肝臓がんをはじめ幅広いがんに適用
カテーテルによる抗がん剤治療
岩本内科医院
(北九州市小倉南区/石田駅)
最終更新日:2026/06/16
- 保険診療
今、日本人の2人に1人ががんになると言われている。早期発見できれば命を落とさずに済む可能性が高まるものの、初期症状に乏しいがんも多く、気づいた時には進行し、カテーテルによる一歩踏み込んだ抗がん剤治療を選択するケースも少なくないと「岩本内科医院」の岩本英希理事長は話す。岩本理事長は、肝臓がんをはじめ、乳がん、胃がん、大腸がんなど、幅広いがんに対するカテーテル治療の研鑽を積んできた。同院はクリニック規模でありながら、大学病院と同様の機器を用いた専門的な医療に取り組んでいる。そこで今回、同院で実施している肝動脈化学塞栓療法や肝動注化学療法など肝臓がんをはじめとするカテーテルによる抗がん剤治療と、その流れについて詳しく聞いた。
(取材日2026年5月1日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qこちらで対応できるがん治療について教えてください。
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A
当院は父の代よりがんのカテーテル治療に取り組んでまいりました。カテーテル治療を開始した当初は肝臓がんに対する治療でしたが、今は乳がん、胃がん、大腸がんなどから転移した肝臓がんなど、転移によるがんにもカテーテル治療を行っており、なおかつ全身の抗がん剤治療が難しくなった方にも治療を実施していますので、すべてのがんを対象としています。全身の抗がん剤が難しいということは、がんがかなり進行しているということ。当院にはそのような状態の方がたくさんお見えになります。この治療が合う方もいらっしゃいますので、早急にご相談いただきたいのと、手術不能のがんでも諦めないでほしいというのをお伝えしたいです。
- Qそのような専門的な治療がこちらで可能な理由は?
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A
カテーテル治療は高い技術を要する治療なので、クリニック規模で行っているところは国内でも非常に少なく、誰が行うかによって結果が大きく変わる治療でもあります。父の代から土台を構築できていたことと、私自身、久留米大学病院の消化器内科で研鑽を積むと同時に、がんの血管の研究にも取り組んでいたこと、そしてスウェーデンへの研究留学経験などもあったからこそ、今のような診療が可能に。肝細胞がんに栄養を送っている動脈を薬剤によって蓋をすることでがんの壊死を図る肝動脈化学塞栓術、根治をめざす塞栓術の門脈動脈同時塞栓療法、がんに到達しピンポイントで攻撃するための動注化学療法など、さまざまな治療が可能です。
- Q難症例にも対応できるカテーテル治療の魅力を教えてください。
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A
すべてのがんは動脈からの血液をもらって大きくなります。その動脈をつぶすことができれば良いのですが、動脈という血管は体の奥深くにあり、勢いよく血液が流れているので、治療が難しい場所なんですね。それを細いカテーテルを用いて治療を可能にしているのがこの治療の魅力。全身の抗がん剤治療は点滴や内服になりますが、点滴で言うと投与した薬剤は心臓にいき肺にいってからまた心臓に戻って全身にいきますので、その間に分解されたり抗がん剤の能力が低下してしまいます。例えば薬剤を10入れても2しか届かないといった状態。それがカテーテル治療では薬剤を10入れたとしたら10届くことが望めます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1初診・セカンドオピニオンとして来院
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まずは電話にて受診の問い合わせを行う。相談内容に応じてスタッフが柔軟に対応し、状態によっては理事長が直接電話で対応することも。セカンドオピニオンに関しては全国の患者を対象としているため、クリニックへの来院以外に、オンラインでも対応している。セカンドオピニオンでの受診については、すでに検査した結果など資料も準備しておくとスムーズ。不安なことなど、気になっていることは遠慮なく相談を。
- 2事前検査を行う
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血液検査や造影CTを実施。医師が画像読影をし診断後、患者と医師で話し合いながら治療方針を決定していく。セカンドオピニオンの場合、他の施設での検査結果を持参してもらうことが多く、それをもとに医師の見解を伝えるケースが大半とのこと。不要な検査を極力控えたいため、家族からの相談であっても資料を持参してほしいそうだ。手術が必要かつ、本人の希望があれば、日程を決め、手術や入院に関する説明を受ける。
- 3手術説明・入院
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手術前日に入院し、採血、エックス線、心電図など、手術に必要な検査を受ける。前日と同日の午前中に再度治療の概要、手術前後の説明を実施。治療内容などへの同意後、午後に行われる手術に備える。入院期間は1週間程度。入院中は食欲が少しでも出るように、そして食べる楽しみをという想いから、ホテル勤務経験のあるシェフによる食事を提供するなど、患者の心にも働きかけられるような取り組みを行っているそうだ。
- 4カテーテル治療の開始
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先進の技術と血管造影剤を用いてカテーテルを動脈まで挿入。がんの性格に適した抗がん剤を投与していく。通常の内服や点滴による抗がん剤治療よりも強い局所効果が期待できるため、少ない薬剤で済み、副作用も極力抑えられるという。手術に関して「息をするかの如く行う」ことをモットーとする理事長。意気込むよりも流れていくようなイメージで治療を進めることを大切にしているそう。治療時間は初回は約1時間、以降は約30分。
- 5定期的な通院
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一度でがんが消滅するのが理想だが、細胞が残っていたら再発するため、退院後も3~4週間ごとの定期的な受診が必要。状態によっては定期的にカテーテル治療をしていく必要があるケースも少なくないことから、いかに体と心の負担がなく治療を続けられるかというのが課題。その一つの策として、何度も動脈を刺さなくて済むよう動脈治療用のポートを導入するなど、繰り返し治療を受ける必要がある患者の負担軽減にも取り組んでいる。

