定期的なメンテナンスを通じ
口の健康を全身の健康につなげる
うえだ歯科医院
(北九州市小倉北区/香春口三萩野駅)
最終更新日:2024/08/16
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歯周病と糖尿病には関連性があるなど、口腔環境が全身の健康に影響を及ぼすという考えは広く浸透し始めている。そこで欠かせないのが「なぜこの疾患が起きてしまったのか」と“原因を明らかにすること”だ。「歯周病や虫歯はもちろん、顎の痛み、頭痛、日中の眠気や倦怠感という症状には必ず原因があります。お薬手帳や内科などで受けた血液検査の結果、患者さんとの対話の中から原因につながるヒントを得て、歯科治療にも反映させることが、歯科が今できる『全身的な健康につながる医療』なのでしょう」と語るのは今なおさまざまな研鑽を積み、インプラント治療に注力する「うえだ歯科医院」の上田秀朗院長だ。昨今のトレンドでもある「エアウェイ」や「TCH」、そしてなぜメンテナンスが重要なのかについて、院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2023年6月27日)
目次
定期的なメンテナンスを通じ口の健康を全身の健康につなげる
- Q口腔環境と全身の健康に、関連性はあるのでしょうか?
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A
あります。特に歯周病と糖尿病の関連は歯科の学会などでも頻繁に取り上げられています。歯周病は歯周病菌による感染症です。その歯周病菌が血管内に入り込むと死滅しますが、毒素が残り、これがインスリンの働きを低下させることで糖尿病が悪化すると考えられています。またその毒素は血栓の原因にもなり、将来的には生命活動に直結する狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などへ影響することも。歯科はあくまでお口の疾患を診る科ではありますが、口は全身とつながっています。ご自分の健康を守っていくためには「口の健康は全身の健康にひもづいている」という点を十分に理解した上で、今後さらにお口のお手入れを丁寧に行うことが大切になるでしょう。
- Q口腔環境が睡眠時無呼吸症候群と関連することもあるそうですね。
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A
歯は「噛む」行動を繰り返すため、天然歯でも入れ歯でも、年数を重ねる度にほんの少しずつすり減っていきます。それが続くことで噛み合わせのバランスが崩れ、舌房(ぜつぼう)という舌を収めるスペースが狭くなります。すると舌は気道方向へ落ちていき、気道がふさがれて十分な酸素が得られず頭痛やめまい、倦怠感、日中の眠気などの体調不良を引き起こす、つまり睡眠時無呼吸症候群の状態に陥ることもあるのです。気道の通り道のことを「エアウェイ」といい、積極的にこの気道確保のための処置を行うケースも見られます。また歯が内側に倒れてくることで舌房が狭くなる場合も。この場合は矯正治療を用いて舌房を確保するなどの対策が必要です。
- Q歯と全身の健康維持のために、知ってほしいことはありますか?
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A
人間の歯は通常、食事をするときに「噛む」もの。しかし、無意識のうちに上下の歯を持続的に接触させてしまう方がいます。このような癖のことをTCH(Tooth Contacting Habit)と呼び、通常よりも早く歯がすり減ってしまうことで、顎関節症やそれに伴う頭痛、ひどければ歯の欠損、歯周病など口腔機能の低下を引き起こす原因になることも。特に本人が意識できない睡眠時は、ナイトガード(マウスピース)を活用するのも有用です。まずは「起きている間、食事以外は歯はリラックス状態にあり、上下の歯は触れ合わない」という点を知り、日頃から意識しておくことで歯を守っていきましょう。
- Q先生が重要視する包括的な歯科治療とはどういうことでしょうか?
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A
患者さんと十分にコミュニケーションを取りながら、一人ひとりに合った治療方法を実践していく。そのためには治療すべき症状が起きた原因を突き止めることが必須です。お薬手帳や血液検査の結果などを参考に、患者さんの全身状態を勘案しながら行う治療を「包括的な医療」と呼び、歯科ではインプラント治療、矯正、歯周病治療などがそのための手段となります。前述したTCHも同様で、ご本人の自覚がなくても「歯が通常よりすり減っているので、ナイトガードを使用してはどうでしょう?」という提案が口腔環境の維持につながる。そうして患者さんとともに最善を考えながら治療を進めることが、健康寿命へもつながっていくのだと考えています。
- Q幅広い悩みや相談に対応していただけるのですね。
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A
当院では患者さんがしっかりと理解できる丁寧な説明を徹底しています。インプラント・入れ歯(義歯)・ブリッジ・根管治療・かぶせ物など対応可能な治療は多岐にわたりますが、患者さんにとってどの治療が有益かということを常に考えながら治療に臨んでいます。そのためには歯科衛生士の存在も不可欠。歯科衛生士は患者さんご自身の歯磨きでは行き届かない部分をプロの技術でクリーニングし、必要に応じてブラッシング指導や生活指導などのフォローも行います。歯科治療は「治療して終わり」ではありません。定期的なメンテナンスを通じてお互いの考えを共有しながら、歯を長く守っていけるようサポートしていくことが大切なのです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/49万5000円程度、ワイヤー矯正 部分矯正/5万5000円~、唇側矯正/93万5000円~99万円、マウスピース型装置による矯正/110万円程度
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。