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こちらの記事の監修医師
中村 敬 院長

はったつしょうがい発達障害

概要

生まれつき脳の発達に障害があることの総称。幼児のうちから症状が現れてくることがほとんどで、対人関係やコミュニケーションに問題を抱えたり、落ち着きがなかったり、仕事や家事をうまくこなせなかったりと、人によって症状はさまざま。その特性などにより、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、チック障害、吃音(症)などに分類される。中には、複数のタイプの発達障害がある人も少なくない。ひとえに発達障害といっても、個人差が大きいことから、一人ひとりの症状に合わせた支援や治療がとても重要になる。

原因

何らかの要因により、先天的に脳の一部の機能に障害があることが原因とされる。しかし、発達障害を引き起こす要因やメカニズムなどは、まだはっきりとは解明されていない。そのため、原因不明と扱われるケースがほとんど。一部の特性においては、胎児期の風疹感染などの感染症や遺伝子の異常などが影響するといわれている。症状が顕在化するかどうかには環境要因も関係するが、一面的に親の育て方や愛情不足などが原因だというのは誤りである。

症状

発達障害は一人ひとり異なることから、その症状は多岐にわたる。例えば、自閉スペクトラム症は1歳を過ぎた頃から症状が出始め、言語や発達の遅れや、コミュニケーションの障害、対人関係・社会性の障害、興味や活動の偏りなどが見られる。注意欠陥・多動性障害は7歳までに症状が現れるのが特徴で、その人の年齢とは見合わない多動・多弁や不注意、衝動的な行動などが目立つようになる。また、学習障害では、全般的な知的発達に問題はないものの、特定の分野のみに困難を持つ。例えば、「読む」「書く」「計算する」「話す」など、特定の事柄のみに難しさを感じてしまうため、これらの能力が求められる小学生の頃に発達障害が発覚することも少なくない。なお、一人で複数の発達障害を抱えている人も珍しくない。

検査・診断

まだ解明されていない分野がほとんどで、現時点では明確な診断基準はない。そのため、面談やチェックリスト、脳波などの生理学的検査、認知・知能などの心理検査などを通して、総合的に診断していく。診断には、アメリカ精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル「DSM-5」や世界保健機関(WHO)の「ICD-10」(『国際疾病分類』第10版)による診断基準などが用いられる。

治療

いずれの発達障害も完治させることは難しい。そのため、何よりも大切なのは、保護者や家族など周りの人たちが協力し合い、適切な接し方をしたり、生活環境を整えたりしながら、本人が社会生活を送りやすくなるようにサポートしていくこと。治療としては、それぞれの特性に応じた療育や薬物療法なども進めていく。例えば、自閉スペクトラム症の場合、コミュニケーション能力や適応力の発達を促すための療育などを行うため、早期に発見することがとても重要になる。また、注意欠陥・多動性障害では、脳内ドーパミンやノルアドレナリンの伝達機能を強める薬が処方されるなどの薬物療法も行っていくのが特徴。学習障害の場合、苦手な分野を克服させようとすると、逆効果で症状が悪化することもあるため、それぞれの状態を把握した上で、安心して社会生活が送れるように支援を行う。

予防/治療後の注意

本人やその家族は、発達障害と生涯付き合っていかなければいけない。そのため、しっかりと発達障害に向き合っていくことが大事。それぞれの特性を家族や周囲がよく理解した上で、適切に本人をサポートしていく必要がある。また、思春期になるとうつ傾向が生じるなど、新たな症状が現れることも少なくない。日頃から本人の様子を見ながら、必要に応じて医療機関を受診していくことが症状の悪化を防ぐことにつながる。

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こちらの記事の監修医師

東京慈恵会医科大学附属第三病院

中村 敬 院長

人間心理に関心を持ち、大学は哲学科へ進んだが、より実践的な学問を求めて東京慈恵会医科大学へ入学。1982年に卒業し、同精神医学講座へ入局。同大学院修了。 現在は第三病院院長兼同精神神経科診療医長と、東京慈恵会医科大学精神神経科教授を務めている。