金井 亮 院長の独自取材記事
わだ内科医院
(広島市中区/鷹野橋駅)
最終更新日:2026/07/29
広電1号線・鷹野橋電停から徒歩約2分。広島市中心部に位置しながらも、どこか下町風情の残る親しみやすいエリアに位置する「わだ内科医院」は、先代院長の和田浩治先生が長年にわたり地域医療を支えてきたクリニックだ。2026年4月、そのバトンを受け継いだのが金井亮院長。金井院長は、広島大学病院をはじめ県内の基幹病院で腎臓内科を中心に研鑽を積み、急性期から慢性期疾患まで幅広い診療に携わってきた。腎臓内科の専門性を生かしながら、一般内科や生活習慣病の診療にも幅広く対応し、地域に寄り添う医療の実践に力を注いでいる。穏やかな人柄で患者一人ひとりに丁寧に向き合う金井院長に、クリニックを継承した経緯や診療にかける思い、そして今後の展望について話を聞いた。
(取材日2026年7月1日)
地域に根差した診療を受け継ぎ、新たにスタート
医師を志したきっかけと、これまでのご経歴について教えてください。

幼い頃から漠然と「人の役に立つ仕事がしたい」という思いがあり、自然と医師をめざすようになりました。自分の高校から医学部へ進学できるだろうかという迷いもありましたが、担任の先生に相談したところ、温かく背中を押していただいたことを今でもよく覚えています。その言葉が大きな励みとなり、広島大学医学部へ進学しました。卒業後は広島大学病院をはじめ、県内の基幹病院で腎臓内科を中心に研鑽を積み、急性期診療から慢性期管理まで幅広い診療に携わってきました。大学病院では専門性の高い医療を学ぶ一方、地域の病院では生活習慣病や慢性疾患を抱える患者さんを数多く診療し、地域ごとに求められる医療を経験してきました。そうした経験の積み重ねが、現在の診療の礎になっています。
腎臓内科を専門に選ばれた理由は何だったのでしょう。
腎臓内科を選んだのは研修医の頃です。腎臓は尿を作るための臓器であることはよく知られていますが、それだけでなく血圧を調節したり、体内の水分や電解質のバランスを整えたりと、全身の健康を維持する上で重要な役割を担っています。また、高血圧症や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の影響も受けやすく、「全身の状態を映す鏡」ともいわれる臓器です。そのため腎臓内科では、腎臓だけを診るのではなく、患者さんの生活習慣や背景、他の病気との関わりも含めて全身を総合的に診ることが求められます。専門的な知識を生かしながら、一人の内科医として幅広い疾患に関わり、患者さんを総合的に診られるところに大きな魅力を感じ、この分野を選びました。
クリニックを継承された経緯について教えてください。

以前から、いつかは地域に根差したクリニックで患者さんと長く関わる医療を実践したいという思いを持っていました。そんな中、広島大学の大先輩でもある和田先生が医院を継承される方を探していると伺い、ご縁をいただいたことがきっかけです。診療を見学させていただいた際に印象的だったのは、和田先生が患者さん一人ひとりのお話を丁寧に聞き、ご本人だけでなくご家族のことまで気にかけながら診療されていたことでした。その姿を見て、地域の皆さんから長年頼られてきた理由がよく分かり、私もその診療姿勢を受け継いでいきたいと強く感じました。4月に継承したばかりで身の引き締まる思いですが、これまで和田先生が築かれてきた信頼を大切にしながら、自分の経験を生かした診療を実践していきたいと思っています。
腎臓内科の専門性を生かして全身を総合的に診療
先生のご専門である腎臓内科について教えてください。

腎臓内科は、慢性腎臓病や腎炎など腎臓の病気だけを診る診療科と思われがちですが、高血圧症や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病とも深く関わっています。健康診断で尿たんぱくや血尿、腎機能の低下を指摘された方や、「むくみが気になる」「血圧がなかなか下がらない」といった症状がある方も、腎臓内科で診療することが少なくありません。腎臓の病気は初期には自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行してしまうこともあります。そのため、健診で異常を指摘された段階から適切に診療を受けることが大切です。当院では腎臓だけを見るのではなく、生活習慣病の管理も含めて全身を総合的に診ながら、腎機能の維持や透析リスクの軽減につながる診療を心がけています。
クリニックではどのような診療を受けることができますか。
腎臓内科を専門としていますが、地域のかかりつけ医として一般内科にも幅広く対応しています。発熱や風邪症状、腹痛、頭痛といった日常的な体調不良をはじめ、高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の継続的な管理、健康診断の結果についてのご相談や各種予防接種なども行っています。また、「何科を受診したらいいかわからない」という場合も、まずは気軽にご相談いただければと思います。当院では透析治療は行っていませんが、必要に応じて透析導入が可能な施設をご紹介し、治療が始まった後も連携しながら診療を続けていきます。さらに、通院が難しくなった患者さんに向けて訪問診療も開始し、住み慣れた地域で安心して療養を続けられるようサポートしています。
現在来院されている患者さんは、どのような方が多いですか。

先代院長の頃から長年通院されている地域の患者さんをはじめ、高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病で継続的に通院されている方が多くいらっしゃいます。また、健康診断で尿たんぱくや腎機能の異常を指摘され、「一度専門の医師に相談したほうがいいと言われた」と受診される方も少なくありません。腎臓内科を専門とするクリニックは地域でも限られているため、インターネットなどで調べて遠方から来院される患者さんもいらっしゃいます。年齢層は比較的高齢の方が多いですが、働き盛りの世代や健診をきっかけに受診される若い方も増えています。早い段階で異常を見つけ、適切な治療につなげることが将来の腎機能の維持にもつながりますので、健診で気になる結果が出た際は、ぜひ早めにご相談いただきたいですね。
対話を重視し、一人ひとりに寄り添う診療を実践
診療の際に心がけていることを教えてください。

診療では、患者さんのお話をしっかり伺い、一人ひとりに合った治療を提案することを大切にしています。同じ病気でも、年齢や生活環境、ご家庭の状況によって最適な治療は異なりますので、まずは患者さんご自身の考えやご希望を丁寧にお聞きするよう心がけています。病気だけを見るのではなく、患者さんがどのような生活を送り、何に困っているのかまで理解した上で、一緒に治療方針を考えていくことも大切ですね。また、白衣にはどうしても緊張感や威圧感を抱く方もいらっしゃるため、私は紺色のドクターコートを着用し、少しでもリラックスしてお話しいただけるような雰囲気がつくれるよう努めています。「こんなことで受診していいのだろうか」と迷われる方もいらっしゃいますが、調べた結果、異常がなければそれが一番です。患者さんに安心して相談していただける存在でありたいですね。
スタッフさんとの連携についてはいかがですか。
当院には先代院長の頃から長く勤務しているスタッフが多く、患者さんのお名前や生活背景までよく理解してくれています。そのため、診察室だけではわからない患者さんの日々の様子をスタッフから教えてもらうことも多く、とても心強く感じています。また、受付や看護師をはじめスタッフ全員が患者さんに温かく接してくれるので、初めて受診される方でも安心して通っていただける環境になっていると思います。これからもスタッフとしっかり連携しながら、地域の皆さんに信頼していただけるクリニックをつくっていきたいですね。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今後は腎臓内科の専門性を生かしながら、地域の皆さんの健康を長く支えられるクリニックをめざしていきたいと考えています。また、今年から始めた訪問診療をさらに充実させるとともに、より便利で安心して受診していただけるよう、オンライン診療や設備の充実など、新しい取り組みにも積極的に取り組んでいきたいですね。高血圧症や糖尿病などの生活習慣病を適切に管理し、腎臓病をはじめとするさまざまな病気の重症化を防ぐため、予防医療にも力を入れていきたいと考えています。腎臓内科というと「腎臓だけを診る診療科」というイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちは全身を総合的に診ることを大切にしています。少しでも気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。

