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011

こちらの記事の監修医師
伊藤病院
伊藤 公一 院長

ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう副甲状腺機能亢進症

概要

副甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、骨粗しょう症、尿路結石、高カルシウム血症などの症状を招く。副甲状腺にできた腺腫やがんなどの腫瘍や過形成などにより、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、血液中のカルシウム濃度を必要以上に高くするためにさまざまな症状が引き起こされる。数千人に1人の割合で発見される病気で、男女比は女性に多い。副甲状腺がんの割合は約1~5%であり、このがんと遭遇することはごくまれである。副甲状腺機能亢進症は、腎不全など副甲状腺以外の原因で起こることがあるが、副甲状腺そのものに原因がある場合を「原発性」副甲状腺機能亢進症、その他を「二次性(続発性)」副甲状腺機能亢進症と呼び区別している。 

原因

ほとんどの症例では、現在までのところ病気の原因は見つかっていないが、一部の症例では遺伝子異常との関連が証明されており、多発性内分泌腫瘍症という複数の内分泌腺(ホルモンを作る臓器)に腫瘍ができてくる病気で、1型と2型2つのタイプのおもに1型で発症する。 

症状

典型的な症状は、以下の3つ。

(1)骨病変(骨がもろくなって骨折しやすくなる)
(2)尿路結石(腎結石)
(3)高カルシウム血症(頭痛、のどが乾く、胸焼け、吐き気、食欲低下、便秘などの消化器症状、精神的にイライラする、疲れやすい、筋力低下など)

高カルシウム血症が重篤であると、意識混濁を来すことがあり、早急な対応が必要である。最近では、典型的な自覚症状はなく、人間ドックや健康診断で高カルシウム血症を偶然指摘され副甲状腺疾患の診断に至る、症状のない症例(無症候性副甲状腺機能亢進症)も増加している。この病気では、血液中のカルシウム濃度がわずかに高いだけで、何も症状がないことが多い。

検査・診断

血液生化学検査、超音波(エコー)検査、CT検査、核医学検査(シンチグラフィ)により診断する。まず、血液検査を行い、カルシウム値と副甲状腺ホルモン値が高い場合、リン値が低い場合にこの疾患だと診断される。続いて、原因となる副甲状腺腫瘍が見られるか超音波(エコー)検査やCT検査で確認する。シンチグラフィなどの画像診断によって、副甲状腺の位置診断、異所性副甲状腺(通常存在する副甲状腺の場所以外)の有無の確認をする。単腺の腫大副甲状腺腫瘍で見つかることがほとんどだが、4つの副甲状腺が全部腫れている場合もあり、この場合には、多発性内分泌腫瘍症(MEN)の遺伝子検査を検討することがある。 

治療

原発性副甲状腺機能亢進症の治療は、尿路結石や腎障害、病的骨折、高カルシウム血症による症状がある場合は、手術による治療が原則となる。原因となる副甲状腺が単腺の場合は、手術により原因となる副甲状腺の摘出を行う。4腺全部が腫れている場合は、副甲状腺全腺を手術で切除して1腺の一部を前腕筋肉内への自家移植を行う。血清カルシウム値が10~11mg/dL台で、全く症状のない症例(無症候性原発性副甲状腺機能亢進症)に対しては、経過観察されることもある。副甲状腺腫瘍は、ほとんどが良性腫瘍で悪性腫瘍はごくまれであるため、症状をみながら治療に臨むことも可能だが、高カルシウム血症が異常高値である場合、がんを疑われる場合は、治療を急ぐ必要がある。手術治療以外に、骨の破壊吸収を抑えて骨粗しょう症を防ぐビスホスホネート製剤や、副甲状腺ホルモンの分泌を抑えるシナカルセトなどの薬剤を使用することもある。しかしながら、根治を期待できる治療ではないため、手術が可能な症例である場合には、原則手術を考慮すべきと考える。二次性副甲状腺機能亢進症の場合、まず根源の病気に対して内科的治療を行い、症状の進行などを考慮した上で手術を実施する。 

予防/治療後の注意

過去もしくは現在、尿路結石・腎結石の症状がある方、骨粗しょう症のある方は、一度、血中カルシウム値の検査を受けられるとよいと考える。 

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こちらの記事の監修医師

伊藤病院

伊藤 公一 院長

東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学内分泌外科教室、米国留学などを経て、1998年、祖父が創業した伊藤病院の院長に就任し、甲状腺疾患の専門診療体制の強化にまい進している。外国人診療の実績から、国土交通省・観光庁「インバウンド医療観光に関する研究会」の委員会に参加をした経験もあり、メディカルツーリズム普及にも努力している。