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桑原 三華 院長の独自取材記事

クリスタルファミリークリニック

(東海市/太田川駅)

最終更新日:2020/04/01

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歯科、薬局などが入る「クリスタルケアヴィレッジ」。そこにある「クリスタルファミリークリニック」の院長・桑原三華先生は、ホームドクターとしての熱い情熱を胸に、日々地域の人たちと向き合い、心を込めて診療している。小児科に来る子どもたちの待合と一般待合とを分け、椅子の配置などにも一つひとつ意味を込め「こだわっていないところはない」と言い切る三華先生。知多の青い海のように包容力のある人気のドクターに、天職である町のかかりつけ医としてのやりがいや、母として医師としてエネルギッシュに奮闘する日々について語ってもらった。
(取材日2017年6月9日)

患者の生活背景を踏まえて助言する「町医者」に憧れて

先生はなぜ医師になったのですか?

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小学生のときには「私、将来は医者になる!」と宣言していました。「夢が大きくていいねえ」と本気にしてくれる人は少なかったのですが、その思いを胸に秘め学生時代を過ごしました。当時は外科医になりたくて、というのも私は最初から「町医者」をめざしていたので、博学で何でも行えて町医者としても活躍できる外科医は憧れの存在だったのです。私が医学部に入った頃、女性はまだ歓迎されない時代でした。だから根回し的に外科の医局に出入りさせてもらい、ようやく認めていただくまでこぎつけたのですが、卒業していざ入局となった際に気が変わりました。医療が細分化され、外科は手術が主という時代になっていたのです。そして将来なりたい町のかかりつけ医になるには内科に進んだほうが良いという結論に達しました。

「町医者」のどんなところに憧れを?

例えば、小さな子が通っていて、そのおじいさんの代から知っているので「あなたのおうちは心臓が強くない家系だから気を付けないとね」という話ができるような一家のかかりつけ医に憧れていたんです。また大学病院時代、比較的入院生活の長い患者さんが多い血液内科に所属しており、夜、家族にも会えなくて寂しい患者さんのもとで、翌日の検査に対する不安な思いを聞きながら一緒に過ごすこともありました。私にはそういう時間がとても大切に思えたんです。こういう時間をもっと持ちたい、特別な病気の人だけではなく普通に暮らしている人たちにも、もっと生きやすく、もっと働きやすく過ごせるようなアドバイスをしたいと思ったのです。そうして「先生、手が冷えるんだわ」と言われたら、いつどんな状況で冷えるのか、患者さんの生活背景に踏み込んで助言できるような医療をめざしました。

こちらを開業するまでの経緯を教えていただけますか?

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私はもともと東海市の出身で、地元で開業したいと思っていました。最初からここで一次医療が完結するような医療ビレッジを考えていたので、このビルを建てたんです。実際、ここに入ってくれた方たちと連携し、例えば歯科の患者さんに何かあればすぐに当院で検査したり処置したりしています。医療ビレッジの運営とクリニックのマネジメント業務はすべて事務長である夫が担ってくれています。おかげで私は、目の前の患者さんや医療だけを見つめ、想いをカタチにすることができています。

プロとしての「見立て」を大切に

先生はとても勉強熱心だと伺いました。

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医療は日々進化し、ガイドラインも変わります。大学病院にいれば常に先端医療にふれ、新しい情報も入ってきますが、そういった場から離れると自ら求めなければ自分の中の情報も更新されません。患者さんに適切な選択肢を提示するには最新の知識が必要ですから、学会や勉強会に参加して常に知識を更新するよう努めています。また、ここではできない治療や検査は病院紹介となりますが、紹介先にもこだわっています。この病気なら大学病院のほうがいい、この治療法ならあの病院が得意としている、などの情報も各病院から送られてくる資料にきっちり目を通して、頭の中にデータベース化しています。当然だと思っていますが、とても大切なことです。

他に診療上、大切にしていることはありますか?

「見立て」です。患者さんから症状の訴えがあった場合、検査も状況に合わせて組んでいきますが、その前に患者さんのしぐさや、どこがどんなときに痛いという話を注意深く聞いていくと、かなり疾患も絞られてくるものです。CTや超音波といった画像診断は大きな威力を発揮しますが、やはり見る・聴く・触れるといった従来からの診察は大事ですね。毎日診療をすればするほど、聴診器で音を聴いたり触診したりすることの大切さを実感します。そこから、血液検査やCT検査を依頼する段階で仮説を立てるのですが、当初の見立て通りであることが多いので、患者さんの負担減にもなっています。

「見立て」という点で、印象的な出来事はありますか?

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細かい症状に合わせてどの薬を選ぶかというさじ加減がとても大切です。同じような症状でも、ある薬が効く人と効かない人がいますから、薬を出す際には、その後の症状の変化を予測し、ご自宅での経過の見方まで指導するようにして、次はいつ来てくださいねとお伝えしています。ある30代の男性患者さんには「おなかが痛い」という主訴に対して、その方に合わせていくつかのお薬を調整したのですが、症状が改善しませんでした。どうもおかしいので大学病院に紹介したところ、非常にまれな悪性腫瘍が見つかったのです。患者さんの主訴に真摯に向き合って、プロとして「変だな」と思うことを見過ごさなかったことで、10年に1人いるかどうかという珍しい病気も見つかりました。

さまざまな経験が血となり肉となった

そんな「見立て」を可能にしたのは、やはり豊富な経験でしょうか。

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大学病院時代、私はわりと器用と言われるほうで、胃カメラや超音波だけでなく胃透視や注腸検査もでき、皮膚や骨も診ました。会話のなかで患者さんから必要な情報を引き出せるコミュニケーション力も評価いただき、患者さんをまるっと診療する力が必要な病院やさまざまな医療現場に派遣されました。検査設備も十分でないところで医療を行っていたときには「診る目」が鍛えられましたね。老人病院にいたときは担当患者さんが100人、さらに3つの特別養護老人ホームの配置医も兼務していましたので、ご高齢者の病気もあらゆるものを診る機会に恵まれました。透析病院での腎不全の方への処方など、患者さんごとの疾患を考慮して適切な投薬ができるようになったのも、内科の中でも細分化された領域を超えて経験を積んできた結果です。どの経験も現在に生かしています。

お子さんを持ったことも、大きな自信につながったようですね。

そうですね。開業にあたり、女性医師に求められているものは何だろう、と考えたときに、やはり子どもを診てくれることだと思いました。自分も子どもを産んだばかりで、小児科には力を入れたいなと。ただ、小児科を専攻していたわけではないので、中途半端な知識でやるのは良くないと思い、開業準備中に大学の小児科で若い研修医たちと一緒に研修させてもらいました。そうして自信を付けましたね。ときどき「小児科は大変でしょう!」と医師仲間に言われることもあるのですが、子どもたちに元気づけられることがたくさんあります。来てくれる子どもたちがみんなかわいくて、かわいくて! 自分の子どものように愛しく思いながら診察しています。

お忙しいなか、お子さんと過ごす時間はありますか?

15歳の男の子と10歳の女の子がいるのですが、親が働いているからと子どもに不利益があるのは嫌なので「ママが帰ってきたら家にいる時間は全部あなたたちのものだからね」と言っています。よく「自分の時間は?」と聞かれますが、診療している時間はすべて自分の時間。診療に打ち込んでいます。本当に自分のやりたいことをやらせてもらってありがたいですね。

今後力を入れていきたいことは何ですか?

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日常で困っていることを、病気になる前から相談してもらえるような雰囲気をつくっていきたいです。昔なら身近に相談できる人がいましたが、今はなかなか話せる人がいない。そんなとき「三華先生に聞いてみよう!」と来てもらえたらうれしいです。また患者さんお一人お一人の診療時間をできるだけとっており、どうしてもお待たせすることもあるので、予約システムを導入しました。残念ながら時間はお約束できませんが、順番をホームページから予約いただき、順番が近くなったら来てくださいね、という具合にしています。これからも皆さんにとってより便利になるよう、そしてより親しまれる「町のかかりつけ医」をめざして、子どもの頃からの思いを胸に頑張っていきます。

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