不快ないびきや睡眠障害は
「鼻呼吸」の改善を図り根本治療へ
細田耳鼻科 EAR CLINIC
(豊中市/豊中駅)
最終更新日:2026/03/13
- 保険診療
睡眠中の酷いいびきや、睡眠障害による日中の眠気や倦怠感に悩む人が多い睡眠時無呼吸症候群。脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる病気の発症リスクが高まるほか、糖尿病や高血圧症をはじめとする生活習慣病の悪化にもつながるとされ、決して軽視できない病気だ。舌が喉に落ち込んで気道をふさぎ、呼吸しづらくなることが主な原因のため、治療は気道を広げる機械を使うCPAP(持続陽圧呼吸療法)が主流だが、「細田耳鼻科 EAR CLINIC」の細田泰男院長は「広く知られていませんが、『鼻呼吸で眠れているか』も重要な着眼点。そのため、夜間の鼻詰まりの解消が根本治療の第一歩と考えます」と指摘する。耳鼻咽喉科医師の立場から、いびき・無呼吸と鼻呼吸の関係性、そして睡眠時無呼吸症候群への根本的アプローチについて解説してもらった。
(取材日2021年3月16日/情報更新日2026年2月27日)
目次
いびきや睡眠障害の悩みは、鼻詰まりの改善が根本的治療への第一歩になることも
- Qなぜ鼻呼吸ができることが重要なのでしょうか?
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A
▲睡眠時無呼吸症候群について詳しく解説してくれる細田院長
鼻は嗅覚以外にも、「天然の高性能マスク」としての機能があり、それが睡眠の質や健康に大きく関わるからです。1つは細菌やウイルスの侵入を防ぐ「フィルター機能」。加えて、冷たい外気から喉・気管・肺を守る「加温・加湿機能」と、頭蓋骨に空気を流して脳をクールダウンさせる「脳の冷却機能」を備えています。中でも3つ目の「脳の冷却機能」には、酷使されて熱が籠った自律神経中枢を冷やして深い眠りを促したり、集中力を高めたりする働きがあります。こうした機能が正常に働き、鼻呼吸ですやすやと眠る人に、いびきをかく人や無呼吸になる人はほぼいません。ですので、治療で初めに達成すべきことは、鼻呼吸での睡眠であると考えます。
- Q鼻詰まりで鼻呼吸ができないとどんな影響がありますか?
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A
▲患者の声を聴き、状態に合わせた治療を提供してくれる
鼻が詰まり、口呼吸になるのが問題です。鼻のマスク機能が働かなくなり、喉が渇いて痛みやすい、脳をうまく冷やせずに集中力低下を招くなどの弊害が生じ、夜間にはいびきをかく、睡眠が浅くなる人もいます。なぜ口呼吸でいびきをかくのかというと、喉の構造上、口を開けると上気道開大筋という喉を広げる筋肉が弛緩し、舌が後方に落ち込んで上気道が狭まるためです。肥満などで舌根が大きいと、喉がふさがり無呼吸になる場合も。試すとわかりますが、多くの人が口を開けていびきを真似るのは簡単なのに、口を閉じてやると難しいんです。喉の構造を踏まえても、口呼吸になる鼻詰まりは、いびきや無呼吸の根本原因の一つと言えるでしょう。
- Q御院での睡眠時無呼吸症候群の治療について教えてください。
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A
▲まずは鼻を通すことが最優先だという
耳鼻咽喉科の医師として、鼻詰まりによる口呼吸の改善が第一であると考えて、鼻詰まりがあればその治療から始めます。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の方は自覚がありますが、注意したいのは「隠れ鼻詰まり」。夜間横になり、心臓への血液の環流が低下し、副交感神経が優位になってリラックス状態になると、鼻腔の粘膜は腫脹します。人によってはこうして睡眠中だけ鼻が詰まり、自覚がなく口呼吸になる場合があります。アレルギーなどによる鼻詰まりは多くの場合薬物治療が有用ですが、鼻中隔弯曲症など鼻腔の構造に問題があれば副鼻腔手術が検討されます。鼻詰まりの治療の後は、第二段階としてしっかりと口を閉じた鼻呼吸への移行をめざします。
- Qしっかりと口を閉じた鼻呼吸とはどんな状態でしょうか?
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A
▲原因をきちんと確認した上で行われる日帰り手術
単に唇を閉じるのではなく、上下の歯を噛み合わせて口を閉じるのが大切です。すると上気道開大筋が十分に働き、舌が前方に移動し、舌の先端が前歯の裏に付着します。こうして上気道が広がり鼻が通れば口が閉じる、口が閉じれば喉の奥が開く。この連携を図ることが快適な睡眠に必要です。鼻詰まりの治療で必ずしもいびきや無呼吸が解消されるわけではありませんが、少なくとも鼻詰まりが原因なら症状軽減が見込め、うまくいけばCPAPに頼らずとも睡眠中の呼吸状態の安定が望めます。根本的解決に向けた一つの可能性として、口呼吸から鼻呼吸へ改善を図るというアプローチにも目を向けてほしいですね。
- Q鼻が通ってもいびきや無呼吸が解消しない場合の選択肢は?
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A
▲睡眠時無呼吸症候群で悩む人は、まずは耳鼻咽喉科へ
鼻が通っても長年の口呼吸の癖が治らない人もいるので、その場合は口閉じテープや顎サポーターが役立つでしょう。また、喉にぶら下がる軟口蓋が大きくて物理的に喉が狭まる人には、睡眠中に鼻にチューブを通して呼吸を補助する方法もあります。肥満で舌根が大きい人は、舌の筋力トレーニングが第一選択です。当院では、歯科と連携した口腔筋機能療法や、気道のスペース確保を図る睡眠用マウスピースの作製も可能です。そして、最終手段がCPAP。重度の無呼吸にも対応できる治療ですが、毎晩の機械の着用に挫折する人も少なくありません。耳鼻咽喉科の医師としては、鼻詰まりの治療も含め、そこに至るまでに他のアプローチも検討したいですね。

