上田 秀朗 院長の独自取材記事
うえだ歯科医院
(北九州市小倉北区/香春口三萩野駅)
最終更新日:2024/08/20
香春口三萩野駅直結という便利な立地にある「うえだ歯科医院」。上田秀朗院長は、かつて歯科治療で苦労した家族への思いから歯科医師を志したという。1987年の開業以来、30年以上にわたって地域に根差した歯科診療を行ってきた。一般歯科をはじめ、インプラント治療、噛み合わせ治療、歯列矯正など幅広い診療に対応。中でも重視するのは基本的な治療の精度。まずは基礎からきちんと立て直さないと治療しても長持ちしないと考えるからだ。「医療人は一生勉強」と語り、自ら勉強会を主催して後進の指導にも熱心に取り組む上田院長。地域住民のみならず遠方から訪れる患者も絶えない同院の特徴や、治療に対する考え方について語ってもらった。
(取材日2024年6月12日)
基本的な治療の精度を究めて長く噛める歯を
歯科医師になったきっかけをお聞かせください。
私が幼い頃から、父が歯のことでとても困っていたんです。歯科医院に行っては歯を抜かれていました。今から50年くらい前の話で、当時は治療するというよりは、歯が悪くなったら抜いて入れ歯にするのが普通でした。父は私が中学2年生の時に亡くなってしまったのですが、歯のことで苦労していた姿は忘れられません。子どもですから具体的なことはわからなかったのですが、もっと他の治療方法があったのではないかと思い、歯科医師を志すようになりました。
どのような治療に注力されていますか?
基本治療です。歯石の除去やクリーニングなどの歯周ケア、虫歯が進行してしまった時に細菌に感染した神経を取り除いていく歯内療法、そして、かぶせ物をする補綴治療。こうした治療やケアの精度にどれだけこだわるかが重要だと考えています。患者さんにはわかりにくい部分かもしれませんが、基本的な診療をしっかりと行った上に、歯並びを整えるための矯正や欠損歯に対するインプラント治療などがあるのです。口の中全体を見ながら、複数の治療方法を組み合わせて根本的な改善をめざし、ご自身の歯で噛める状態を長く維持できるよう導くことが私たちの務め。基本的な治療の精度を高めなければ、結局後で入れたものが砂上の楼閣になってしまうのです。
最近来院される患者さんには、どのような特徴があると感じていらっしゃいますか?
当院では大人の患者さんの診療を行っていますが、最近は何本も虫歯があるような患者さんは少なくなったように思います。近年、メンテナンスの意識が歯科全体に広がってきたことによって、患者さんにも変化が起きてきているのかもしれません。当院にはインプラント治療や難しい症例の方が他院から紹介されていらっしゃいますが、治療後も当院に通い続けたいという方に、必ずメンテナンスの大切さをお伝えしています。いくら良い治療をしても、その後のホームケアと定期的なメンテナンスで口腔環境をきれいに維持できなければ、治療で得たものも水泡に帰してしまいます。それに定期的にメンテナンスをしておけば、ごく小さな虫歯、ごく初期の歯周病も発見につながり、大きな治療になってしまうことを防げますからね。
丁寧な説明で、患者とめざすゴールを共有
患者さんに安心して治療を受けていただくために、心がけていることは何ですか?
幅広い治療に対応できるよう、マイクロスコープや口腔内スキャナーなど、設備は大学病院並みのものをそろえています。診療室はユニット間を広く取り、患者さんが落ち着けるような空間としました。口腔外バキュームも設置して、安心して治療を受けていただけるようにしています。そして、患者さんと接する時は、その方の内面、つまり実は何を望んでいるのか、今どういうことを考えているのかということまで考慮するようにしています。ご自分の意思や気持ちをはっきりとおっしゃる方ばかりではありません。何も言わないけれど嫌な思いをされている方がいるかもしれません。患者さんの思いを丁寧にくみ取り、不安にならないようこれから行う治療についてきちんとお話しすることを徹底しています。できるだけ早く痛みを改善につなげてあげたい、早く噛めるように導いてあげたいという思いを常に持って診療しています。
患者さんの意思を尊重した診療をされているのですね。
患者さんによって求められることが違います。時間がかかってもいいから全部治療してほしい方、保険診療で収めたい方、それぞれお考えがあります。患者さんのご希望を踏まえた上で治療計画を立てますから、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療になりますね。若い頃は私も自分の理想を追い求めていたのですが、今は患者さんとの話し合いの中でめざすゴールを共有していくという考え方に変化してきました。ただ、お口のクリーニングを徹底したい点は変わりません。初診時は重篤な症状がない限り、エックス線検査や歯周ポケット検査での診査診断とクリーニングから始まります。前述したように、クリーニングをした状態でなければどんな治療であっても砂上の楼閣になってしまいますから。
先生はインプラント治療が得意と伺いました。
インプラントはオプションの一つだと、私は考えています。インプラントは、他の健康な歯を守りながら欠損した歯を補うことにつながるというメリットがあります。しかしブリッジで十分な場合もありますし、ご高齢の患者さんには入れ歯にしておきましょうと提案することもあります。患者さんにとってどの選択がベターなのかということを、常に考えながら治療に臨んでいます。娘である上田愛佳先生を副院長に据え、近年では二人の知識をかけ合わせて治療に臨むことも増えてきました。また長年にわたってインプラント治療に携わり、同じ歯科医師への指導も行っていますが、ナビゲーションシステムを導入したことでさらに数多くの若い先生方が見学にいらっしゃるようになりました。
常にアンテナを張って知識と技術の向上に努める
先生ご自身も勉強会を主催されていますね。
福岡歯科大学の後輩から、もっと知識を身につけたいので教えてほしいと打診されたのが始まりです。当初は大学の同窓生がメンバーだったのですが、今は出身大学関係なく50人ほどの歯科医師が参加しています。私が一番大事だと思うのは、医療人としての人格育成です。知識と技術のアップデートを常にしていかなければ、医療人ではないとさえ思っています。それを若い歯科医師たちに伝えるためにも勉強会を主催しています。また、私の勉強会以外にも、スタディーグループはたくさんあります。メンバーがいろいろなスタディーグループで勉強してきて、それを持ち寄れば、効率良くたくさんの学びを得ることができるでしょう。歯科医師一人ひとりが知識を深め技術向上に努めることが、最終的には患者さんのためにもなるのではないでしょうか。当院の歯科衛生士はベテランぞろいですが、私も学んだことは必ず共有していますよ。
開業して30年以上、地域の歯科医療に貢献されているんですね。
医療は日進月歩ですから常にアンテナを張っておかなければ、患者さんに喜んでいただける治療を提供し続けることはできません。開業する前も開業してからも、講習会やセミナーに参加して新しい技術や知識を吸収してきました。東京にも頻繁に足を運びましたね。知識はただでは得られません。やはりお金を払わないと自分の身につかないし、教える側も適当な教え方になってしまいます。ですから、勉強するための投資は惜しまず行ってきました。それが30年という年月につながっているのかなと思います。品質にこだわった治療を提供するには、スタッフの力も非常に大切です。当院のスタッフは長く勤めているベテランがほとんどです。患者さんファーストは当然ですが、同時にスタッフにとって働きやすいクリニックでありたいと考えています。
読者へのメッセージをお願いします。
自分に合った歯科医院を探すためには、立地、診察時間帯、歯科医師やスタッフの雰囲気、清潔感など、いろいろな要素があります。ドクターズ・ファイルをはじめとするクリニックの情報をご覧になって、ご自分に合った歯科医院を探していただければと思います。そして不安に思うことがあれば、他院でセカンドオピニオンを求めるのもいいでしょう。当院ではセカンドオピニオンを受けたい方にも対応していますので、お気軽にお越しください。また歯と同時に、生活習慣病などの内科的な治療も継続し、ご自分の全身の健康にも興味を持ってほしいですね。医療人は一生勉強だと思います。皆さんに安心してご来院いただけるよう、これからも知識や技術の向上に全力で取り組んでいきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは・ワイヤー矯正
部分矯正/5万5000円以上、唇側矯正/93万5000円以上99万円
・マウスピース型装置による矯正/110万円程度
・インプラント治療/49万5000円程度
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。