レベルの高い生殖医療を追求
職能集団によるチーム医療とは
医療法人 蔵本ウイメンズクリニック
(福岡市博多区/博多駅)
最終更新日:2021/10/12
- 自由診療
妊娠を希望する夫婦が、1年以上避妊せずに通常の性生活を行っても妊娠しない状態を不妊症という。晩婚化などを背景に不妊治療を受ける夫婦が増加している中、治療そのものが一般的ではなかった40年以上前から不妊治療に携わってきた「蔵本ウイメンズクリニック」の蔵本武志院長。県内外はもとより、海外からも患者が訪れるという同院の最たる特徴は、生殖医療を行う上で重要なチーム医療が確立していること。不妊治療の専門家である医師をはじめ、培養士、看護師、カウンセラーなど、それぞれ専門的な知識と技術を有するスタッフたち。同院には「決して諦めない」という同じ志を持つ生殖医療のエキスパートが集結。不妊に悩む多くの夫婦を笑顔に導いてきた職能集団によるチーム医療とは? その特徴を語ってもらった。
(取材日2021年6月29日)
目次
「決して諦めない」という志を持つ生殖医療のエキスパートらが集結。職能集団によるチーム医療を提供
- Qクリニックのコンセプトを教えてください。
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A
簡単に言うと「高いレベルを追求する無駄のない医療の提供」です。生殖医療、特に生殖補助医療(ART)は各ステップが複雑で十分な品質管理が必要なため、医師の力だけでできるレベルではなくなりました。そこで、患者さんが満足できるレベルの高い生殖医療を行うために、当院では1995年の開院以来、不妊治療にチーム医療を導入。卵子、精子、胚を取り扱う培養士や、治療に関する詳細な説明や相談に乗る専門の日本看護協会不妊症看護認定看護師、臨床心理士など、同じ志を持つ生殖医療に長けたエキスパートが集結し、不妊に悩む患者さんのために全力で取り組むことを一貫して行ってきました。
- Q複数のドクターがいらっしゃいますね。
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A
非常勤含めると10人以上。その中には生殖医療専門の医師が5人おり、さらに臨床遺伝専門の医師や、男性不妊の診療および精巣内精子採取術(TESE)を担当する泌尿器科の医師もいます。不妊症の半数近くは男性側にも問題があるといわれ、治療によって改善がめざせることもよくあります。射精精液中に精子がまったくない無精子症の場合、精巣内に少しでも精子を作れればTESEにより少量の精子を回収。それを用いて顕微授精を行い、妊娠、出産をめざすことができます。また、精索静脈瘤といって精巣から体内に流れる静脈に瘤ができ、うっ血することで精巣内の精子の産生が悪くなる疾患がありますが、手術により改善を図ることが可能です。
- Qクリニック内に培養室があるとお聞きしました。
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A
はい。通常妊娠に至るまでには、排卵された卵子と膣から遡上してきた精子が卵管内で出会い、受精卵として成長しながら着床するというプロセスがありますが、不妊に悩む患者さんの卵管や子宮に代わってそれらを行うのが培養室です。より卵子へのストレスを軽減するため、培養室は採卵室と隣接した造りになっています。受精卵の発育を酸素などの外的ストレスにさらすことなく観察できるタイムラプス機能つきインキュベーターで培養。シャーレの中で卵子を探す操作や精液の処理、体外受精や顕微授精、受精卵の凍結・融解など、培養室で行うすべての手技には独自の厳しい合格基準を設け、十分にトレーニングを積んだスタッフが担当しています。
- Q看護師以外にもさまざまなスタッフさんがおられるのも特徴では?
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A
ええ。不妊治療を行う患者さんは、治療がうまくいかないことなどが要因となり、中等度から重度のうつ状態に陥ることもあるといわれています。その際、医師や体外受精に精通する不妊症看護認定看護師が対応にあたりますが、さらなるケアが必要だと判断した場合は臨床心理士が対応するなど、メンタルケアにおいてもその道の専門家が患者さんの心にしっかりと寄り添います。当クリニックでは、博士号を持つ男女2人の臨床心理士が在籍。このように、生殖医療に各分野のエキスパートを入れ、不妊に悩む患者さんのためにチームで一丸となり対応していくことが「チーム医療」であり、安心・安全なより良い生殖医療の提供につながると私は考えています。
- Q同じ志を持った方たちが集結したクリニックなのですね。
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A
われわれには「決して諦めない」という強い想いがあります。難治症例についてはカンファレンスを開き、全員で問題点を救い上げ、その方にとってより良い治療を模索。卵巣刺激法、媒精方法、顕微授精については手技法、培養法、生活栄養状態の改善点に至るまで一切妥協をしません。多様な観点から話し合い結論を出し、次の治療につなげるようにしています。チーム医療、充実した設備、ISO9001の認証を取得した品質マネジメントシステムによる高レベル生殖医療が行える環境。安全・安心な生殖医療を受けるためには、そうした不妊治療の専門施設で治療を行うことが不可欠であり、それこそが妊娠・出産への近道と考えます。
自由診療費用の目安
自由診療とは体外受精/約45万円~70万円 、顕微授精/37万4000円~、受精卵の凍結/8万8000円~14万3000 円、精巣内精子採取術/14万3000円、卵巣刺激/4万円~ ※使用する薬剤や患者様の状態によって、価格は変動します