花粉症や食物アレルギー
アレルギー症状を緻密に分析
おながわ小児科アレルギー科クリニック
(福岡市西区/橋本駅)
最終更新日:2026/04/20
- 保険診療
アレルギーと言っても、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症、じんましんなど症状や重症度は一人ひとり異なる。治療、そして予防で大切なのは、アレルギーを引き起こす原因を明らかにすること。女川裕司先生が院長を務める「おながわ小児科アレルギー科クリニック」では、プリックテストといった皮膚アレルギー検査や血液検査を適切に行い、年齢、環境因子などの因果関係を解き明かすことで、早期治療、長期的な予防を行っている。「今年の結果をベースに来年の生活を考えれば、アレルギーを理由にスポーツや学校行事を諦めなくて良いんですよ」と院長は言葉に力を込める。「親御さんが主治医になり、私たちがそのサポート役になることが理想です」と語る院長に、アレルギー疾患の診療方針などについて話を聞いた。
(取材日2026年4月7日)
目次
アレルギーの因果関係を明らかにし、一人ひとりの症状に合わせ将来を見据えた治療を実施
- Qアレルギー疾患に対するクリニックの診療方針について伺います。
-
A
▲疾患ごとにスタッフ手作りの資料がある
アレルギー治療の目的は早めの無症状化です。患者さんに応じた長期的な治療方針を一緒につくっていきます。最終的には本人や保護者が主治医になることが理想です。例えば患者さん方が生活の中で積極的に食事の摂取方法などを工夫できるように治療の段階から丁寧な説明をしています。その中でも大切なことは、完璧を求めすぎないことです。完璧を求めすぎると、症状が出た際に「どうして症状が出てしまったのだろう」とご自身やお子さんを責めてしまうことにもなりかねません。しっかり治療と向き合いながらも、ある程度寛容になることが、長期的な治療には大切です。その失敗を含めた経験を共有し、サポートすることが私の役目だと思っています。
- Qアレルギー検査にはどのようなものがありますか?
-
A
▲アレルギー検査について説明する女川院長
検査結果は、予防と治療のために必要な情報源です。アレルゲン検査には、血液と皮膚を用いるタイプがありますが、主として前者の血液検査を行っています。当院では2023年1月から12月までに1200件ほどの検査を実施しました。1回に13項目のアレルゲンが保険診療で調べられますので、一人ひとりに合った組み合わせを提案します。大切なのは、検査結果とそのアレルゲンによる因果関係を検討することです。長年の経験からあくまで結果を参考にしてアレルギーの治療を進めています。検査は生後5ヵ月から受けられますし、アレルギー疾患の診療にはかなり有益だと思われますので、まず検査を受けていただくようお勧めしています。
- Q今年のスギ花粉症の傾向について教えてください。
-
A
▲診察室の壁には薬が掲示されており、それを用いて説明してくれる
今年のスギ花粉症は、飛散量が去年の40%減と予想されていましたが、大量飛散のピーク時だけは重症化し、特に目の症状が強く見られたのが印象的でした。ただ、当院で勧める例年の症状が出る2週間前からの予防投薬や舌下免疫療法がかなり有用と考えられますので、来年の治療につなげていきたいと考えています。また、今年も花粉症の疑いのある方が多数見られました。特に低年齢で目の症状が乏しい場合は、抗体が一番上昇している4〜5月の検査を勧めています。来年からの治療のためにも、確定診断をされることをお勧めします。今年の舌下免疫療法のスタートは、当院では5月からになります。
- Qスギ花粉の舌下免疫療法とはどのような治療ですか?
-
A
▲診察室の壁に並ぶ薬や絵を用いて説明してくれる女川院長
舌下免疫療法は、体にアレルゲンを慣らすよう図ることで症状を和らげていくための治療法で、根本的な体質改善をめざす治療といえます。長期間の治療が必要で3年以上、できれば5年間の継続が推奨されています。5歳以上が対象で、舌の下に錠剤を置き、飲み込むのを1分間我慢した後、唾液と一緒に飲み込み服用します。最初の1錠はクリニックで服用し、経過を見て増量します。治療開始後1ヵ月半たつまで、喉のかゆみや口の異物感などを感じる方もいますが、重篤な副作用はまれです。すべての人に同じように作用するわけではありませんが、80〜90%の方に有用とされています。私のこれまでの経験から、お勧めしたい治療法だと考えています。
- Qアレルギー疾患として多い喘息の治療について教えてください。
-
A
▲受診時にたくさんの情報を持ってきてほしいと語る女川院長
喘息症状には、その本態である慢性の持続性炎症の治療と重症度に合った薬の処方で発作をコントロールすることが重要です。具体的には、本人に合う抗ロイコトリエンなどのアレルギー薬、ステロイド薬などの抗炎症剤と、交感神経刺激剤などを用いて日常生活に支障と制限を来さないことを目標にします。そのためには、なるべく初期治療で発作を消失させることが大切です。喘息の寛解、つまり発作がない安定した状態を保つには、無症状期間をいかに長くするのかが鍵を握ります。早めの受診で重症度と発作の原因を常に分析していき、発作を起こさないようにしていくこと。また、起きても軽い発作で済むよう、薬の取り置きも必要になります。

