失った歯を補い口腔環境を守ろう
インプラントはその治療法の一つ
うえだ歯科医院
(北九州市小倉北区/香春口三萩野駅)
最終更新日:2022/11/29


- 自由診療
虫歯・歯周病などで歯を失った際の治療として、インプラント治療は広く認知されている。しかし「インプラント治療は誰もが受けられるものではなく、制約も多い。特に術後のメンテナンスを怠ると、治療が水泡に帰すことにもなりかねません」と厳しく指摘するのは「うえだ歯科医院」の上田秀朗院長だ。治療期間も長いもので1年ほどかかり、その間、患者も抗生物質の服用や消毒の通院をするなど、受け身だけではいられない。「何より大切なのは術後のメンテナンスです。天然歯のメンテナンスと同じようにしっかりと通い続け経過を診ていく。治療終了はあくまでスタートラインです」と切実に繰り返す院長に、インプラント治療が口腔環境にどのようなメリットをもたらすか、手術期間はどれくらいかなど、インプラント治療についての幅広い質問を投げかけた。
(取材日2022年7月1日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラント治療のメリットについて教えてください。
-
A
インプラント治療は多数の歯がなくなっている人がするイメージを持つ人も多いようですが、実際は失った歯が1本から数本の少数歯欠損の場合に、ブリッジで隣り合う歯を削ることなく「噛める」機能の維持をめざせることが大きなメリットの一つです。歯がなくなったままだと噛み合わせのバランスが崩れて周辺の歯に過剰な負担がかかるだけでなく、顎関節にも悪影響を及ぼします。また歯がないままだと、周りの歯がその抜けたスペースに倒れてくるなど、口腔内のバランスも大きく崩れます。それらを防いで噛み合わせのバランスを保ち、しっかり噛むことをめざせ、かつ審美性も高い補綴方法の一つとして多くのメリットを持つのが、インプラントです。
- Qインプラント治療を受ける上で注意すべきことは何でしょうか?
-
A
定期的な血液検査の結果やお薬手帳を活用し、患者さんの病気の有無やその内容などをまずしっかり把握します。骨粗しょう症のお薬を飲んでいる方は残念ながらインプラント治療は困難です。一方で糖尿病の方でも「ヘモグロビンA1cの数値が高いので、平均値になったら治療しましょう」と減量した上で治療を行ったこともあります。歯周病がひどい場合は先にそちらの治療が必要です。インプラントを支える骨がない状態なので、インプラントを入れたとしても過剰な負荷がかかり、インプラントが壊れることもあります。年齢や病気の有無、口腔内の状況などをすべて勘案した上で「インプラント治療がベターだ」と判断した方に治療を勧めています。
- Qインプラント一つでも、勘案すべき点はたくさんあるのですね。
-
A
大事なのは、歯がなくなったまま放置しないこと。放っておくと抜けた歯の部分は隙間のまま。それに伴い、徐々に他の歯や噛み合わせにも影響が出るので、歯を補う治療は必須だと考えます。ただ、インプラントがベターな方もいる一方、噛み合わせの力が強い方にはインプラントは向きませんし、ブリッジや入れ歯が合う方などさまざま。インプラントは欠損補綴のあくまで一つのオプションで、絶対の選択肢ではありません。しかし、前述したように歯のないところを単独で治療でき、隣の歯を削ることなく人工歯を支えられる点は大きな魅力。しっかりコミュニケーションを取りながら、お一人お一人にとってベターな選択を提示し続けたいと考えています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1画像診断をし、インプラント治療がベターか見極める
-
歯科用CTなどを使用してインプラント治療ができるかどうか、またその際にインプラントを支える骨は十分にあるかなどを診断。同時に歯周病の有無も確認し、必要であれば治療を行い、軽度の場合はスケーリング(歯石取り)などで口腔環境を整えていく。この後、画像診断の結果を踏まえ、再度治療内容や治療に必要な金額・期間などを、歯科医師が患者の意向をくみ取りながら治療計画に落とし込み、治療がスタートする。
- 2インプラントの一次手術
-
インプラントの手術は一次手術と二次手術に分かれる。一次手術はインプラント体を顎の骨に埋入して粘膜をかぶせ、骨としっかり結合させるための手術だ。二次手術まで3ヵ月以上かかる場合もあり、患者の状態によっては半年以上かかることも。これを「免荷期間」と呼び、その間は縫合した傷口を消毒するために通院が必要。傷口を舌や指で触ったりすると治癒が遅くなり、経過観察時に指摘されることもあるので注意が必要だ。
- 3二次手術までの経過観察
-
インプラント治療は外科的な処置が必要になるため、感染に十分気をつける必要がある。術後には抗生物質が処方され、定められた期間、必ず服用しなければならない。また手術箇所の腫れや疼痛、術後出血の有無なども確認しながら、クリニックでの定期的な消毒を行う。その間も適宜歯科医師との話し合いを行い、治療計画に沿っているか、歯周病の様子や自宅でのケアなどを確認しながら経過をしっかりと診ていく。
- 4インプラントの二次手術
-
免荷期間が終了すると粘膜を再び切開してインプラント体の頭出しを行い、アバットメント(人工の歯とインプラント体をつなぐ土台)を取りつける。そして切開した歯肉を縫い合わせ、3週間ほどの粘膜の修復期間を経て、仮の上部構造である人工歯を装着して噛み合わせや審美性を確認。その後、最終の上部構造を装着し、噛み合わせを調整して手術は終了となる。
- 5術後は定期的なメンテナンスが必須
-
インプラント治療が終わっても、そこはスタートライン。1年ほどの時間をかけて治療したインプラントを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが最も重要だ。院長の上田先生が推奨しているのは、歯周病がある場合は1ヵ月に1回、歯周病などがない場合は3ヵ月に1回のメンテナンス。「3ヵ月以上の間隔をあけるのは推奨しません」と院長。天然歯と同様に、必ずメンテナンスに来るようにと声かけをしている。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/49万5000円程度
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。