子どもから大人まで
痛くならないために行う予防歯科
江藤歯科医院
(宗像市/教育大前駅)
最終更新日:2023/08/03
- 保険診療
特に症状がなくても定期的に歯科医院に通うことで、虫歯や歯周病などのリスク低減をめざすのが予防歯科。「江藤歯科医院」の平塚俊志副院長は、症状が進んでからの受診では、治療費も時間も余計にかかる上に、治療の選択肢も狭まると指摘し、定期的に歯科医院に通うことの大切さを説く。定期的に歯科医院に通う人とそうでない人とでは、年齢を重ねるにつれ歯の残存本数に大きな差が出てくるというデータも発表されており、長く自分の歯で噛むためにも、定期的なメンテナンスが鍵となる。「痛みが出てから来院するのではなく、痛くならないようコントロールするために歯科医院に来てほしい」と話す平塚副院長に、予防歯科の大切さや同院で行っている予防歯科について話を聞いた。
(取材日2023年4月21日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q予防歯科に力を入れているのはなぜですか?
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A
虫歯も歯周病も、主にお口の中の常在菌によって引き起こされます。口腔内の環境が悪くなると発症のリスクが高まるため、生涯にわたって予防と治療が必要になるのです。日本人が歯を失う一番の原因は歯周病といわれていますが、歯周病は糖尿病や高血圧症と同じ慢性疾患で、生活習慣病という側面もあります。慢性疾患は症状がないときも、定期的なチェックで病状をコントロールしていく必要があります。近年、歯周病は心筋梗塞や脳血管疾患など、さまざまな病気との関連も報告されています。患者さんの健康を守るためにも、口腔内の健康を保つために予防歯科に力を入れています。
- Q歯科医院でケアを受けるメリットについて教えてください。
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A
口腔内の健康を保つためには、患者さんによるセルフケアが大切ですが、それだけではどうしても磨き残しが生じます。ですから、歯科医院でのプロフェッショナルケアも必要です。また、歯磨き指導を受けることで、ご自分の日頃の歯磨きの仕方を見直す契機ともなります。虫歯や歯周病は生活習慣による影響が大きく、お口の中の環境は日々変化していきます。自覚症状がなくても、詳しく検査をしてみると、実は虫歯や歯周病が進行していたということも考えられます。発見が遅れるほど、治療に要する時間や費用がかかりますし、治療の選択肢も限られてきます。そのような事態を避けるためにも、歯科医院でケアを受けるメリットは大きいのです。
- Q発症リスクを減らすため、普段から気をつけることはありますか?
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A
虫歯や歯周病は細菌による感染症ですが、発症する要因は、プラーク(歯垢)や患者さん自身の免疫力、生活環境などさまざまです。普段の生活の中で予防するには、丁寧なブラッシングに加えて、食事を含めた全身の健康管理が大切です。ストレスをためない生活を送ることも、セルフケアの一つといえます。ストレスによって免疫力が下がると、虫歯や歯周病の原因となる常在菌とのバランスが崩れてしまう恐れがあるからです。お子さんの予防に関しては、小学校低学年くらいまでは、親御さんがきちんとケアしてあげることが大切です。お子さんのお口の中に関心を持ち、磨き残しがないかチェックし、必要に応じて仕上げ磨きをしてあげましょう。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・カウンセリング
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問診票に記入後、主訴をもとに歯科衛生士および歯科医師が問診を行う。確認する項目は、普段の歯磨きなどの生活習慣、現在かかっている疾患や服用している薬など。特に、歯周病は全身疾患と相互に関係していることから、症状の原因が口の中だけの問題なのか、ほかの病気も影響しているのかをしっかり精査。問診は、今後の治療計画を立てる上でも非常に重要なプロセスなだけに、細心の注意を払って丁寧に行われる。
- 2口腔内の検査を行い、治療計画を立てる
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次に、エックス線撮影で表面からは見えない歯や骨の状態のチェックや、歯周組織検査が行われる。歯周組織検査では、器具を使って歯周ポケットの深さを測り、歯肉からの出血がないか、歯の動揺がないかを確認。検査結果をもとに、口腔内の現状や今後の治療計画について歯科医師から説明を受け、それについて話し合う。同院では、残っている歯にできるだけダメージを与えず、保存可能な歯は極力抜かずに残すことを重視している。
- 3必要に応じて治療や処置を行う
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強い痛みがあるなど急を要する場合を除き、検査を通して治療が必要な箇所があっても、すぐに治療に取りかからないのが同院の診療スタンス。治療を行う場合も、メリットとデメリットを伝えた上で、患者自身が納得できる治療方法を選択。十分にコミュニケーションを取り、信頼関係ができて初めて治療に進む。「症状が進んでからの来院では治療方法が限定されてしまうので、定期的に歯科医院でケアを受けることが大切」と平塚副院長。
- 4クリーニングで歯垢や歯石を取る
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歯科衛生士が、セルフケアでは落としきれないプラークや歯石を専用の器具を使って除去。クリーニング終了時には歯科医師が必ず最終チェックを行う。小児の患者には保護者の同意を得た上でフッ素塗布も行っている。今は市販でフッ素配合のデンタルケア用品もあるが、歯科医院では市販品に配合されているよりも高濃度のフッ素を使用。子どもの歯を虫歯から守るため、積極的なケアを推奨している。
- 5定期的なメンテナンス
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メンテナンスは、患者の口腔の状態から判断し、適切な来院間隔が伝えられる。同院のメンテナンスでは、歯科医師や歯科衛生士が定期的に歯周組織の状態を検査、評価し、さらに患者一人ひとりに合わせた歯磨き指導を実施している。注意して磨いてほしいところ、よく磨けているところ、それぞれポイントを絞ってレクチャーすることで、患者のモチベーションと予防意識の継続を図っているそうだ。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。