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こちらの記事の監修医師
東京慈恵会医科大学附属第三病院
中村 敬 院長

じへいしょう自閉症

概要

自閉症とは主に先天的な原因により、対人関係の特異性やコミュニケーションの質的な障害などが見られる障害である。英国の児童精神科医ローナ・ウイングによると、自閉症は「社会性」「社会的コミュニケーション」「社会的イマジネーション」のそれぞれに質的な偏りが見られる障害と定義されている。「自閉症」の境界を明確に区切ることは難しく、類似の傾向はより軽症の状態から「健常者」にまで幅があるため、「自閉症スペクトラム」と呼ばれることもある。

原因

原因はまだ明確になっていないが、さまざまな遺伝的研究によると、先天的な脳機能の違いが原因となっていると考えられている。自閉症は知能指数が通常より高い人・知的障害がほぼない人・重度の知的障害を合併している人まで、さまざまな人間に現れる可能性がある。従来は自閉症と合わせて知的障害を有する人が多いといわれてきたが、ここ数年は自閉症がより広く認知されたり早期発見が進んでいたりすることなどが理由で、知的障害を伴わない自閉症患者の割合も増えているといわれている。

症状

基本的な特性として、同年代の他者と互いに交流を行うことが難しい。幼児期には人より物への興味が強い、他者の存在への無関心といった特性が見られることがある。また、社会的場面においてのコミュニケーション方法が独特である。専門用語や四文字熟語の意味を十分に理解せず使用したり、話しているときの音程や抑揚に偏りがあったりといった特徴が見られることも。その他にも、自分の話したいことを一方的に話し続けたり、相手の言葉をそのまま繰り返したりといった形で、偏ったコミュニケーションをとってしまうケースもある。目に見えない物の共有は苦手でも、具体的な実物や文字などの情報が得られれば、他者とイメージを共有しやすくなる傾向にある。

検査・診断

基本的に症状から診断する。自閉症は行動面において特徴が現れるタイプの障害なので、明確な数値の指標は存在しないといわれている。基本的には問診や、幼児であれば遊んでいる様子の観察などを通して、現れている症状の種類や程度を判断して診断する。チェックシートも存在するが、あくまでも自閉症の疑いがある人・ない人を振り分けるスクリーニングのために使用されており、その結果だけで診断することはない。

治療

自閉症を含む発達障害への対応は、その人の特性を理解して環境を調整することが第一となる。家庭や学校で著しい適応困難があったり、自身や他者に身体的危険が及ぶ恐れがあったりする場合は、薬物を使用して治療を行うこともある。環境理解の悪さなどが原因で、物事の見通しが立たず常に不安を抱いており、イライラやパニックを引き起こしているケースも。また、コミュニケーション障害によって生じた被害感によって、乱暴な行動や衝動性が見られることもある。そういった行動の背景となる環境を、改善していくことが必要だ。

予防/治療後の注意

子どもが自閉症であると診断された場合、親は子どもの発達が「間違っている」と決めつけず、子どもの示す行動に肯定的な意味を見出していくことが大切だ。その年齢に相応しい行動ができないことで子どもを責めるのではなく、現在のユニークな発達を肯定的に受け止める姿勢も重要。

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こちらの記事の監修医師

東京慈恵会医科大学附属第三病院

中村 敬 院長

人間心理に関心を持ち、大学は哲学科へ進んだが、より実践的な学問を求めて東京慈恵会医科大学へ入学。1982年に卒業し、同精神医学講座へ入局。同大学院修了。 現在は第三病院院長兼同精神神経科診療医長と、東京慈恵会医科大学精神神経科教授を務めている。