通院するのが難しいという人に
訪問歯科診療という選択肢を
小倉南歯科医院
(北九州市小倉南区/朽網駅)
最終更新日:2026/07/09
- 保険診療
加齢や病気、障害などによって歯科医院への通院が難しくなったとき、頼りになるのが訪問歯科診療だ。北九州市小倉南区の「医療法人社団秀和会 小倉南歯科医院」は、まだ訪問歯科診療を行う歯科医院が少なかった頃から、外来に通えない人のもとへ歯科医療を届けてきた。自宅や病院、高齢者施設などへ歯科医師や歯科衛生士が出向き、入れ歯の調整から虫歯の治療まで、外来に近い診療を提供している。口から食べることは生涯にわたる喜びであり、その土台となる口腔の健康を守ることは、誤嚥性肺炎などの予防にもつながる。同院は月曜から金曜まで訪問診療に出ており、地域にとって重要な役割を担う。今回の取材では、訪問歯科診療の詳細や流れ、同院ならではの取り組みについて、赤木郁生院長に聞いた。
(取材日2026年6月12日)
目次
通院が困難な人の自宅や施設へ出向き、外来に近い歯科診療と口腔ケアを届ける訪問歯科診療
- Qどのような人が訪問歯科診療の対象になりますか。
-
A
▲通院困難な人へ無料の搬送サービスを実施。車いすのまま乗車も可
病気や障害などによって歯科医院の外来に通院できない人が対象です。ご自宅で過ごされている人はもちろん、入院されている病院や、老人保健施設、特別養護老人ホームなどの施設で生活されている人も対象になります。また、一人暮らしで介助者がおらず歯科医院まで出向くのが難しいという人も含まれます。年齢や疾患を問わず、何らかの事情で通院が困難な状態にある人であれば、まずはご相談いただきたいと思います。通院が難しいからといって歯科診療を諦めるのではなく、その人のいる場所まで医療を届けることが訪問歯科診療の役割だと考えています。費用については健康保険や介護保険が適用されます。
- Q障害のある患者さんの訪問歯科診療についても教えてください。
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A
▲患者を家族のように思い、何ができるかを考えて行動している
訪問歯科診療では、寝たきりの状態にある人や、重い障害のある人への対応も行っています。障害のある人は、外来への通院そのものが大きな負担になることが少なくありません。そうした人のもとへ歯科医師や歯科衛生士が直接出向くことで、通院の負担をかけずに歯科診療や口腔ケアを受けていただけます。当院はもともと障害のある人の歯科診療に力を注いできた歯科医院ですので、その経験を訪問の場でも生かしています。ご本人やご家族の状況に合わせ、無理のない形で診療を進めることを重視。日常的な口腔ケアの方法についても、ご家族や施設のスタッフにお伝えしています。
- Q訪問歯科診療を受ける際の流れを教えてください。
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A
▲関係各所と連携し、家族にとっても無理のない訪問診療を調整する
まずはお電話で直接ご相談いただく形が基本です。病院や施設に入られている場合は、その施設のスタッフからご連絡をいただきます。多くの場合はケアマネジャーさんがついていらっしゃるので、必要な情報を共有していただきながら準備を進めます。歯科医師の時間が空いていれば、できる限り早く訪問できるよう日程を調整しています。ただ、訪問介護や訪問看護など他の介護サービスが入っていることも多いため、そうしたスケジュールとの兼ね合いを見ながら日程を合わせていきます。ご本人やご家族、施設の負担にならないよう、関わる人たちと連携しながら、無理のない訪問の段取りを整えていきます。
- Q具体的にどのような診療が受けられるのでしょうか。
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A
▲外来に近い診療を可能にする、機材を備えた訪問診療車
当院ではポータブルの歯科ユニットを持参しますので、保険診療の範囲であれば、外来で行う診療の多くを訪問先でも受けていただけます。入れ歯の調整や作製はもちろん、虫歯の治療や、根管治療といった歯の根の治療にも対応できます。歯の型採りを行うこともできますので、訪問先でも幅広い処置が可能です。もちろん、高度な治療や全身状態に注意が必要なケースなど、訪問先では安全面から行えない処置もあります。そうした場合は無理をせず、歯科医院での対応や入院しての治療をご提案します。その人の状態に合わせて、訪問先でできることとできないことを見極めながら、安全を最優先に進めています。
- Qこちらならではの訪問歯科の特徴を教えてください。
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A
▲日常生活にまで目を向け支える訪問歯科診療をめざしている
体制として、月曜から金曜まで毎日4〜5台の車で訪問に出ており、午前と午後の診療を行っています。それでもニーズはまだ多く、対応数をさらに増やせるよう、専門性を持つ歯科医師に加え、指導できる歯科医師も在籍して質の向上に努めています。また、診療している時間だけでは状態を把握しきれないため、介護施設で昼食を召し上がる様子を見に行き、のみ込みの状態を確認したり、介護施設内の会議に参加したりするようにしています。日々の状態をきちんと確認しながら関わることを大切にしているんです。治療を届けるだけでなく、その人の生活全体を支える視点を持って訪問歯科診療にあたっています。

