されるクリニックになれたらと思います。このエリアは新しい家が多いですが、地域にお住まいの皆さんと一緒に年を取っていければ、そんなうれしいことはありません。これからも、瑞穂市のシンボルである桜のように、地域に根差したホームドクターになるため、優しさといたわりの心を持って診療を続けていきます。まずは気軽にご来院ください。

