勝俣 弾 院長の独自取材記事
Smile Fit Dental Studio
(目黒区/祐天寺駅)
最終更新日:2025/03/10

祐天寺駅近くで、1986年より親子2代にわたって地域に根差した診療を続けてきた「勝俣歯科医院」は、2024年8月にめざす医院像を表現するために「Smile Fit Dental Studio」に改名。「明日の笑顔に」貢献するため、基本的な歯科治療から、その人に合わせたオーダーメイドの高度治療まで対応できるようにし、根本からの改善をめざしている。院長の勝俣弾先生は、医科歯科問わず幅広い分野について学び、インプラントや矯正を用いた噛み合わせ治療に精力的に取り組む。加えて、子どもの口腔機能の成長を促すためのMFT(口腔筋機能療法)に早くから注目し、同院オリジナルプログラム「ポカンとダイナソー」を作成。理想の医療を追求する勝俣院長に話を聞いた。
(取材日2024年9月6日)
新たな「Studio」で、根本的な歯科診療を
先生のご経歴や医院の理念を教えてください。

東京歯科大学を卒業後、東京都内や横浜市内の歯科医院で院長職も経験し、2019年に当院の副院長に就任しました。その際、院内環境や理念を時代に即したものにアップデートし、2022年に父から受け継ぎました。理念とする「明日の笑顔に」という言葉には、当院の診療を通じて自分らしい笑顔を手にしていただきたいという想いを込めました。そして2024年8月に、下の階にフロアを拡大し、理想の医療をめざして大幅なリニューアルを行いました。
新しい医院名への思いを教えてください。
「Smile Fit Dental Studio」という医院名には、患者さん、スタッフ、関わるすべての人が輝くスタジオのような、クリエーティブな場になりたいという想いが込められています。一人ひとりにFitした、カスタムメイドな治療を提案していきたいと思っています。加えて、これまで以上に全身の健康に目を向け、2階には大型モニターのある広いスペースを確保し、子どものMFT(口腔筋機能療法)のためのトレーニングの他に、患者さん向けの説明会、医療関係者向け、院内研修会などの勉強会も行っていきたいと考えています。近年、全身の健康を守る観点から口の健康の大切さが注目され、医科と歯科の連携も強化されつつあります。治療や定期検診にとどまらず広く健康をサポートできる存在でありたいです。
設備と併せて体制も強化されたとか。

今回、フロアの拡大に伴ってスタッフも増員し、これまで以上に幅広い診療が可能となりました。MFTなどのトレーニングの指導役は歯科衛生士をはじめとしたスタッフが中心になって担ってくれています。診療はスタッフ全員が気持ちを合わせて行わないと難しいチーム作業です。当院の理念はメンバー全員で定めたものですから、各自が自分事として捉え、それによって組織自体が強くなっていると感じています。さらに、オペレーションの向上をめざして院内のDX化も積極的に推進。患者さんへの説明や予約受付がよりスムーズになりました。
カスタムメイドな根本治療で、未来の健康な歯を追求
診療のテーマをお聞かせください。

「治療から予防へ」をテーマとしています。これは単に「定期通院してメンテナンスを」という水準にとどまらず、「虫歯や歯周病などの病気になぜなったのかの根本の原因を探り、歯科だけでなく医科の知識も駆使してアプローチする」ということです。なぜ病気になるのか、再発を繰り返すのかを探ると、噛み合わせに問題が見つかることがあります。一歩進んで、噛み合わせの問題の背景を調べると、口周りの筋肉や舌の位置、呼吸の仕方などが深く関与している場合もあるのです。また、噛み合わせが前後・左右にずれているなどの理由から、顎の位置が適切でない方もかなりいらっしゃいますね。これらの事情を踏まえ、当院では根本からの改善をめざした総合歯科治療を提案しています。また、子ども向けの改善策の一つとして、健全な咬合育成を図るオリジナルプログラム「ポカンとダイナソー」を作りました。
根本からの治療について詳しく教えてください。
噛み合わせに問題のある方には、噛み合わせの治療をご提案します。今起きている症状だけを見た局所的な治療では、長期的に見たときにトラブルの再発を招き、全体の噛み合わせが崩れてしまうリスクがあります。そうなるのを防ぎ、未来の歯をサポートするために、専用の検査機器や矯正などさまざまな治療法を組み合わせて、その人に合わせた治療計画を立てていきます。
適切な噛み合わせを作っていくことが大切なのですね。

虫歯や歯周病のほか、かぶせ物や入れ歯がよく壊れるなど、口の中のトラブルを繰り返す背景には噛み合わせの不具合や、それに伴う顎のずれがある可能性があります。心当たりのある方はまず、噛み合わせの状態を歯科医院で確認したほうがいいでしょう。当院では顎の噛み合わせや動きを評価する検査装置を導入していますので、検査結果を参考に望ましい顎の位置を割り出しています。例えば、歯を失ってしまった方にインプラントを入れるにしても、噛み合わせがずれたままだと、十分に機能を発揮できないことが考えられます。その場合は、まずは噛み合わせの調整を行い、その後にインプラント治療を行うことも、一つの選択肢としてご提案しています。矯正が必要な方には、見た目の美しさと、機能面で理想的な顎の位置の両方を確認しながら、なるべく非抜歯で行えるよう計画を立てていきます。
呼吸法や食育など、医科歯科問わず多分野の扉をたたく
子どものMFTのオリジナルプログラムである「ポカンとダイナソー」について教えてください。

MFTとは、舌・唇・頬など口周りの筋肉の発達を促し、機能改善や正常な口腔機能の獲得をめざします。成長につれて歯並びが悪くなってしまう要因として、舌の位置や全身の姿勢、口がいつも開いているなどの習慣が関係している場合があります。いわゆる口呼吸もその一つで、当院では正しい呼吸法の指導も行っています。そのような根本の原因を改善し、歯列にかかる力のバランスを整えることで、歯を正しい位置に導くことにつながっていくと考えられているのです。ですが、お子さん自身がやる気になって自ら筋肉を動かし、鍛えていかないと、望む結果は得られません。そのために、保護者の方のサポートも重要です。当院ではオリジナルの恐竜のキャラクターを制作して、「ポカンとダイナソー」というMFTのオリジナルプログラムを作りました。一つ一つトレーニングをゲームのように見立て、子どもたちが達成感を感じつつ前向きに取り組めればと思っています。
「歯並びが悪いなら矯正」とは限らないのですね。
そのとおりです。MFTが一般的な矯正と異なるのは、装置だけに頼らないところ。むしろ子ども自身で行っていただく自主トレーニングが重要です。私は以前よりMFTに注目していて、その道の先駆的存在の先生のもとで知識や技術を習得してきました。当院で実践するにあたって、私自身も日々アップデートを続け、現在の形にたどり着きました。保護者の皆さまのご協力もお願いしつつ、子ども自身が「やりたい」「やり続けたい」と思えるよう全力でサポートしています。
今後の展望をお聞かせください。

インプラントも矯正も、口腔内を良い状態にするための手段に過ぎません。それらを活用しながら良い噛み合わせをめざすことで、根本的な予防につなげるというスタンスを今後も重視したいと考えています。また、口腔内の問題は口呼吸が原因である場合も多いため、今まで得た知見をもとに呼吸法の助言に力を入れていきたいとも考えています。これまでも医科歯科問わず多分野の扉をたたいてきましたが、これからは食育についても力を入れていきたいと思っています。歯並びが悪くなったり、口腔トラブルが起こってから対処するよりも、まだ小さなうちからMFTなどで理想的な噛み合わせへと導いていくほうが、経済的にも、身体全体の健康面でも良いです。子どもの歯並びに関心を持つ親御さんは多いので、広いスペースを活用して子どもの歯並び相談会や食育イベントなどを開催していきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本53万円~、子ども向けのMFTプログラム:46万2000円~、ワイヤー矯正/121万円~、セラミックインレー/7万4250円~、セラミッククラウン/12万1000円~