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こちらの記事の監修医師
中村 敬 院長

なるこれぷしーナルコレプシー

概要

時間や場所にかかわらず、突然強い眠気に襲われ、居眠りを1日に何回も繰り返してしまう病気。古くから知られる過眠症のひとつ。「情動脱力発作(カタプレキシー)」という症状を伴うこともある。思春期に発症することが多く、男女で有病率の差はないとされる。夜に十分な睡眠をとっていたとしても、日中に突然眠気に襲われて寝てしまうこと。車の運転中などに突然眠ってしまうこともあるため、病院での治療が必要である。ナルコレプシーのある子どもや青年は、眠気や夜間睡眠の分断の影響で攻撃性が高くなり、行動上の問題が生じることがある。

原因

脳の中にあるヒポクレチン(オレキシン)を作り出す神経細胞(ヒポクレチン・ニューロンまたはオレキシン・ニューロン)が働かなくなることによって起こる。A郡連鎖球菌咽頭炎やインフルエンザや他の冬期の感染症が自己免疫過程に影響することにより、数か月後にナルコレプシーが生じる可能性もある。また、頭部外傷が引き金となることもある可能性も。一卵性双生児の場合、どちらか一方がナルコレプシーになっていると、もう一方もナルコレプシーになることもあるなど、遺伝的要因もあるといわれている。

症状

少なくとも3ヵ月間のうち、週に最低3回我慢できないほどの眠気に襲われ、眠り込んでしまう。「情動脱力発作」を伴い、笑ったり怒ったり恐怖を感じたりするなどといった強い感情の動きがあったときに、筋肉の力が抜けて頭がぐらぐらしたり、ろれつが回らなくなったり、体の姿勢を保てなくなるといった症状が現れることもある。重度の場合は眠気により記憶や意識がなくなり、もうろうとした状態になる。入眠時に意識ははっきりとあるのに体を動かすことができない睡眠まひ(いわゆる金縛り)が現れる。入眠前や覚醒直後に幻覚を見ることも。また、夜間に目が覚めやすく、熟眠感が得られない夜間熟眠障害が起こることも。

検査・診断

睡眠まひや入眠時・覚醒時の幻覚は他の病気の可能性もあるため、症状だけで診断することはできない。そのため、睡眠検査室での検査が必要となる。一晩かけて睡眠ポリグラフ検査(PSG)を実施し、次の日に反復睡眠潜時検査(MSLT)を行う。これらの検査で睡眠時の脳波、眼球運動、筋電図、呼吸運動、心電図、酸素飽和度などを記録する。また、日中の眠気の程度を測定するために静かな部屋で座ったまま、患者がどれくらいの時間起きていられるかを調べる覚醒維持検査も行い、日中の眠気の重症度を判定することで、日常生活を安全に行えるかを判断する。これらの検査で、別の睡眠障害などではないことを確かめる。ナルコレプシーの場合、CTやMRIなどの画像検査では検出できない。

治療

主に生活指導と薬物療法の2つ。症状が軽度の場合には、生活習慣を見直し、睡眠記録表に24時間の睡眠・覚醒状況を記録し、医師のアドバイスに従って規則正しい生活を心がける、短時間の昼寝をする、カフェインを適宜摂取するといった生活指導で十分対策が可能となる。症状が中度から高度な場合には、薬物療法を用いる。夜間の熟眠障害には睡眠薬、日中の眠気には覚醒作用のある中枢神経刺激薬が処方される。

予防/治療後の注意

ナルコレプシーの患者の中には、昼よく寝る分夜寝られないという人もいるが、不規則な生活をすると薬の効きもよくないため、規則正しい生活を心がけることが重要。規則正しく生活し、薬を飲んで眠気をコントロールすることが大切である。短時間の昼寝も有効。長期の治療となることがあるため、根気よく付き合っていく必要がある。また、薬を自己判断で減らしたり中断してしまったりすると、睡眠のリズムが崩れる恐れがある。薬を止めたり減らしたりする時期については、医師の指示に従うこと。

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こちらの記事の監修医師

東京慈恵会医科大学附属第三病院

中村 敬 院長

人間心理に関心を持ち、大学は哲学科へ進んだが、より実践的な学問を求めて東京慈恵会医科大学へ入学。1982年に卒業し、同精神医学講座へ入局。同大学院修了。 現在は第三病院院長兼同精神神経科診療医長と、東京慈恵会医科大学精神神経科教授を務めている。