生活習慣病と深く関わる腎臓病
早期発見が進行抑制の鍵
わだ内科医院
(広島市中区/鷹野橋駅)
最終更新日:2026/08/31
- 保険診療
「全身の状態を映す鏡」ともいわれる臓器、腎臓。生活習慣病の影響を受けやすい一方、末期の状態になるまで症状が出てこないのが特徴だ。腎臓病に気づいたときには、機能が低下していたというケースも少なくない。さらに、腎臓の機能を改善する薬はなく再生不能のため、治療では「いかに良い状態を保つか・進行を抑制するか」が重要となる。「高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を放置していると、腎臓病を引き起こす恐れがあります」と警鐘を鳴らす「わだ内科医院」の金井亮院長に、腎臓病に罹患しないための予防法や、症状の悪化を防ぐための管理方法について話を聞いた。
(取材日2026年8月19日)
目次
慢性腎臓病は生活習慣病の放置が引き金になることも。健康診断の数値や気になる症状がある人は早めに相談を
- Q腎臓病とは、どのような病気でしょうか?
-
A
▲腎臓病は気づかないうちに進行してしまっていることが多い
腎臓は尿を作る臓器で、体に必要なものと不要なものを分けるフィルターの役割を持ちます。腎臓病はこのフィルター機能が低下している状態。体に必要な栄養素が体外に出てしまったり、本来は排出されるべき尿毒素が残ってしまったりするなど不調を引き起こします。そして、腎臓病の怖いところは、症状に気づいたときには、末期の状態になっていることが多いということです。起床時から疲れている、休んでも疲れが取れない、食欲がないなどの症状は尿毒症かもしれません。腎臓病には薬剤などの影響で急激に状態が悪くなる急性腎臓病と、生活習慣病が招く慢性腎臓病があります。遺伝的素因のある方や生活習慣病の方はリスクが高く注意が必要です。
- Q生活習慣病と腎臓病には、どのような関わりがありますか?
-
A
▲悪化させないためには、生活習慣病を放置しないことが重要
生活習慣病が背景になることが多い慢性腎臓病は、時間をかけて悪くなっていくのが特徴です。高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を放置し、長期間コントロールしていないと腎臓の機能が低下します。塩分濃度の高い食事、脂質や糖質の取りすぎ、運動不足、過度の飲酒、喫煙などが引き金になることもあります。また、腎臓病を発症すると血圧などの数値がより悪くなり、腎臓の状態も悪化し、負のスパイラルに陥る恐れもあります。それを防ぐためには、生活習慣病を放置しないことが重要です。
- Q生活習慣病の原因や放置するリスクについてお聞かせください。
-
A
▲生活習慣病を放置すると、腎臓病以外のリスクも高くなる
生活習慣病は遺伝的素因もありますが、やはり日頃の生活習慣の影響が大きいです。現代の日本ではカロリーの高い食事も多く、偏った食生活や運動不足、飲酒、喫煙などが生活習慣病を引き起こします。例えば、運動不足によって、本来ならば代謝されるべき糖質が体内に残ると、脂肪として蓄積されます。生活習慣病を放置すると、腎臓病だけでなく、心筋梗塞や脳卒中など他の病気のリスクも高まるため、注意しなければいけません。健康診断の結果などで生活習慣病の予備軍もわかりますので、ぜひ生活習慣の改善に取り組んでいただきたいですね。
- Qこちらではどういった治療が受けられるのでしょうか?
-
A
▲一人ひとりに合わせた食事指導も行い生活習慣の改善に努めている
生活習慣病の場合、食生活や運動習慣の見直しを行い、必要に応じて薬物療法を提案します。当院では、医師やスタッフによる食事指導も行っています。また、腎臓病を発症してしまった場合は、とにかく悪くならないようにすることが大事です。一度失われた腎機能を元の状態まで大きく改善させることが望める根本的な治療法は、現在のところ移植などに限られており、薬だけで傷ついた機能を元に戻すことは困難です。人間は年を取るだけでも腎臓の機能は落ちていくため、腎臓病の方は進行を抑制する必要があります。治療では、尿の中に本来は体内に残るべきタンパク質がどれくらい出ているかを確認しながら、生活習慣の改善や管理を行っていきます。
- Q日常生活で気をつけるポイントはありますか?
-
A
▲食生活の改善と適切な運動が大切だと話す金井亮院長
食事に関しては第一に「減塩」です。日本食は味噌や醤油など塩分が高いものが多いため、自分の食生活を見直すのも良いでしょう。また、水分をしっかり取ることも大切です。運動は「やればいい」というものではありません。息が止まるほどの極端に負荷が大きい筋トレ等の運動ではなく、軽く汗をかく程度の有酸素運動や適度な運動がお勧めです。夏場は汗をかきやすく、水分を取りながら行うことが大切です。また、腎臓病の方は、タンパク質の制限が必要となることもあります。年齢や身長、体重などによっても、1日のタンパク質の摂取量は異なります。当院では、患者さんに合わせた食事や生活習慣のアドバイスを行っていますので、ご安心ください。

