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渡辺 敏彦 院長の独自取材記事

医療法人康雅会 わたなべクリニック

(大阪市城東区/関目高殿駅)

最終更新日:2021/10/12

渡辺敏彦院長 医療法人康雅会 わたなべクリニック main

大阪市営地下鉄谷町線・関目高殿駅の3番出口を出てすぐの場所にある「医療法人康雅会 わたなべクリニック」では、鎮静剤を用いた内視鏡検査や、潰瘍性大腸炎、クローン病などの難病治療に注力している。院長である渡辺敏彦先生は、大学病院で23年間消化器疾患全般の診療に携わり、現在も数多くの内視鏡検査を手がける経験豊富な医師だ。医師の技量が患者の苦痛の有無を大きく左右する内視鏡検査を受けるにあたり、渡辺先生の確かな技術と、穏やかで優しい人柄を頼ってクリニックを訪れる患者は多い。なぜ苦痛の少ない内視鏡検査が必要なのか、患者は自分の病気とどのように向き合っていくべきなのか、渡辺先生の想いを詳しく聞いた。

(取材日2017年5月31日)

鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査

なぜ城東区で開業を?

渡辺敏彦院長 医療法人康雅会 わたなべクリニック1

大学病院での勤務に体力的な限界を感じて開業を考え始め、一年くらいたった頃、知人から、「城東区でクリニックビルができるから、そこに入らないか」という紹介を受け、ここで開業するに至りました。クリニックビルという名の通り、当院が入っているビルにはクリニックがとても多く、隣が歯科医院と整骨院、向かいが眼科医院です。実際に開業してみたこの街の印象としては、やはり大阪市で最も人口密度が高いと言われるだけあって、人が多いですね。自宅からは少し遠くて、電車とバスを乗り継いで1時間半ほどかけて通っています。毎朝7時半頃に関目高殿の駅に着いて、向かいのビルのご飯屋さんで朝ご飯を食べるのが日課です。

特に注力している治療や検査について教えてください。

内視鏡での胃、大腸の検査に注力しています。私自身、胃の内視鏡検査は毎年受けていますが、鎮静剤を使わない内視鏡検査は、つらいです(笑)。内視鏡検査というのは、一生に一回受ければそれで良いという検査ではなく、定期的に受けるべき検査。なのに、その検査が痛かったり苦しかったりすると、誰も受けなくなりますよね。実際、「検査を受けなくてはならない」と思いつつも二の足を踏んでいる内視鏡難民は多いです。そうした人々をなんとかしたいという想いから、当院は鎮静剤を用いた検査をしています。鎮静剤を用いた検査なら、寝ている間に検査が終わっているので、とても楽なんですよ。そして、一度検査を受けて苦痛が少ないと実感できれば、患者さんも抵抗なく定期的に検査を受けることができますよね。

施設・設備・内装などで、特にこだわった部分はありますか?

渡辺敏彦院長 医療法人康雅会 わたなべクリニック2

内装には私はほぼ口出ししていません。設計士さんにほとんどお任せしました。なぜなら、開業準備のための時間があまりに少なかったためです。私が大学病院を辞めたのが2004年7月31日、そして同年9月1日にはここを開業したので。開業したばかりの時はそれほど患者さんも来ませんから、実際にここでクリニックを始めてから、足りないものは徐々に買い足していった感じです。ただ、内視鏡などの医療機器については、こだわりました。当院で使用している内視鏡は日本の光学機器・電子機器メーカーのもので、大学病院でも使っていたものです。いろいろなメーカーから内視鏡は販売されていて、違いは操作性や持ちやすさなど、ちょっとしたことなのですが、そのちょっとした差異で手への負担が大きく変わるんです。やはり、毎日使うならストレスの少ない機器が必要ですから。

経験と技術を生かした誠実な診療

患者層や主訴に何か特徴はありますか?

渡辺敏彦院長 医療法人康雅会 わたなべクリニック3

内視鏡検査を受けに来る患者さんが多いので、主訴もそれに応じたものが多いですね。胃のむかつきや痛み、あるいは血便が出たなど。他院からの紹介でこられる方も多いです。インターネットを見て富田林から来院された患者さんや、京都から来られる患者さんもおられます。あとは、高血圧や糖尿病、高脂血症といった一般的な生活習慣病の治療で通院する患者さんや、特定難病疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)の患者さんも多いです。潰瘍性大腸炎などは出血があるので、みんな比較的早く受診するのですが、クローン病は患者層が若いこともあり、下痢や発熱などの症状があっても、なかなか受診されません。大幅な体重減少などがあってやっと受診するというケースが多いのですが、そうなるとかなり病状が進んだ状態です。

診療方針や、診療の際に心がけていることはありますか?

誠実にやる、という一点です。私はそれほど口数が多いほうでもありませんし、患者さんに届けられるのは、自分がこれまで培ってきた技術や経験だけ。それを生かし、患者さんに苦痛の少ない検査を受けてもらうということを大事にしています。内視鏡検査は医師の得意、不得意が如実に表れる検査で、特に大腸内視鏡検査の場合はそれが顕著なんです。先生が不得意だと、鎮静剤を使っていても意識のない患者さんが、もがいたり叫んだりすることもあります。上達するには、誠実に経験を積んでいくしかありません。

患者との最も印象深いエピソードなどがあればお聞かせください。

渡辺敏彦院長 医療法人康雅会 わたなべクリニック4

私がまだ研修医だった頃、ほぼ3ヵ月ごとに入退院を繰り返す潰瘍性大腸炎の患者さんがいました。病気のせいで高校にもきちんと通えない、とても気の毒な患者さんで、当時の私はその人を何とかしてあげたいと、必死で治療法を探しました。まだインターネットなどもない時代でしたから、図書館にこもって「ああでもない、こうでもない」といろいろ調べたものです。そして、やっとアメリカで提唱されていた治療法にたどり着き、それを患者さんに試した結果、それ以降、その人が入院することはなくなりました。あの時はただ患者さんを助けることに夢中で、自分が将来、内視鏡の道に進むとは考えていませんでしたが、今にして思うと、あの患者さんとの出会いが、私が今の道に進んだきっかけだったのかもしれません。

その場しのぎの対処ではなく、生活習慣から改善を

医師をめざしたきっかけを教えてください。

渡辺敏彦院長 医療法人康雅会 わたなべクリニック5

小学校4年生の時、交通事故に遭って1ヵ月間意識不明になったことがありました。その頃の日本は、まだ脳神経外科というものが確立されていない時代でしたし、CTもありません。頭の中を調べるには、脳波の状態を見るくらいしか手段がなかったんです。そんな中、救急搬送された私は、2件の病院で受け入れを拒否されました。しかし3件目でやっと受け入れてもらうことができ、一ヵ月の昏睡状態を経て、運よく助かったのです。そこで私を担当してくれた医師が、なんだかとても安心感のある先生で、その先生を見て「将来医師になるのも良いな」と思ったのが、私が医師をめざしたきっかけでした。

休日の過ごし方を教えてください。

休診日はありますが、書類仕事でつぶれてしまうことが多いですね。ひたすら仕事仕事でやってきたので、趣味も特にありませんし……。唯一楽しみと言えば、毎日の晩酌くらいでしょうか。日本酒が好きで、百貨店へよく買いに行きます。週替わりで3~4つ酒造メーカーさんが来ていて、いろいろ試飲させてもらえるんですよ。その中で気に入ったものを購入して飲んでいます。いろんな蔵元さんのおいしいお酒が楽しめるのが良いですね。

読者に向けて、メッセージ、アドバイスをお願いします。

渡辺敏彦院長 医療法人康雅会 わたなべクリニック6

胃腸を健康に保つには、早く寝ることをお勧めします。胃腸の悪い人は夜更かしをしている人が多い。遅くまで起きているとそれだけで胃腸は凄く疲れるんです。私自身、新人の頃は仕事が忙しく夜中の1時2時まで起きていましたが、そんな生活をしていた当時は、朝起きると胃が重く、なかなか朝食が食べられませんでした。しかし早寝早起きの生活に切り替えてからは朝食も食べられるようになり、胃腸の調子もかなり整いました。夜きちんと眠るだけで過敏性腸症候群が改善された例もあります。最近は、生活習慣に起因する病気なのに、生活習慣そのものを見直すことなく、薬に頼りきってしまう患者さんが多いのが気がかりです。薬を使って一時的に症状が改善しても、暴飲暴食などの生活習慣が治らない限り、それは根本的な解決にはなりません。まず生活習慣から改善し、薬はそれから、というのが本来のあり方だということを忘れずにいていただきたいと思います。

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