子どもの心身の成長を支え
親子に寄り添う「ハチドリルーム」
青木内科循環器科小児科クリニック
(福岡市西区/姪浜駅)
最終更新日:2026/03/13
- 保険診療
子育てはたくさんの喜びをもたらす反面、乳児期、幼児期、学童期、思春期と、発達段階それぞれにおける心配事は尽きない。電子機器の発達や遊び時間の減少など子どもを取り巻く環境が大きく変わる中、「何が正解かわからない」「気軽に相談できる人が周囲にいない」など、悩んでいる人も少なくないだろう。福岡市西区にある「青木内科循環器科小児科クリニック」の青木真智子副院長は、子どもの心身の健康を守る「小児保健」に精力的に取り組んできた。その集大成として、親子に寄り添うための「ハチドリルーム」をクリニック内に開設したという。そんな青木先生に、ハチドリルームに込めた思いやこちらで行う取り組みについて、話を聞いた。
(取材日2026年2月12日)
目次
乳幼児からの栄養や生活習慣をサポートする、小児保健の新たな拠点
- Q新しくできたハチドリルームは、どんな場所ですか?
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A
▲小児科の隣にあるハチドリルーム。鮮やかなハチドリが出迎える
ドアの青いハチドリが目印の、乳幼児健診や予防接種、栄養相談、運動療法、個別相談などを行う空間です。入り口は小児科と分かれていますが、連携が取りやすいように中は通路でつながっています。すべての患者さんに安心してご利用いただけるよう、ハチドリルームは一般小児科スペースと分離した非感染区域です。3部屋ある個室の診療室は、相談しやすい空間としての役割も担っています。真ん中には大きな空間を配し、壁にはハチドリや沖縄のフクギ林の画像をあしらい、癒やしの空間となるようリフォームしました。大型モニターも設置し、森や湖、滝の映像や、リラックスできる音楽を流しているので、自然の中にいるようなお部屋になっています。
- Qここでは、具体的にどんなサポートを受けられるのですか?
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A
▲待合には、ハチドリの登場する民話の一節が飾られている
「赤ちゃんの頭の形が気になる」「母乳の飲みが悪い」など乳児早期のお悩み事から、乳幼児の栄養、離乳食の指導、偏食・小食など日頃気になっていることをアドバイスします。私を始め複数のスタッフが、乳幼児の栄養、偏食・小食についてのアドバイザー資格を持っており、採血を用いた栄養学的判断も可能です。他に、学童期や思春期の肥満や痩せについてのフォローも。こんなことを聞くのは変かな?などと思わずに何でも聞いてください。栄養士やスタッフによる離乳食教室も定期的に実施していますので、お友達づくりの場としても活用いただけるとうれしいです。子宮頸がんのワクチンも、個室でゆっくりしながら女性医師が接種しています。
- Qこの部屋をつくった背景を教えてください。
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A
▲ルーム内の壁などさまざまな場所にいるハチドリを探すのも楽しい
南米の先住民族の間で伝えられてきた、ハチドリのお話をご存じでしょうか。この話は、小さな一羽のハチドリが山火事を消そうと一滴ずつ水を運ぶ、というものです。ハチドリルームの名前はここから来ています。どんなに微力でも、子どもたちのために今自分ができることを精いっぱいやっていきたい。そういう思いを込めています。十数年前までは「病気を治すこと」に一生懸命でしたが、年をとってきた今は「社会」・「地域」・「人生で大事なこと」にも気持ちがいくようになったような気がします。長年構想していたのですが、2025年にやっと実現できました。
- Q開業から22年の念願の開設だったのですね。
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A
▲より柔軟にサポートができるようになるとうれしそうに話す副院長
ハチドリルームは、子どもの心身の成長を支えたいという、私の小児科医師としての最終ステップをかなえる場所でもあります。私は、小児肥満や思春期の痩せに長年取り組み、学校医・園医としても多くの子どもたちを診てきた経験から、生活習慣病をスクリーニングする必要性を感じ、医師会の先生方と「小児生活習慣病検診」を立ち上げました。さらにその中で、乳幼児期の栄養や生活習慣が後の健康に大きく影響することを実感し、乳幼児期からのサポートの場としてこのルームを開設しました。私もふくめ、当院のスタッフは、子育ての苦労が解っているスタッフや、お子さまが大好きなスタッフばかりですので、ぜひご相談していただけたらと思います。
- Q患者さんたちと関わる中で大切にしていることはなんでしょうか。
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A
▲3部屋の個室の診療室を備えている
「袖振り合うも他生の縁」と言いますよね。一度でも来院くださった方には、ご縁を感じます。ご縁を大切にしながら、これまで培ってきた知識や私の気持ちを伝えていきたいと思っています。「気持ち」とは、言葉にするのは照れくさいのですが、「愛」です。私が両親や家族から受け取ってきた愛情を、今度は子どもたちやご家族へとつないでいきたい。そんな気持ちで、日々の診療に向き合っています。そしてスタッフもまた、子どもたちから多くの愛をもらっています。子どもたちが回復したり、ニコニコ手を振ってくれたり。そんな一つ一つが何よりの喜びです。私もスタッフも、毎日子どもたちから幸せをもらいながら、この仕事を続けています。

