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医療法人弘仁会 板倉病院 皮膚科 大久保 佳子 先生

こちらの記事の監修医師
医療法人弘仁会 板倉病院
皮膚科 大久保 佳子 先生

じんじょうせいざそう(にきび)尋常性ざ瘡(ニキビ)

概要

尋常性ざ瘡とは、毛穴の中に皮脂がたまることで起こる皮膚の慢性疾患である。皮脂のたまった毛穴にアクネ菌が増えると、炎症を起こして赤く隆起したり膿がたまったりする。強い炎症から毛穴の周りの皮膚に障害を与えると、瘢痕(はんこん)、いわゆる「あばた」になり残ってしまう場合もある。思春期がピークで、成人以降は次第に減少していく。尋常性ざ瘡の発生に男女差はほとんどない。

原因

主な原因は過剰な皮脂の分泌、毛穴の出口の角化、ニキビ菌の繁殖、ホルモンバランスの4つである。それに加え日常生活においてのストレスや睡眠不足、偏った食生活など生活習慣の乱れ、遺伝性因子などが複雑に関与し、皮脂の分泌が促進され毛穴に皮脂がたまりやすくなる。また、スキンケアにおいてクレンジングを過剰にしてしまい皮膚に必要な皮脂まで落としてしまったり、皮膚を強くこすりすぎて角質を傷つけたりすることも原因の一つになり得る。その他、便秘により有害物質が体内にたまることで腸内の悪玉菌が増加し、新陳代謝が低下することでざ瘡を引き起こすことがあるといわれている。

症状

はじめに毛穴に皮脂がたまると、毛穴の先が閉じている閉鎖面皰(白ニキビ)と開いている開放面皰(黒ニキビ)ができる。さらにこの皮脂にアクネ菌が作用し、さまざまな炎症を起こす物質を作り出して炎症を起こし、赤いぶつぶつ(丘疹/きゅうしん)となる。丘疹が進行すると、毛孔が破壊され、膿疱(のうほう)になる。炎症が強いとケロイドとして痕が残ってしまうこともある。皮脂の分泌の多いおでこや眉間、頬や口周り、あごの周りにできることが多いが、背中、胸などにもできる。

検査・診断

主に問診と視診で診断する。まず、いつ頃から発症したか(気になり始めたか)、生活習慣の乱れはないか、何か塗り薬を使用していたか、ニキビができてからの症状の変化などについて問診する。女性の場合は生理不順があるかなど生理周期についても問診する。そして皮疹が毛包(毛穴)に一致しているかを確認する。

治療

主な症状が面皰であり炎症が見られない場合は毛穴の詰まり、皮脂のたまりに効果があり、ニキビをできにくくするアダパレンや過酸化ベンゾイル外用剤などの塗り薬を使用する。丘疹・膿疱などの炎症がある場合は、面皰の治療に加えてアクネ菌や炎症に有効な抗菌薬の塗り薬、症状がひどい場合は抗菌薬の飲み薬も併用する。それ以外に治療の選択肢の一つとしてニキビの中にたまっている角質や皮脂、膿などを押し出す面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)やケミカルピーリング、漢方薬の併用などもある。ケロイドの場合にはトラニラスト内服、ケミカルピーリングなどを組み合わせて治療を行う場合もある。

予防/治療後の注意

予防のためには、適度な洗顔や正しい化粧品の選択、バランスの良い食事など規則正しい生活を心がけることが大切である。ニキビができても、自分でつぶしたり、触ったりすることは症状の悪化につながる可能性があり、また痕を残さないために早く炎症を抑えることが必要なので、早めに受診することが大切である。

医療法人弘仁会 板倉病院 皮膚科 大久保 佳子 先生

こちらの記事の監修医師

医療法人弘仁会 板倉病院

皮膚科 大久保 佳子 先生

愛媛大学医学部卒業後、同大学附属病院、東京都立墨東病院などを経て現職。外来の診療・手術の他、入院患者の褥瘡にも対応。患者の悩みを丁寧に聞きながら要望に応じた治療を提案するよう心がけている