アトピー性鼻炎や食物アレルギー
アレルギー症状を緻密に分析
おながわ小児科アレルギー科クリニック
(福岡市西区/橋本駅)
最終更新日:2026/02/10
- 保険診療
アレルギーと言っても、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症、じんましんなど症状や重症度は一人ひとり異なる。治療、そして予防で大切なのは、アレルギーを引き起こす原因を明らかにすること。女川裕司先生が院長を務める「おながわ小児科アレルギー科クリニック」では、プリックテストといった皮膚アレルギー検査や血液検査を適切に行い、年齢、環境因子などの因果関係を解き明かすことで、早期治療、長期的な予防を行っている。「今年の結果をベースに来年の生活を考えれば、アレルギーを理由にスポーツや学校行事を諦めなくて良いんですよ」と院長は言葉に力を込める。「親御さんが主治医になり、私たちがそのサポート役になることが理想です」と語る院長に、アレルギー疾患の診療方針などについて話を聞いた。
(取材日2026年2月2日)
目次
アレルギーの因果関係を明らかにし、一人ひとりの症状に合わせ将来を見据えた治療を実施
- Qアレルギー疾患に対するクリニックの診療方針について伺います。
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A
▲疾患ごとにスタッフ手作りの資料がある
アレルギー治療の目的は早めの無症状化です。患者さんに応じた長期的な治療方針を一緒につくっていきます。最終的には本人や保護者が主治医になることが理想です。例えば患者さん方が生活の中で積極的に食事の摂取方法などを工夫できるように治療の段階から丁寧な説明をしています。その中でも大切なことは、完璧を求めすぎないことです。完璧を求めすぎると、症状が出た際に「どうして症状が出てしまったのだろう」とご自身やお子さんを責めてしまうことにもなりかねません。しっかり治療と向き合いながらも、ある程度寛容になることが、長期的な治療には大切です。その失敗を含めた経験を共有し、サポートすることが私の役目だと思っています。
- Qアレルギー検査にはどのようなものがありますか?
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A
▲アレルギー検査について説明する女川院長
検査結果は、予防と治療のために必要な情報源です。アレルゲン検査には、血液と皮膚を用いるタイプがありますが、主として前者の血液検査を行っています。当院では2023年1月から12月までに1200件ほどの検査を実施しました。1回に13項目のアレルゲンが保険診療で調べられますので、一人ひとりに合った組み合わせを提案します。大切なのは、検査結果とそのアレルゲンによる因果関係を検討することです。長年の経験からあくまで結果を参考にしてアレルギーの治療を進めています。検査は生後5ヵ月から受けられますし、アレルギー疾患の診療にはかなり有益だと思われますので、まず検査を受けていただくようお勧めしています。
- Qアレルギー疾患を予防するにはどうすればいいですか?
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A
▲診察室の壁には薬が掲示されており、それを用いて説明してくれる
以前は食物、特に卵白の除去が予防になるとの考えがありましたが、最近は保湿や皮膚の炎症の抑制を図り、皮膚からアレルゲンが体内に侵入するのを防ぐことが大切だと考えられています。皮膚状態とバランスの良い食事が予防のポイントです。また、患者さんの体質やライフスタイルによっては、ダニアレルギーに移行し、喘息やアレルギー性鼻炎を発症する可能性があり、環境整備と抗アレルギー薬が予防になります。そのほか、保湿や腸内環境の改善でアトピー性皮膚炎を予防できないかという観点での研究も進んでいます。
- Qアレルギー性鼻炎と花粉症の治療のポイントを教えてください。
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A
▲診察室の壁に並ぶ薬や絵を用いて説明してくれる女川院長
通常、アレルギー性鼻炎の治療は局所にステロイドなどの点鼻薬の使用と年齢に応じた抗アレルギー薬の内服を行います。根本的治療には、誘因抗原の除去とスギやダニに対する舌下免疫療法が必要です。小児のアレルギー性鼻炎をお持ちで、早期から保育園に通っているお子さんは、感染を繰り返したり中耳炎になりやすくなります。また、喘息を合併している場合は、その感染で喘息発作を誘発してしまうため、気道のコントロールには鼻を制することが不可欠となります。また、花粉症では例年の症状が出る起算日の2週間前から予防投薬を始めることや、アレルギー性鼻炎でペットアレルギーをお持ちの方はペットに会う前の事前服用が有用です。
- Qアレルギー疾患として多い喘息の治療について教えてください。
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A
▲受診時にたくさんの情報を持ってきてほしいと語る女川院長
喘息症状には、その本態である慢性の持続性炎症の治療と重症度に合った薬の処方で発作をコントロールすることが重要です。具体的には、本人に合う抗ロイコトリエンなどのアレルギー薬、ステロイド薬などの抗炎症剤と、交感神経刺激剤などを用いて日常生活に支障と制限を来さないことを目標にします。そのためには、なるべく初期治療で発作を消失させることが大切です。喘息の寛解、つまり発作がない安定した状態を保つには、無症状期間をいかに長くするのかが鍵を握ります。早めの受診で重症度と発作の原因を常に分析していき、発作を起こさないようにしていくこと。また、起きても軽い発作で済むよう、薬の取り置きも必要になります。

