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こちらの記事の監修医師
伊藤病院
伊藤 公一 院長

ふくこうじょうせんきのうていかしょう副甲状腺機能低下症

概要

副甲状腺ホルモンの分泌やその作用が低下することで、低カルシウム血症、高リン血症などを引き起こす病気。自己免疫疾患や先天的に副甲状腺がきちんと形成されないことによる原発性副甲状腺機能低下症、首の手術や放射線治療の影響で副甲状腺の機能が低下した二次性(続発性)副甲状腺機能低下症、副甲状腺ホルモンはきちんと分泌されているが、ホルモンを感知する機能が障害されて副甲状腺ホルモンの作用が落ちている偽性副甲状腺機能低下症の3つに分類される。原発性副甲状腺機能低下症と偽性副甲状腺機能低下症は、症例数が希少で長期治療が必要とされる厚生労働省が指定する「指定難病」の1つで、国が医療費を助成している。 

原因

最も多いのが頚部の手術や放射線治療後の発生。頚部のがんやその他の手術の際に副甲状腺が摘出されたり、頚部への放射線治療で障害されたりして起こる。まれに、遺伝子異常が原因の場合もあり、この病気を持つ家族がいる場合は検査を受けた方がよい。生まれつき副甲状腺が存在しない場合や、自己免疫異常、肉芽腫性疾患、ウィルソン病やヘモクロマトーシスなど多岐にわたるが、原因不明のことも多く、その場合は特発性副甲状腺機能低下症と称する。副甲状腺機能亢進症の母親(高カルシウム血症を有する)から生まれた新生児に発症するものは、新生児一過性副甲状腺機能低下症と称し、一過性で治癒する。発生頻度の男女差は認められない。 

症状

主に血液中のカルシウム濃度が低下することで症状が現れる。特に手足や腹部や口回りや手足のしびれ・けいれん・痛み・硬直など、テタニーという症状が多い。重度のけいれんでは、全身やてんかんの発作のような症状となる。また、不穏(落ち着きがなく興奮している状態)、うつといった精神症状、不整脈、便秘、下痢、腹痛、皮膚、毛髪の異常、歯の発育障害、白内障が起こりやすくなるなど多岐にわたる。幼児期からの発症だと、低身長や精神発達遅滞、てんかんの誘因となる脳へのカルシウム沈着などが起こる場合もある。 

検査・診断

血液検査によって血液中のカルシウムと副甲状腺ホルモンの量を調べ、その値が正常よりも低ければ副甲状腺機能低下症と診断される。マグネシウム低下により発生することもあり、低マグネシウム血症があればそちらを治療してから再検査する。肉芽腫性疾患、ウィルソン病、ヘモクロマトーシスなど原因となる疾患の有無も確認する。

治療

根治療法はないため、活性型ビタミンD3製剤やカルシウム剤を服用し、血液中のカルシウム濃度を維持していく。手足の筋肉の硬直やけいれんを起こしている場合は、心電図モニターを確認しながらカルシウム製剤(カルチコール)を注射し、緊急に血中のカルシウムを補う。血液中のカルシウム濃度が正常になると、ほぼ無症状で日常生活を送れるようになるが、発症すると生涯持続するため内服の中断はできない。薬の服用を中断すると血中カルシウム濃度が低下して症状が現れることがあるので、定期的な服用が重要。 

予防/治療後の注意

食事はカルシウムやビタミンDに富み、逆にリンが少なめの栄養を心がける。ただし、高カルシウム血症(悪心、嘔吐、食思不振などの症状)や高カルシウム尿症、腎石灰化や尿路結石、腎機能障害などを引き起こす可能性もあるため、摂取過剰は禁物。また、発症の原因が遺伝性の可能性もあるため、この病気を持つ家族がいる場合は一度検査を受けた方がよい。また、飲食でのカルシウム摂取量や腎機能の変化などにより血中カルシウム濃度が変動することがあるため、定期的に受診し、医師の指導のもとに薬の服用量の調整が必要だ。 

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こちらの記事の監修医師

伊藤病院

伊藤 公一 院長

東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学内分泌外科教室、米国留学などを経て、1998年、祖父が創業した伊藤病院の院長に就任し、甲状腺疾患の専門診療体制の強化にまい進している。外国人診療の実績から、国土交通省・観光庁「インバウンド医療観光に関する研究会」の委員会に参加をした経験もあり、メディカルツーリズム普及にも努力している。