大切な命を守る第一歩
苦痛の少ない大腸内視鏡検査
岩崎内科
(松山市/本町四丁目駅)
最終更新日:2022/09/29
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大腸がんは、早期発見・治療により予後の改善が期待できる疾患。自覚症状のないうちから内視鏡検査で大腸に病変がないかを診ておくことが重要なのだが、肛門からカメラを入れることへのハードルや不安、恐怖心から躊躇している人も多いだろう。しかし、そのためらいが発見を遅らせ、がんが進行してしまうことも。そこで今回は、苦痛の少ない大腸内視鏡検査を積極的に行う「岩崎内科」の岩崎竜一朗副院長に、大腸内視鏡検査を受ける大切さや検査の流れについて詳しく聞いた。
(取材日2022年9月8日 )
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査はどんな方が受けるものなのでしょうか?
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A
大腸がん検診や健康診断で便潜血陽性になった患者さんは必ず受けるべきです。特に女性は、がんの中でも大腸がんの死亡者数が第1位になっていますので注意が必要です。大腸ポリープや大腸がんの家族歴がある人にも受けていただきたいですね。当院に来られる患者さんでも検査が陽性になったのは痔出血のせいと解釈したり、病院に行く時間がない、がんや病気が見つかるのが怖いなどを理由に検査をなかなか受けないでいた……という患者さんが多いように感じます。
- Q検査時の痛みを軽減するために工夫していることはありますか?
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A
大腸粘膜を見落としなく、細部まで観察するためには空気を入れて大腸粘膜をしっかり膨らませる必要があります。このため患者さんはおなかが張って苦痛に感じることがあります。当院では空気ではなく腸粘膜から吸収される炭酸ガスによる送気を行っておりますので、おなかの張りの負担が軽減されると期待できます。また熟練した日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医がすべて検査を行いますので、大規模病院で受ける検査と遜色ないと考えています。腸の長い人や、婦人科や腹部の手術既往のある患者さんは癒着による疼痛が起こることがありますので、希望に応じて鎮静剤、鎮痛剤を使用し、眠った状態での検査を行っております。
- Qどのぐらいの頻度で受けるのがいいのでしょうか。
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A
初回の大腸内視鏡検査で異常がなければ大腸がん検診で便潜血がないかの確認を継続します。大腸ポリープを切除した場合は経過観察のため1年後に検査を受けていただくことが多いです。その2回目の検査で異常がなければ、次は3~5年後の検査で十分といわれています。ただし、日本消化器内視鏡学会の「大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン2020」では、切除したポリープのサイズが大きい場合や数が多い場合、早期大腸がんを切除した場合は1年ごとの内視鏡検査を行うように推奨されています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診と事前説明
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来院後、基礎疾患や内服薬、手術の既往歴などについての問診を行う。その際、健診の結果などがあれば提出する。抗血栓薬や抗凝固薬などの血液をサラサラにする薬剤を飲んでいる人は出血リスクがあるため必ず申し出を。大腸内視鏡検査についての説明もこの時に行う。検査日程が決まれば、看護師が前日と当日のスケジュールを案内してくれる。
- 2検査当日は下剤を飲む
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検査前日は消化の良い食事を取る必要があるが、同院では希望に応じて前日用の検査食を問診時に用意してくれるので、食事の選択に困ることはない。就寝前に下剤を内服。検査当日は朝から絶食で来院し1.5L~2.0Lの洗浄液を内服する。自宅が近隣の人は自宅で腸管洗浄液を内服してからの来院も可能。遠方の人や一人での下剤内服に不安がある人、高齢者などはトイレつき個室でゆっくりと腸管洗浄液を内服できる。
- 3大腸内視鏡検査を受ける
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洗浄液を内服して便がきれいな状態になったら、検査着に着替えて内視鏡室へ。鎮静剤、鎮痛剤の点滴を使用して眠った状態での検査が可能。ただし、鎮静剤を使用する場合は当日の車やバイク、自転車の運転は不可なので注意が必要だ。検査時間は観察のみの場合はおよそ10~15分程度、当日そのままポリープを切除する場合は、ポリープの個数や大きさにもよるが30分~45分程度。同日に胃カメラの実施も可能。
- 4リカバリールームで休憩
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検査終了後は、個室で安静に。鎮静剤使用の有無と、使用した薬剤の種類や量により安静時間は異なるが、10~30分程度の休憩を取る。同院では完全個室のリカバリールームを用意しており、周囲を気にせずゆっくりと休むことができる。
- 5検査結果の説明を受ける
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覚醒して歩けるようになったら、診察室で実際の検査画像を見ながら担当医師から結果の説明を受ける。検査・治療の結果や今後の方針について、また必要があれば、早めに再検査を受ける理由などの話を説明してもらう。ポリープを切除した場合は後日、結果を聞きにいく。
自由診療費用の目安
自由診療とは大腸内視鏡検査/1万8000円