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蔵本 武志 院長の独自取材記事

医療法人 蔵本ウイメンズクリニック

(福岡市博多区/博多駅)

最終更新日:2024/11/14

蔵本武志院長 医療法人 蔵本ウイメンズクリニック main

博多駅筑紫口から徒歩4分、県内外から多くの患者が訪れるという「蔵本ウイメンズクリニック」は、不妊治療に力を入れる婦人科医院として1995年に開院。これまで妊娠・出産を願う多くの人々と向き合ってきた蔵本武志院長は、さまざまな研鑽を積んだ生殖補助医療のスペシャリスト。同院は不妊治療の専門家である医師をはじめ、培養士、看護師、カウンセラーなど、それぞれの専門的な知識と技術を有する総勢約70人にも及ぶスタッフが集結。多くの悩みに心を砕き、笑顔へと導いてきた背景にあるのは、蔵本院長を筆頭とするスタッフ全員の決して諦めない姿勢。不妊治療の保険適用拡大により治療へのハードルが低くなった今、患者を取り巻く状況はどのように変化したのか。蔵本院長がかじを取るチーム医療にふれてきた。

(取材日2023年6月22日)

生殖医療の研鑽を積んだスタッフとチーム医療を提供

まずはこれまでの歩みからお聞かせください。

蔵本武志院長 医療法人 蔵本ウイメンズクリニック1

私は山口県で高校まで過ごし、大学は久留米大学医学部へ進学しました。卒業後は山口大学医学部附属病院の産婦人科を経て、山口大学大学院にて不妊に関連するホルモンの研究に従事し、大学院修了後は山口県立中央病院(現・山口県立総合医療センター)産婦人科副部長、山口県済生会下関総合病院産婦人科部長を務めるなど、これまで40年以上不妊治療に携わってきました。山口県での体外受精・顕微授精に携わったほか、1990年には体外受精を中心に研鑽を積むためオーストラリアのPIVETメディカルセンターに留学。アメリカやヨーロッパでも体外受精を扱う先進の施設でさまざまな知識と技術を学んできました。その結果、生殖医療は医師一人ではできず、培養部門、看護部門、心理部門などの生殖医療に関わる専門的な知識を持った人々によるチーム医療を行うことが最も良い結果をもたらし、患者さんの満足度の向上につながることを確信したんです。

それが1995年、体外受精を中心とする不妊治療を扱うクリニックの開院につながったのですね。

はい。当時はここからすぐ近くの場所で開院をし、それから8年たった2003年に、21世紀にふさわしいより充実した生殖医療を行うべく、現在の場所へ移転しました。当院はほかの施設で何度も体外受精などの不妊治療をされた方や40代の患者さん、男性不妊症の方も多いのが特徴です。治療にかける時間に余裕がない方が多いことから、各部門に研鑽を積んだ専門スタッフを配置し不妊原因を適切に捉え、チーム医療による効率的な治療を行うことで早期の妊娠をめざします。そのため、医療の国際的な品質管理システムの規格であるISO9001を2004年に認証取得。医療の品質管理、安全管理を徹底しています。生殖補助医療の質の向上と安全管理をめざすJISART(日本生殖補助医療標準化機関)に2003年の発足当初より加盟しています。また、当院は先進医療実施施設です。

2022年より不妊治療の保険適用範囲が拡大され、患者さんやクリニックにどのような変化がありましたか?

蔵本武志院長 医療法人 蔵本ウイメンズクリニック2

3つの大きな変化がありました。まず、患者さんの経済的負担軽減。これはメンタル面にも大きな影響をもたらします。若い方の来院も増えました。また、1ヵ月の保険医療費の自己負担限度額を超えた場合は高額療養費制度が適用されることも治療の受けやすさにつながっているのではないでしょうか。次に体外受精の標準化。全国どこの医療施設でも同じ治療が同じ料金で受けられるようになりました。そして、不妊治療の社会的認知。不妊は治療すべき病態として扱われるので、会社を休みやすくなったと思います。とはいえ、保険の適用範囲に従来の体外受精、顕微授精のすべての技術や検査は入っていません。保険と併用できる自費治療として認められている11種の先進医療があることも知っておくと良いでしょう。

年齢や卵巣予備能を考慮したオーダーメイドの治療

こちらのクリニックならではの治療を教えてください。

蔵本武志院長 医療法人 蔵本ウイメンズクリニック3

高齢の患者さんは若い患者さんに比べて取れる卵子数が減少し、卵子の質が低下することで妊娠する確率も低下してきますが、その方の背景や治療歴、卵巣予備能の状態など個々の条件に応じて対処するオーダーメイドの治療をめざしています。卵巣刺激の工夫に加え、大きな特徴として挙げられるのが、胚のさまざまな情報を蓄積し、受精卵を培養器の外に出さずに観察できるタイムラプス機能つき培養器の活用です。また、2~3回胚移植を行っても妊娠が見込めない難治性の患者さんには、各部門が集結して問題解決に向けたカンファレンスも実施するなど、それぞれに対応した治療を行っています。私たちは患者さんのご希望がある限り決して諦めない、この気持ちをスタッフ全員が持ち、一つのチームとして取り組んでいます。

男性不妊にも対応するほか、メンタルカウンセリングなども実施されているとお聞きしました。

患者さんの約半数が男性不妊ということもあり、当院では早い時期から男性不妊を専門にした診療枠を設けてきました。また、不妊治療は精神的負担からうつ病を発症される方も多いため、臨床心理士によるメンタルカウンセリングに25年以上前から取り組んでいます。このほか着床不全や流産を繰り返される方などへのカウンセリングも実施。こうしたさまざまな取り組みをしているため、ドクターだけでも非常勤含めると10人以上、総勢約70人のスタッフが在籍しています。当院は患者さんの年齢は制限していません。もちろん難しい症例もありますが、それを可能にするためのチーム医療だと考えていますので、少しでも望みがある限り、全力でお応えします。

女性やそのパートナーはどのように不妊治療と向き合うべきですか?

蔵本武志院長 医療法人 蔵本ウイメンズクリニック4

不妊治療が保険適用になったとはいえ、保険診療で治療を行おうと思うと、年齢によって回数制限のある治療もあります。人工授精は年齢や回数に制限がない一方で、体外受精は治療計画作成の時点で女性が43歳未満であることが条件。さらに、40歳未満で初回治療計画が作成された場合は子ども1人に対して胚移植できるのは6回まで、40歳から43歳未満では3回までとされており、治療計画作成時期が39歳と40歳では挑戦できる回数が大きく異なります。つまり時間との勝負。第2子、第3子もご希望されておられる場合はなおさらです。子どもを希望される方は、早めに受診していただき、治療計画を立てていただきたいなと思います。

妊娠・出産を希望する人がいる限り、決して諦めない

不妊治療の保険適用拡大が実現した今、さらに望んでおられることは何でしょう。

蔵本武志院長 医療法人 蔵本ウイメンズクリニック5

生殖補助医療は、まさに日進月歩。現在、保険適用と併用できる自費医療として、良好な精子を選別したり胚の発育環境の改善を促したりすることを目的とした11種の先進医療が、今後保険適用となることを望んでいます。そして当院を含め、世の中的にも40代での妊娠・出産を希望されている方がたくさんおられます。その方たちの中には不妊治療を継続するために働き方をパートタイムに変更したり、退職された方も。そのような方たちの経済的負担を軽減するためにも40代の保険適用回数を増やすべきだと考えます。

不妊治療において、特に女性を取り巻く環境はまだまだ改善すべき課題が多いようですね。

当院に来られる女性の患者さんの約8割がお仕事をされています。保険適用範囲が拡大され経済的負担軽減につながっても、一定の年齢を超えてしまうと保険が適用されなくなるため、経済的負担を拭い去ることはできません。そのような問題を解決するためには、安心して治療に取り組める環境の構築、そして妊娠を希望される方は早めに治療計画を立てることが大切だということを若い世代にしっかり啓発していくことが大事だと思います。また、仕事と不妊治療が両立できる環境改善を急ぐべきだと思います。

最後に、これから妊娠・出産を考えている方たちへメッセージをお願いします。

蔵本武志院長 医療法人 蔵本ウイメンズクリニック6

女性が最も安全に妊娠・出産しやすい時期は25歳から35歳までとされています。将来、赤ちゃんを望まれる方は妊娠・出産を先延ばしにして、いざという時に困らないよう、人生設計を立てられることをお勧めいたします。お子さんを希望されて1年たっても妊娠されない方は専門の施設にご相談されてください。妊娠・出産を願うすべての方に一番お伝えしたいのは、「諦めないでほしい」ということ。今後新たなクリニックビルを隣地に増設し、生殖医療の質やサービス面でのさらなる向上を図りたいと考えています。患者さんが希望される限り、われわれも決して諦めません。一緒に頑張りましょう。

自由診療費用の目安

自由診療とは

タイムラプス撮像法を用いた体外受精(採卵・体外受精・胚培養)/17万6000円~33万円
タイムラプス撮像法を用いた顕微授精(採卵・体外受精・胚培養)/22万円~44万円 ※診察内容によって、価格は変動します

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