初診で今後の流れを丁寧に説明
患者の心に寄り添う歯科治療
たんぽぽ会歯科まきつか院
(堺市南区/泉ヶ丘駅)
最終更新日:2023/05/15
- 保険診療
歯科治療が怖い、痛いのが苦手と、大人になっても歯科受診から遠のいている人は少なくない。そうした患者に対して、どのような接遇や工夫で対処しているのか、初診からメンテナンスまでの流れを丁寧に説明してくれるのが「たんぽぽ会歯科 まきつか院」の佐伯和洋院長だ。一人ひとりの生活背景や考え方、性格などに配慮して、できる限り患者の希望に添った治療を提供するのが同院の基本コンセプト。「当たり前のように聞こえますが、それが必ずしも実現されていないことが歯科嫌いを生む原因となっています」と佐伯院長。実際に同院ではどのような流れで治療を進めているのか、その内容を詳しくレポートした。
(取材日2023年4月5日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q歯科治療が怖いと感じるのは、どのような理由からでしょうか?
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A
虫歯(う蝕)や歯周病に対して歯科治療でやることといえば、その筆頭は削るか抜くか。痛い、怖いと、つい避けたくなるのは当然です。中には診療台に座っているだけで苦痛を感じる方や、過去につらい思いをした体験から歯科に忌避感を抱いている方もおられるでしょう。当院でも痛みに配慮した治療の提供を前面に打ち出してはいますが、麻酔を用いたとしてもまったくの「無痛」というのは難しいのが現実です。苦痛というものは単純に体が感じる痛みだけでなく、接遇の雰囲気や音、閉鎖的な空間などの環境にも大きく左右されます。治療時の多少の痛みは避けられなくても、患者さんの緊張や不安を少しでも和らげる工夫が重要なポイントとなります。
- Q患者さんの不安を軽減するには、どのような工夫が必要ですか?
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A
不安や恐怖は往々にして、何をしているかわからない、次に何をするのかわからないといった説明不足が原因で起こります。そのため当院では常に患者さんの気持ちを察し、頻繁にお声がけをしたり、少し先のことまで説明をしたりといった工夫を積極的に行っています。治療に痛みが伴うと予想されれば局所麻酔を行いますが、それ自体に恐怖を感じる方もおられるため、注射に先立って表面麻酔を塗布したり、極細注射針を用いたりして痛みの軽減を図ります。こうした方法で不安や恐怖もかなり解消されるのではないかと考えます。あと、一回の診療時間は限られていますから、なるべく素早く処置をして患者さんを診療台から解放することを心がけています。
- Q保険診療と自由診療で治療の快適性に違いはありますか?
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A
保険診療と自費診療では材料や時間のかけ方などに違いがあると一般的に考えられていますが、それは制度的な決め事であって、診療自体に大きな違いはないと当院では考えています。保険診療だから手を抜く、自費診療だから本気で取り組むといったことは一切なく、どちらにも全力で取り組むのが大原則です。治療の精度や丁寧さはもちろん、患者さんへの向き合い方や安心への配慮に違いがあってはならないのです。苦手な歯科治療を我慢して受けたにもかかわらず、すぐに駄目になったり再発したりするようでは患者さんの苦労が報われません。そうならないためにも、保険診療であっても丁寧に行ってくれるかかりつけ歯科医院をぜひ見つけてください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1初診受付と問診票の記入
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受付を済ませたら、まずは問診票に基本情報と受診の目的を記入。主訴や現在の状況などに加え、初診の場合は特に、過去に受けた歯科治療の内容やその時の状況なども忘れずに書き入れること。さほど緊急性のないケースなら、どこまでやってほしいかという希望も併せて伝えるといい。問診票に書ききれないことがあっても、診療室でなるべく詳しく説明し、自分のことをよく理解してもらうことが快適な歯科受診へとつながるという。
- 2目視やエックス線撮影で口の中をチェック
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診療チェアでは一通りの問診の後、歯科医師が患者の口の中を目視にて確認。その後にエックス線撮影を行い、口の中の状態を精密に把握する。必要に応じて口腔内カメラで撮影し、その写真を見せながら説明をすることもあるという。時には自分では気づいていなかった部位の不具合が見つかることもあるため、主訴だけにとらわれず、トータルなイメージで今後の治療の流れを認識することが大切だ。
- 3現状の説明と治療方針の立案
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検査の結果をもとに、患部の状態や、どのような治療が必要となるかを歯科医師から説明される。治療の内容やスケジュールに疑問や違和感がある場合は遠慮なく申し出て、よく納得してから治療を受けることが重要。同院では患者との信頼関係を重視し、なるべく希望に沿えるよう心がけているという。治療時の痛みに対して不安があれば、ためらわずにしっかりと伝え、なるべく痛みの少ない方法を採択してもらうといいだろう。
- 4素早く丁寧な治療
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同院の基本となるのは保険診療だが、どのような治療にも手を抜かず、じっくり丁寧に行うのがポリシー。ただし患者の苦痛の軽減に配慮し、診療台ではなるべく短時間で適切な処置を行うよう心がけている。例えば小さな子どもの患者の場合、長時間にわたって口を開けているのは至難の業。限られた時間の中で手早く進め、声かけなどの配慮を忘れずにスムーズな治療へとつなげているという。
- 5定期的なメンテナンスを忘れずに
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治療が完了した後も、大切なのは定期的な歯科受診で良好な状態をキープしていくこと。再発してまたつらい思いを繰り返さないためにも、3ヵ月に1回を目安に歯科医院でメンテナンスを受けることが推奨される。「歯は全身の健康に直結します。ぜひ大切にしてほしい」と佐伯院長。歯科に任せきりにするのではなく、日々のブラッシングやケアを怠らないようにし、自分の口の中に対する意識をしっかりと保ち続けることが大切だ。