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こちらの記事の監修医師
東京大学医学部附属病院
強皮症センター センター長 浅野 善英 先生

げんきょくせいきょうひしょう 限局性強皮症

概要

限局性強皮症とは、手や足、体幹などの一部の皮膚や皮下組織が硬くなる自己免疫疾患の一種です。限局性強皮症には、皮疹が円状に現れる「斑状強皮症(モルフィア)」、皮疹が帯状の「線状強皮症」、皮疹が複数見られる「汎発型限局性強皮症」、頭や顔に刀で切りつけられたような皮疹が現れる「剣創状強皮症」があります。全身性強皮症とは異なり、内臓病変を伴いません。ただ、成人例では他の自己免疫疾患を併発していることが多い傾向にあります。子どもから高齢者までかかりますが、子どもや若者の発症が目立ちます。命にかかわる疾患ではありませんが、子どもが発症した場合は成長を阻害することがあるため、なるべく早く医療機関を受診しましょう。

原因

発症メカニズムはまだはっきりとはわかっていません。自分の組織を攻撃してしまう「免疫異常」と、細胞と細胞をつなぐ結合組織が過剰に沈着してしまう「線維化」が関連している可能性があると考えられています。外傷ややけど、ワクチンの接種、感染症などの刺激に対する免疫応答の活性化をきっかけとして発症することがあります。

症状

手足や頭・顔、体幹などの皮膚の一部が硬くなるのが主な症状で、初期段階では自覚症状はほとんどありません。皮膚の色調の変化はさまざまで、常色~やや黄味がかったものから、褐色や白色になるものもあります。光沢を伴うことが多いですが、ただれや陥没が生じたりすることもあります。全身性強皮症のように内臓病変を伴うことはありませんが、重症化すると筋肉や関節、骨などにも障害が生じ、痛みを感じたり体を動かすことに支障が出たりします。子どもが発症すると成長障害を伴うことがあるので注意が必要です。また、皮膚の神経にまで病変が達するとしびれや痛み、部分的なけいれんを生じることがあります。剣創状強皮症では脳病変を伴うことがあり、てんかん発作、脳波異常などが生じるほか、眼瞼に病変が及ぶと目をうまく閉じられなくなることがあります。

検査・診断

問診や視診、血液検査をした上で、皮膚生検をして診断するのが一般的です。造影MRI検査、ドップラーエコー検査、サーモグラフィー検査などによって皮膚や皮下組織での病変の広がりを評価します。症状が他の皮膚疾患(結合織母斑、深在性エリテマトーデス、局面状類乾癬、菌状息肉症など)に似ている場合は、鑑別のために皮膚生検が必須です。皮膚生検では膠原線維の変性・増生の程度と範囲、炎症などを評価。骨や筋肉などにも症状が及んだ場合は造影MRI検査が、顔面・頭頸部に発症した場合は造影MRI検査、頭部CT検査、脳波検査や眼科的検査などが必要です。また、慢性甲状腺炎、抗リン脂質抗体症候群、関節リウマチをはじめとした膠原病など、他の自己免疫疾患の併発が疑われる場合は、それに関する検査を行うこともあります。

治療

病状の程度によって治療法は異なり、ごく軽度で進行しない場合は治療を必要としないこともあります。ただし、再発を繰り返しながら個々の病変が拡大したり、病変の数が増えたりすることが多いのでその後の経過を見守る必要があります。治療をする際はステロイドや免疫抑制薬の塗り薬で対応することが多く、紫外線療法なども用いられます。強い炎症があり、筋肉や関節の機能障害が生じるあるいは進行する恐れがある場合などは、ステロイドや免疫抑制薬の内服薬を短期間使用することも。

予防/治療後の注意

発症原因がまだはっきりとしないため、有効な予防法は特にありません。限局性強皮症は再発しやすく、中でも子どもの線状強皮症は再発率が高いので注意が必要です。また、肌の陥没や凹凸が激しい場合は、症状が落ち着いてから美容的・形成外科的な治療を行うことも。手足や関節などに機能障害が残った場合は、リハビリテーションが必要です。

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こちらの記事の監修医師

東京大学医学部附属病院

強皮症センター センター長 浅野 善英 先生

1998年東京大学医学部医学科卒業後、同大学医学部皮膚科学教室へ入局。同大学医学部附属病院皮膚科、NTT東日本関東病院皮膚科などでの勤務、サウスカロライナ州立医科大学リウマチ免疫学教室への研究留学などを経て、2015年より東京大学大学院医学系研究科・医学部皮膚科学にて准教授を、2018年より東京大学医学部附属病院強皮症センターにてセンター長を務める。専門は全身性強皮症、限局性強皮症。