
こちらの記事の監修医師
公益社団法人東京都教職員互助会 三楽病院
副院長 木村 雅弘 先生
だっきゅう脱臼
最終更新日:2022/01/05
概要
骨と骨をつないでいる関節部分で、骨が本来の位置からずれてしまった状態。一般的には肩、肘、顎、股、膝などに見られ、疾患によるものと強い衝撃などによる外傷性のものがある。また脱臼の程度によって、骨の関節面が関節から完全に外れた「完全脱臼」と関節から外れきってはいない「亜脱臼」に分類される。完全脱臼にはさらに、関節を包んでいる関節包が破れて骨が関節包の外へ脱臼する「関節包外脱臼」、関節包の中で脱臼を起こす「関節包内脱臼」に区別される。
原因
疾患によるものでは、幼児期の骨髄炎や関節炎、ポリオなどによる神経まひや、脳性まひが発症の原因に挙げられる。外傷性のものでは、転倒や衝突により衝撃を受けたときに生じやすい。最も脱臼しやすいパーツは肩関節といわれており、転倒して腕を伸ばした状態で手をついたときや、スポーツの最中に大きく肩を動かしたときなどに起こりやすい。幼児期の骨髄炎や関節炎が原因となる場合は、関節を覆う関節包の内部に炎症により分泌された滲出液がたまることで、関節包が広がって関節が緩くなって脱臼が起こることいわれている。
症状
強い痛みと腫れ、しびれが生じる。また、発生時には外れる音と感覚を感じる人が多い。脱臼した関節を整復しないで放置した場合、脱臼したままの位置で新たな関節が形成されてしまうことがある。この結果起きる関節運動障害の状態は、「陳旧性脱臼」と呼ばれる。
検査・診断
症状により診断可能。より精密な診断のため、エックス線検査、CT検査、MRI検査などを行うこともある。
治療
外れた関節をなるべく早く正確な位置に戻す「整復」を行うことが大切。整復には手で引っ張って行うなどの方法と手術によって行う方法がある。整復後は患部を安静にするため固定し、回復がみられたらリハビリテーションで周辺の筋肉の強化を図る。脱臼を繰り返してしまう場合や骨折を伴う場合などは手術的治療を追加することもある。
予防/治療後の注意
治療を行った後も十分な固定期間を設け、適切なリハビリテーションを行うことにより、しっかり患部を回復させ、脱臼を反復化させないことが肝心。

こちらの記事の監修医師
副院長 木村 雅弘 先生
1983年東京大学医学部卒業。股関節・膝関節変性疾患が専門。特に人工関節の手術を得意とし、新たな技術開発にも積極的に取り組んでいる。日本整形外科学会整形外科専門医。
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